クリエイティブな仕事の一つに「Webデザイナー」という職業があります。
未経験からでも学習やスキルアップできる環境が整っているため人気の仕事ではありますが、一方で「やめとけ」「後悔する」といった声が、ネット検索やSNSで見られます。

しかし、そのどれもが具体的な内容が明示されていないため、事実なのか気になる方も少なくありません。

そこで本記事では、Webデザイナーは「やめとけ」「後悔する」と言われる理由について、深掘りしていきます。

また、その他にも、魅力や求められるスキル、Webデザイナーになる方法を詳しく解説していますので、ぜひ最後までご一読ください。

Webデザイナーはやめとけ!の理由5選

NOの合図
Webデザイナーはやめとけ!という文言を目にしたことのある方は多いでしょう。
「きつそう」や「つらそう」といったイメージが強い仕事のため、やめとけといった結論に繋がっていると考えられます。
とはいえ「実際にそうなのか?」と疑問にもちますよね。

本章では、Webデザイナーはやめとけと言われる理由を5つ紹介します。
その理由は、下記の5つです。

  • Webデザイナーの飽和状態
  • 残業が多くてきつい!
  • 知識のアップデートが常に必須
  • 理想のデザインができない
  • 年収が高いわけではない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

理由①Webデザイナーの飽和状態

Webデザイナーは特別な資格がなくても、基本的スキルがあればWebデザインができるという参入障壁の低さから、人数が増加傾向にあると考えられます。

Webデザイナーの数が増加すると、ライバルとの競争が激しくなり仕事を獲得しにくい状況に陥ります。
しかし発想を転換すると、似たようなスキル・デザイン思考のデザイナーが多くなるとも考えられます。

突出したスキルと独創的な思考を磨いていき、誰にも真似できないデザインを施すことができれば、競争に勝ち残ることが可能になります。

理由②残業が多くてきつい!

企業に属している方や、フリーランスの方に限らず、Webデザイナーとして活動していると残業や長時間労働が当たり前の風潮がありました。

「風潮がありました」と過去形にしているのには意味があります。
それは現在「働き方改革」が実施され、残業や長時間労働が緩和されつつあるからです。

長時間の仕事をすることにより、疲労の蓄積や睡眠時間が十分確保されず、結果的に仕事への悪影響となり、制作物の質が落ちる可能性があります。

そのようなことも考慮され、残業や長時間労働をさせない動きが促進されていますので「残業が多くてきつい」というイメージは過去のものとされています。

参考:働き方改革特設サイト

理由③知識のアップデートが常に必須

Webデザイン業界はトレンドの入れ替わりが激しい傾向にあります。
新しい情報を調査し、それに見合った新たな知識やスキルを身につけるため、常日頃から勉強しなければいけないという点が「やめとけ」に繋がると考えられます。

しかし、Webデザイナーに限らずクリエイティブな仕事をしていく以上、最新トレンド情報の収集やスキルアップの勉強はおこなっていくのが当然になります。
ですので「やめとけ」と言われるにはあまりにも強引な理由であると言えるでしょう。

理由④理想のデザインができない

クライアントから依頼され、自身が制作したWebデザインに関して「もっとこうして欲しい」「ここに追加してほしい」といった注文を受けることがあります。

その場合に「自分の思ったデザインができない」と考える方も中にはいらっしゃるでしょう。しかし、それを理由とし「やめとけ」となるのは間違いです。

もちろん、Webデザイナーとして個性を出し独創性を追求することは必要なことです。
ですが、案件を請負い仕事としてやる以上、クライアントの要望を取り入れた形で進めていかなければなりません。
つまり、Webデザイナーとは、芸術家でもアーティストでもないということを念頭におきましょう。

上記のようなことから、Webデザイナーはものごとを考える柔軟性とデザインの引き出しの多さが必須と言えるでしょう。
デザインの引き出しが多くさまざまな局面で柔軟に対応できるWebデザイナーが、今の時代求められています。

理由⑤年収が高いわけではない

厚生労働省が運営している職業情報提供サイトによると、令和4年のWebデザイナー平均年収が「480.6万円」と比較的高い数字ではないことが分かります。
この点「やめとけ」と言われるのはある程度納得ができます。

とはいえ、特別低い年収でもないため、悲観的になる必要はないでしょう。
また、あくまで上記の情報は、平均的な年収を示しているため、スキルや経験、知識を高めていき、高単価案件を任されるようになれば必然的に年収アップも狙えます。

出典:Webデザイナー – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

Webデザイナーの魅力5選

Webデザイナーの魅力5選
「やめとけ」「後悔する」と言われる理由はいろいろありますが「Webデザイナーの魅力」についても深掘りしていきましょう。

ネガティブな部分だけでなく、魅力を知ることで印象も大きく変わることでしょう。
そこで本章では、Webデザイナーの魅力を5つに絞って紹介していきます。
5つの魅力は下記の通りです。

  • 将来性が高い
  • 仕事場所を選ばない
  • 年齢は関係ない
  • 独立しやすい
  • キャリアパスが豊富

それでは詳しく見ていきましょう。

魅力①将来性が高い

ますます発展していく情報社会の中で、Webデザイナーの存在は必要不可欠になっています。
より見やすく、より分かりやすく、よりメッセージ性の強いデザインを施せるのはWebデザイナーの強みです。

インターネットは、今や人々の生活になくてはならない存在であり、そこに関与しているWebデザイナーは将来性が高いと言えるでしょう。

また、最新AIの登場でさまざまな便利ツールが普及していますが、それを駆使して柔軟にデザインへ取り入れれば、これからの将来はさらに明るいでしょう。

魅力②仕事場所を選ばない

業態的にみて、必ず通勤して決まった場所で仕事をおこなう必要はありません。

自宅やそれ以外の場所でのいわゆるリモートワークも現実的であり、すでに導入されている企業も増加傾向にあります。

出先で急な修正依頼があったとしても、即座に対応ができる点も魅力と言えるでしょう。

魅力③年齢は関係ない

Webデザイナーは年齢に関係なく始めることが可能です。
むしろ社会経験を重ねており、ビジネスの基本を理解しているほうが有利なケースもあります。

20代の若年層が目指す職業のイメージが強いかもしれませんが、厚生労働省(jobtag)のデータで平均年齢が「38.3歳」と発表されていますので、年齢に関係なく一歩踏み出すための参考にしてくださいね。

出典:Webデザイナー – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

魅力④独立しやすい

アシスタントとしての下積み期間や、企業で従事した経験を活かして、独立しやすい業種でもあります。

自身のスキルを最大限に磨き、将来は独立を視野に入れて活動するWebデザイナーも多いため、現実的な魅力であると言えるでしょう。

また、比較的専門性の高い仕事でもあるため、手に職として活躍の幅を広げられ、実力次第では有名になる可能性も秘めています。

魅力⑤キャリアパスが豊富

Webデザイナーとして歩み始めてそこから派生し、デザインスキルを活かした豊富なキャリアパスがあります。

例をあげると「Webディレクター」「Webマーケター」「プランナー」などの業種が存在します。Webデザイナーとして培ったスキルを活用して、幅広い思考と判断能力のある人材へと成長し、キャリアパスでさらなる活躍も見込めるでしょう。

Webデザイナーになって“後悔”する人の特徴

後悔する女性
Webデザイナーは「後悔する」といった声もありますが、こちらに関しては人によってさまざまであると言えます。
強いて言うのであれば、後悔する人の「特徴」はあるでしょう。

後悔するかしないかはやってみないと分からない、いわば不明瞭な点であると言えますので、以下で解説する特徴を参考までに読み進めていきましょう。

Webデザイナーになって後悔する人の特徴は下記の通りです。

  • 地道に取り組めない
  • コミュニケーション能力が著しく低い
  • スキルを学ぶ姿勢がない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

地道に取り組めない

Webデザイナーは、一見華やかに見えますが、実際は地道な業務が多い仕事です。
細部に気を配り、依頼サイドの意図を汲み取り制作を進めていかなければならないため、対応力や良い意味での神経質な面も必要となってきます。

細かい作業も多く、地道に取り組むのが苦手な人はWebデザイナーになって後悔する可能性があります。

コミュニケーション能力が著しく低い

一つのプロジェクトを遂行していく中で、さまざまな分野の人や上層部と関わる場面が多々あります。
当然、プロジェクトの成功をおさめるためにコミュニケーション能力は必須と言えるでしょう。

コミュニケーションがうまく取れない、または全くといって取れない場合は、相手との齟齬が生まれ、成果物に大きな食い違いが起きかねません。

他者とのコミュニケーションが極端に苦手な人は、業務を円滑に進めていくことが難しいでしょう。
そのため、Webデザイナーになって後悔する可能性は大いに考えられます。

スキルを学ぶ姿勢がない

基本的なWebデザインのスキルはもちろんのこと、応用やトレンドを取り込んだスキルを学ぶことが苦手、そもそも学ぶ気がない人は後悔するでしょう。

特別な資格取得が必要ないとはいえ、Webデザイナーとして実力をつけ活躍するためには、常に学習する姿勢が必要です。

デザインに関する「クリエイティブ脳」を随時アップデートしていかなければ、時代を先取りしたWebデザイナーになるのは難しいでしょう。

Webデザイナーに求められるスキル

6本のより糸と手
Webデザイナーは感性やセンスだけでは成り立たない職業です。
デザイン制作ソフトを駆使して、イメージ通りに仕上げる操作や最新の情報を集める能力、人との関わりを通じておこなう自己アピールなど、多岐に渡って求められるスキルがあります。

そこで本章では、現代においてWebデザイナーに求められるスキルを厳選して3つ紹介していきます。
Webデザイナーになるには必須と言われている内容を分かりやすく解説していますので、未経験の方や初学者の方もぜひ参考にしてくださいね。

求められるおもなスキルは下記の3つです。

  • デザイン/実装スキル
  • 知見やニーズをキャッチするスキル
  • 営業スキル

それぞれ詳しく見ていきましょう。

デザイン/実装スキル

Webデザイナーに最も重要とされるのが「デザインと実装」のスキルです。

デザインに関してはセンスだけではなく、多くの知識を有している必要があり、汎用性の高い引き出しをもっていると仕事の質が向上するでしょう。

実装スキルに関しては、コーディングと呼ばれる「HTML」「CSS」「JavaScript」「PHP」といったプログラミング言語を扱うスキルが必要となります。
専門的な技術領域ですので、スキル習得のための勉強が重要と言えるでしょう。

またデザイン制作ソフトを使いこなし、イメージ通りの成果物に仕上げるスキルもWebデザイナーには必須と言えますので、まずは「Photoshop」や「Illustrator」といった制作現場で多用されている制作ソフトに慣れることをおすすめします。

知見やニーズをキャッチするスキル

Webデザイナーは、常に移り変わる流行や新しい情報をキャッチし、デザインに取り入れることが大切です。

この「情報収集能力」が最新のトレンドを掴み、自身のWebデザインへのアウトプットに繋がることでしょう。
また、情報をキャッチすることも一つの重要な「スキル」として捉え、能力を伸ばす取り組みをおこなえば、自然と身についていくはずです。

一つ例をあげると、気になったことがあればすぐに検索して、内容を理解するといった一連のフローを癖付けることです。
これにより、調べて学ぶといった習慣がつきますので、ぜひ試してみてください。

営業スキル

クリエイターであるWebデザイナーでも営業スキルは必須です。
特に今後フリーランスとして独立を考えている方は重要なポイントになります。

というのも、自分で営業活動をおこない案件を獲得しなければいけないからです。
Webデザイナーが営業をしていく上で必ず必要になるのが、自身の実績やデザイン能力をアピールできるポートフォリオです。

ポートフォリオの他に、営業先に送る提案文の作成や打ち合わせなど、さまざまな場面で営業スキルは必須になってきます。また、人脈も大切と言えるでしょう。

今は独立を考えていない方も、他者とコミュニケーションを取るという点では共通している点が多いので、営業スキルはWebデザイナーに求められると言って良いでしょう。

関連記事:フリーランスが2022年必要とされたスキルランキング、1位は「営業」

合わせて読みたい!Webデザイナーに向いている人の特徴

Webデザイナーになる方法

キャリアステップ
Webデザイナーは「やめとけ」「後悔する」といったネガティブなイメージはある程度払拭できたところで、実際に「なる方法」を本章で解説していきます。

今回はおもな2つに絞って紹介していきますので、それぞれの特徴を把握してください。
Webデザイナーになるおもな2つの方法は下記の通りです。

  • スクールに入学する
  • 「未経験OK」求人に応募する

詳しく見ていきましょう。

スクールに入学する

未経験や初学者の方でも、基礎からしっかり学べる「Webデザインスクール」があります。
独学で学習するのも一つの手段ではありますが、スクールに入学することでスキル習得の効率が上がったり、現役デザイナーの講義や意見を聞けたりできるのでおすすめの方法と言えます。

また、スクールによって特徴や受講料はさまざまであり、自身にあったスクール選びが重要となります。

下記の記事では、人気のWebデザインスクールを厳選して10校紹介していますので、こちらもぜひご一読ください。

合わせて読みたい!人気のWebデザインスクールおすすめ10選

「未経験OK」求人に応募する

企業によっては「未経験OK」として求人を出している場合があります。
まずはアシスタントとして現場で経験を積むことになりますので、Webデザイナーとして自立できるまでは少し時間がかかる可能性は拭えません。

しかし、独学やスクールよりも現場で活かせるスキルを身につけやすいと言えます。
当然、個人的な自学習も必要とはなりますが、現場の最前線をすぐに経験できるということは非常に価値があり、これもまたおすすめの方法です。

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Webデザイナーの将来は明るい!

今回はWebデザイナーについて「やめとけ」と言われる理由や後悔する人の特徴を解説してきました。

そういったネガティブなイメージは、古い風潮や認識のズレから起きているものであると考えられますので、結論Webデザイナーを目指すことは全く問題ありません。

加えて、現時点で「Webデザイナーになりたい!」という目標を持っているのなら、行動を起こすに他ありません。第三者の意見や感想はさておき、まずは自分で体感しないと分からないことも多いはずです。

これからさらに、Web業界は発展を続けていくことが予想され、Webデザイナーの仕事もその未来を担っていると言えます。

また、近年成長過程にある「AI」の脅威は無視できませんが、敵視するのではなく、その技術を柔軟に取り入れ、共存していける人材こそが今後求められるWebデザイナー像と言えるのではないでしょうか。