動画コンテンツの需要増加によって、動画編集者を目指す人が増えてきました。中には、未経験から動画編集者を目指している方もいるかもしれません。

動画編集のスキルは、独学でも十分に学ぶことができます。インターネットの普及により、多くのオンラインリソースやチュートリアルが利用できるため、動画編集に必要なスキルを自宅で学ぶことが可能です。しかし、独学の場合は自己管理やモチベーションの維持が難しいケースもあるでしょう。自分自身で目標を設定し、学習計画を立てて取り組むことがポイントです。

この記事では、独学での勉強法と挫折しないコツを紹介します。

動画編集・映像制作の習得時間と習得期間は?

動画編集や映像制作のスキルを習得する時間や期間は個人によって異なりますが、一般的な目安としては約1ヶ月から3ヶ月程度です。この期間内に基本的な編集技術やソフトウェアの使い方、映像の構成や効果の追加などを学ぶことができます。

例えばオンライン型の動画編集スクールとして大手である「DMM WEBCAMP 動画クリエイターコース 」では、以下のような学習時間になっています。

学習時間 4週間(1ヶ月) 8週間(2ヶ月) 12週間(3ヶ月)
週の学習時間 40時間 20時間 13.5時間
トータル学習時間 約170時間 約170時間 約170時間

動画編集や映像制作のスキルの習得時間の参考にしましょう。

独学の場合はさらにかかる場合もある

繰り返しにはなりますが、動画編集のスキルは独学で学ぶことができます。
ただし、独学の場合は教材の用意から全て自分で行わなければならないため、時間がかかる場合もあるでしょう。また、自分のペースで学習するため、理解に時間がかかることや試行錯誤が必要な場合もあります。

そのため、独学で学ぶ際には、自己学習能力や継続力が求められます。独学に挫折しないためには、学習のモチベーションを保つことが重要です。具体的な目標を設定し、学習の進捗を可視化することでやる気を維持しましょう。自分のペースでもしっかりと勉強を進められれば、自己の意欲と努力によって高い編集スキルを獲得することができます。

動画編集で習得すべき4つのスキル

①カット

動画の編集において、不要な部分を削除したり、シーンの切り替えをスムーズに行ったりするカット技術は基本中の基本です。シーンの結合やタイミングの調整に慣れることで、動画の流れをより魅力的に編集することができます。

②テロップ

テロップとは、映像にテキストを追加する技術です。タイトルや字幕、説明文などを挿入することで、視聴者に情報を伝えたり、映像の内容を補完したりすることができます。テロップのデザインや配置に工夫を加えることで、より効果的な映像表現が可能です。

③効果音の挿入

効果音の挿入は、映像に臨場感や感情を与える重要な要素です。効果音は、物体の動きや環境音、特定のアクションの音など、映像に合わせて選ばれます。正しい効果音を選択し、映像とのタイミングを合わせることで、視聴者により一層の没入感を提供します。効果音ライブラリやオーディオ編集ソフトウェアを活用して、映像に適した効果音を見つけましょう。

④サムネイル作成

映像作品と関連するスキルとして、サムネイルの制作スキルもあると良いでしょう。サムネイルは、動画の第一印象を左右します。魅力的で興味を引くサムネイルは、視聴者の目を引きつけ、クリックして再生してもらうきっかけになります。サムネイル作成には、グラフィックデザインの基礎知識や画像編集ソフトウェアの使い方が必要です。映像のキーポイントや魅力的なフレームを抽出し、テキストやエフェクトを追加して、サムネイルを作成しましょう。

動画編集を独学で学ぶときにおすすめの学習コンテンツ

YouTube

YouTubeには多くの動画編集に関するチュートリアルや解説動画が存在します。有名なチャンネルとしては、「Filmora」「Adobe Creative Cloud」などがあります。これらのチャンネルでは、基本的な操作から応用技術まで幅広い内容が提供されています。ここからは、動画編集を学ぶ際に役立つYouTubeチャンネルをいくつか紹介します。

Filmora
Filmoraは、動画編集ソフトウェアの提供会社であり、YouTubeチャンネルでも幅広い動画編集に関するチュートリアルやヒントを提供しています。初心者向けの基礎から応用までカバーしており、使いやすいインターフェースや効果的な編集テクニックを学ぶことができます。

Peter McKinnon
Peter McKinnonは、人気のある写真家・ビデオクリエーターであり、彼のYouTubeチャンネルでは映像制作に関するさまざまなコンテンツが提供されています。彼の独自のスタイルやテクニックを学ぶことができるだけでなく、映像制作のインスピレーションを得ることもできます。

AdobeCreativeStation
AdobeCreativeStationは、アドビが開発している、グラフィックデザイン及び動画編集、ウェブデザインのアプリケーションの使い方に特化したYouTubeチャンネルです。初心者の参考になる、PhotoshopやIllustratorの入門編動画もあります。

Webサイト

動画編集に関する情報やチュートリアルが掲載されているWebサイトも有用です。
下記のサイトは、いずれも動画編集や映像制作に興味がある方におすすめのサイトです。ぜひ参考にしてみてください。

Video BRAIN
株式会社オープンエイトが運営している『Video BRAINブログ』は、動画制作・動画編集をゼロから始める際に役立つ情報を提供しています。ポイントや必要ツール、編集方法などがわかりやすくまとまっており、動画編集者や映像制作者のインタビュー記事も掲載されています。

Movie Works
動画領域特化のWEBメディア『Movie Works』は、動画編集・映像制作の初心者向けコンテンツを多数掲載しています。現在の動画編集・映像制作市場に関する需要や今後の将来性が統計データ付きで解説されていたり、ソフト別の学習方法に関するコンテンツも豊富にありました。

OneSe
OneSeは、動画クリエイターの大川優介氏が運営しているクリエイターコミュニティです。OneSeでは、動画編集者に必要なスキルを習得するための豊富な学習コンテンツを取り揃えています。未経験でこれから動画を始めたい方、スマホしか持っていない方でも気軽に勉強できるでしょう。

動画編集の基礎知識や応用テクニックを学ぶための書籍も豊富にあります。これらの本は、動画編集の基礎から応用まで体系的に学ぶことができるだけでなく、実際の制作例や豊富なイラストを通じて理解を深めることができます。

以下では、動画編集の学習におすすめの書籍を紹介します。

「Premiere Pro プロが教える知っておくべき効率&品質アップテクニック!」
この本は、Adobe Premiere Proの使い方を学ぶための入門書です。動画編集の基礎から、応用的なテクニックまで、幅広く学ぶことができます。Premiere Proの基本的な操作から、動画の編集、エフェクトの使い方、字幕の入れ方、音声の編集方法など、動画編集に必要な知識やスキルをすべて学ぶことができます。また、プロの動画編集者による解説や、実際に使用されているテクニックも紹介されているので、初心者の方でもわかりやすく学ぶことができます。

「世界一やさしい YouTube動画編集の教科書1年生」
この本は、動画編集の基礎を学ぶための入門書です。動画編集の流れや、動画編集ソフトの使い方、動画編集のノウハウなどを学ぶことができます。動画編集の基礎から、動画編集ソフトの使い方、動画編集のノウハウなど、動画編集に必要な知識やスキルをすべて学ぶことができます。また、デザインルールにのっとったサムネイル作成方法など、YouTube動画の編集方法が一通り理解できるだけでなく、動画編集者として案件を獲得するための方法やノウハウも解説しています。

「図解だからわかりやすい映像編集の教科書 (玄光社MOOK) 」
本書では、月刊「ビデオサロン」にて連載していた映像編集講座「つなぎのテクニック」を1冊にまとめた本です。筆者の井上秀明氏は、05年度日本映画テレビ技術協会・映像技術賞ほか多数の受賞歴を持つ現役の映像編集者です。出版から10年以上経っていますが、長い間読まれ続けている、図解で映像制作を学べる本でもあります。映像編集・映像制作の概念から基本事項まで、イラスト図解を交えてわかりやすく学んでいくことができます。

オンライン講座

オンライン講座を活用すれば、プロの講師から直接指導を受けることができます。UdemyやSkillshareなどのプラットフォームでは、多くの動画編集コースが提供されています。これらの講座では実際のソフトウェア操作やプロジェクトの制作方法について、体系的かつ実践的に学ぶことができます。また、講師からのフィードバックやコミュニティのサポートも受けることができるため、独学よりも学習の質を向上させることができます。

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動画編集を独学で勉強するメリット

自分のペースで学習ができる

独学では、自分の都合やスケジュールに合わせて学習を進めることができます。外部の時間制約やスクールのカリキュラムに縛られることなく、自分のペースでじっくりと学ぶことができます。理解が追いつかない部分や興味のあるトピックに重点を置くことができるため、より深い知識とスキルを身につけることができます。

自分に合った勉強法を選べる

独学では、自分に合った勉強方法を自由に選ぶことができます。最近では、オンラインの動画チュートリアルやコース、書籍、ウェブ記事などさまざまな学習リソースが利用できます。自分の学習スタイルや好みに合った方法を選ぶことで、効率的にスキルを習得することができるでしょう。また、自分の興味や目標に応じて特定のスキルや技術に集中することもできます。

費用を抑えられる

独学での動画編集の学習では、学習資料や教材の費用を抑えることができます。無料のオンラインリソースやクリエイターコミュニティの情報を活用することで、学習に必要なコストを最小限に抑えることができます。特に初心者の場合、高額なスクールや専門的なコースに参加する必要はありません。独学の過程で自身のスキルを高めていくことで、将来的には有料の仕事やプロジェクトにも挑戦することができる可能性があります。

動画編集を独学で勉強するデメリット

学習の質が左右される

独学では、学習の質が個人の取り組み次第で左右されます。情報の信頼性や適切な学習方法を見極める能力が求められます。インターネット上には豊富な情報が存在しますが、正しい情報と間違った情報を見極める必要があります。正しい手法やベストプラクティスを身につけるためには、信頼性の高い情報源を活用し、正確な知識を得る必要があります。

モチベーションやスピード感を保つのが難しい

独学では、自己管理能力が求められます。モチベーションを保ち続けることや学習のスピード感を維持することは挑戦です。他の優先事項や日常生活の制約がある中で、学習に十分な時間を割くことが難しい場合もあります。
また、挫折や行き詰まりに直面した際には、自分自身を奮い立たせるための努力が必要です。

動画編集で挫折しないための3つのポイント

動画編集を学ぶ意味をいま一度整理する

自分がなぜ動画編集を学びたいのか、どのような目標を達成したいのかを明確にしましょう。動画編集を学ぶ意味をいま一度整理することによって、学習への意欲を高めることができます。動画編集は時間とエネルギーを要する作業ですので、目的や意義をしっかりと持つことが、継続的な学習につながります。

正しい方法で動画編集スキルを習得する

動画編集で挫折しないためには、効果的な学習方法を選ぶことも重要です。信頼性のある教材やオンラインコースを活用し、基礎から応用まで体系的に学んでいきましょう。また、実践的な演習やプロジェクトに積極的に取り組むことで、理論だけでなく実際の経験も重ねることができます。さらに、他の編集者やコミュニティとの交流を通じてフィードバックを得ることも、挫折をしないためのコツとして挙げられるでしょう。

モチベーションやスピード感を保つ工夫をする

独学で学ぶ場合、モチベーションやスピード感の維持が難しいことがあります。定期的な目標設定やスケジュール管理を行い、学習の進捗を可視化しましょう。また、学習のモチベーションを高めるために、興味のあるテーマやプロジェクトに取り組んだり、他の編集者とS N S上で情報を共有することも効果的です。疲れた状態での勉強は集中力が低下し、学習効果も薄れますので、適度な休息をとることも意識しましょう。

独学での勉強が難しい場合はスクールも検討しよう

独学での動画編集の勉強が難しい場合やより体系的に学びたい場合は、専門の動画編集スクールを検討することがおすすめです。スクールでは、専門的な知識や技術を習得するだけでなく、実践的なプロジェクトに取り組む機会も提供されます。また、業界のトレンドや最新のツールにも触れることができるため、映像制作のプロとしてのスキルを高めることができます。

デジハク(DIGITAL HACKS)

デジハク(DIGITAL HACKS)は、映像制作全般に特化したスクールです。豪華な講師陣による指導や実践的なカリキュラムが魅力で、映像制作における幅広いスキルを習得することができます。また、業界で活躍するプロフェッショナルとの交流や就職支援なども充実しています。

ムークリ(MOOCRES)

ムークリ(MOOCRES)は、デジタルコンテンツ制作に特化したスクールです。映像制作の基礎から応用まで幅広い知識を身につけることができます。柔軟な学習スケジュールやオンラインでの学習環境が整っており、自分のペースで学ぶことができます。

DMM WEBCAMP(DMMウェブキャンプ)動画編集コース

DMM WEBCAMP(DMMウェブキャンプ)動画編集コースは、オンラインで動画編集を学ぶことができるコースです。実践的なカリキュラムや実績のある講師による指導が魅力で、基礎から応用まで幅広いスキルを身につけることができます。
さらに、自宅で学習することができるため、時間や場所に制約されずに学ぶことができます。

まとめ

動画編集は、独学とスクールに通うという2つの方法で学ぶことができます。独学は費用が安く、自分のペースで学ぶことができますが、モチベーションを維持するのが難しい場合もあります。スクールに通うと、プロの講師から指導を受けることができ、実践的なスキルを身につけることができますが、費用がかかります。動画編集を学ぶ際には、自分の目的や目標に合った方法を選ぶことが大切です。あなたに合う最適な勉強方法を見つけて、動画編集者を目指しましょう。