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Retty株式会社 デザイナー 近藤 雄亮さん

自分にぴったりなお店を探したい、自分のお店のファンを増やしたい。食を通じて世界中の人々をHappyにするグルメサービスを提供し続ける『Retty(レッティ)』。
同社のデザイナーでもあり、RettyのブランディングからUI/UXの開発まで幅広い活躍をされている近藤雄亮さんに、デザインの本質やクリエイターに求められることなど、お話を伺いました。

 

■ デザインを介して人々の生活を豊かにしたい

デザイン関係の仕事に就いていた母親の影響もあって、幼少時代から物事の成り立ちを考えることや、ものづくりが好きだったので、美術の成績だけは良かったです(笑)。やがて音楽に興味を持つようになり、バンドを結成し、20代前半の頃に念願のデビューを果たし、10年ほどは音楽漬けの日々を送っていました。

世の中に対してインパクトを与えられるひとつの手段が音楽であり、自分なりのメッセージを社会に向けて発信できることが最大の魅力でしたね。CDジャケットや宣伝の為のチラシデザイン、またFlashサイトの制作などアートディレクション全般を自らでやっていたので、その時にデザイン制作の基礎となる経験を積むことができました。 

長年の活動の末にバンドが解散することになった時、「作ることよりも壊すことの方が何倍も難しい」ということを痛感しましたね。その後はデザイナーに転身し、メディアの運営に携わる中でコンテンツを見やすい形に設計したり、UIを考えたりと幅広くやらせてもらいました。

次第に、デザインを介して「人々の生活を豊かにできたらいいな」という思いが芽生え始めたんです。さらに自分の得意分野で力を発揮できた方が、自分にとっても世の中にとってもいいのではと考えるようになりました。
そこで、人々の生活には欠かせない“衣食住”に関わる仕事をするため、広告代理店の制作部署に身を移し、住の部分に絞って住まいの価値を築くべく、デザインの戦略からマーケティングまでのプロモーション活動を一貫して行っていました。

その後、住よりも食の分野に興味がシフトしていって。その理由として、人の摂食機会は一日に3回あり、住よりも更に身近であり、より人々の生活に関わることができると考えたからです。数年前に転職した会社では主にスマートフォンのUI/UXの開発に携わっていました。既に成長過程にあるサービスだったため、ある程度経験を積んだタイミングで次のキャリアを考えるようになりました。既存のサービス改善よりも新しいサービスを共に作り上げていくタイミング、そして若い芽を共に育てて成長していきたい、そう考え、Retty株式会社にジョインしました。代表自らがデザインの本質というものを理解して立ち上げている点も惹かれた理由のひとつです。

 

■ “レビュー”するのではなく、“レコメンド”する

Rettyは、「食を通じて世界中の人々をHappyにする」というビジョンのもと、ユーザーさんが自分にぴったりなお店を探して最終的にはハッピーかつポジティブな状態になれることを目指しています。
外食をする背景には、ある程度の妥協ができるシーンももちろんありますが、絶対に失敗できない会食やデート、目的が食べることではなく大勢で楽しい時間を過ごしたい等、多種多様なシーンとニーズが存在しているんですね。

そういった中で、Rettyではユーザーさんの温度感というものを大切にしています。サービスの基本的なコンセプトとしては、“レビュー”をするのではなく“レコメンド”をするんです。レビューだと、ユーザーさんと提供者側が対等な関係ではない。だから“Reccomend”と“Happy”を合わせて、”Retty”なんですよ。

日常生活においてレビューをする機会ってあまりないと思いますが、「この店は良かった」とか、「この料理が美味しかった」とか、比較的ポジティブな情報は友達同士で実際に話に挙がることは多いと思います。そのポジティブな共有をRetty上でも行なっていただくことで、閲覧しているユーザーさんは自分にぴったりなお店が見つかる。

ユーザーが良いゴールを達成できるためには、どんなアプローチで、どういった画面に落とし込めばうまく伝わるか。そういったサービス全体のブランディングを担当しています。
昨今では、提供者側である飲食店と消費者側であるユーザーさんとのコンフリクトした関係性をひも解いてあげるためにも、サービスを通して双方良しの状態を作り上げていくのが、我々のミッションだと捉えています。

 

■ ビジネスチャンスは、人が集まった所に発生する

デザインをはじめとしたUI/UX を意識してものづくりに取り組むうえで、以下の4つのプロセスを大切にしています。
1つ目は、人の話を聞く。そして2つ目は、意図を正しく理解する。3つ目は、考えを的確にまとめて、4つ目は、それを形にする。

すべての仕事において言えることかもしれませんが、一般的には最後の項目である「形にする」というところばかりに皆さんフォーカスしがちだと思うんですよ。でも本来は、いろんなことをもっと追求する必要があるんです。
形にする前の、目に見えない段階こそが一番大事なので、体験を通じて何かしらの価値を感じてもらうためにも、このプロセスは欠くことができないと思っています。

そして、十分に納得のいく良いコンテンツやサービスを作りあげ、価値の高い状態にすることでユーザーにも良い体験が届けられる。そうすると、自然と人が集まってくるんですよ。ビジネスチャンスというのは、人が集まってきた所に発生するんです。

クリエイティブにおいても、自分の中で意識していることがあります。
「何故を5回繰り返す」という言葉が示すように、あらゆる本質となるものを徹底して考え抜くこと。課題解決というのは終わりがないので、いかに深掘りできるかを常に心がけていますね。

 

■ たくさんの人の心を動かしたい

さらには、“マクロ”な視点と“ミクロ”な視点の切り替えが大切です。例えばデザイナーは、配置や配色等、ついミクロの視点にフォーカスしてしまいがちですが、その一方でビジネスの成り立ちやバックグラウンドはどうなっているのか。そういったマクロな視点も併せ持たないと、本質的にいいものはできないんです。

社会を見据えたマクロな視点で物事を見ることで、気づくことがたくさんあります。デザインの本質は社会の中にあるので、そこに目を向けることにより、どんな課題があるのかが新しく見つかって、それを解決するためにはどうすればいいのかを考え抜くことができる。ですから、もっと社会に目を向けるべきなんです。

昨今では、デザインという言葉が持つ意味が広がっていて、世の中においてデザインの力が求められていると思うんです。ですから、自分自身も世の中に対して何かしらの価値を提供していきたいです。

自分のテーマとして、10億人の世界を変えるということを目標に掲げているのですが、最後は、明確なぶれない軸というものを自分の中で設けること。僕の場合、食の分野でWebを通して力を発揮したい。
それは音楽をやっていた頃から変わらず、「たくさんの人の心を動かしたい」というところが軸にあるので、同じ志をもつ同士がもっと増えていったらいいなあと思っています。


 
Retty株式会社

 
「行って良かった」お店が見つかるグルメサイトRettyを運営するRetty株式会社。「食を通じて世界中の人々をHappyに」をコーポレートビジョンに掲げ、2016年にはグローバル展開も開始する。現在月間ユーザー数1,700万人を超え、実名制グルメサイトの中では日本最大級。
http://corp.retty.me

近藤 雄亮(こんどう・ゆうすけ)

Retty株式会社
UX Lead, Designer


広告代理店にて広告プロモーションのデザインやクリエイティブのディレクションを担当。食を通じて人々を幸せにしたいと思い、老舗グルメサービスに入社。 メインデザイナーとして新規サービスやスマートフォンのUI/UX開発に従事。ユーザー、飲食店、社会の三方良しの世界を実現したいとの想いから2014年Rettyに参画。お店探しにおける新たな体験価値を高めるべくブランドやサービスの領域からチームをリードする。

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