動画編集初心者でもスマホやタブレットで気軽に作業できる「Premiere Rush」のモバイル版。前回の「ツールの特徴&メリット・デメリット編」に引き続き、今回は実際に端末へ取り込んだ画像や動画を使いながら編集の流れを説明します。
素材の読み込みからカット編集、エフェクトやカラーの付け方、声やテキストの追加などを理解し、スマホを使用した動画編集を楽しみましょう!
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この記事で得られる学び
- Premiere Rush モバイル版を使用した編集の流れ
- ツールバーの特徴と使い方
- 見やすい動画を作るポイント
- 1.講座概要
- 2.登壇者紹介
- 3.プロジェクト作成・素材読み込み
- 4.カット編集
- 5.クリップの変形
- 6.エフェクト
- 7.カラー
- 8.オーディオ
- 9.テキストの追加
- 10.メディアの読み込み・速度調整・書き出し
- 11.まとめ
1.講座概要
動画編集の需要が高まっている昨今、パソコンだけでなく、スマホでも簡単に動画編集ができるツールがたくさん登場しています。どのツールを使えばいいのか分からない、中・上級者向けの仕様ばかりで使いこなせないと途中で諦めてしまうことも……。
本講座では、スマホやタブレットで簡単に動画編集ができるモバイル版「Premiere Rush」の特徴や使用した一連の編集作業を説明します。
※有料版のみ可能な作業もあるのでご注意ください。
2.登壇者紹介
埼玉県出身。筑波大学卒。テレビ番組のディレクターを経て、フリーランスの映像作家に転身。ショートアニメーションムービーで国内外の映画祭で受賞。2019年に株式会社アトリエ036を設立。現在はテレビ放送や企業・自治体向けの映像やCG、イラスト、アニメーションなど幅広く作っている。また大学や専門学校、セミナーなどで映像制作の指導もしている。

<株式会社アトリエ036 企業サイト>https://www.atelier036.jp/
<金子氏への講師・登壇依頼はこちら>金子修氏:研修サービスお問い合わせフォーム
3.プロジェクト作成・素材読み込み
スマホでPremiere Rushを開いていただくと、作成したプロジェクトが一覧できるホーム画面が現れます。
プロジェクト名称の左横に2種類のアイコンが見えますが、「スマホのマーク」はスマホだけアップされている状態、「スマホ+雲のマーク」はクラウド上にアップされている状態です。

「スマホ+雲のマーク」が付いているプロジェクトはパソコンでも作業できますが、「スマホのマーク」だけしか付いていないプロジェクトはスマホのみでの作業になるため、パソコンで作業する際は同期が必要になります。
プロジェクトの作成方法
「+」のマークをタップすると「新規プロジェクトの作成」と表示されます。「メディアを追加」もしくは「ビデオまたは写真を撮影」から今回は「メディアを追加」を選択。すると読み込み場所が選択できるようになります。

ローカルはスマホの中にあるデータ、クラウドは同期しているデータです。
事前にサンプルデータを保存した「Creative Cloud」から素材を選択し、プロジェクト名を入力してダウンロード。なお、素材の右横にある□をタップすると、タップした順番でダウンロードが始まります。
ここでのポイントは、有料版のほうは作成ボタンをタップする前に「CCと同期」にチェックを入れること。このチェックを入れておかないとスマホの中だけにしかデータが保存されません。
「CCと同期」にチェックを入れたことを確かめてから、作成ボタンを押しましょう。

2.モバイル版ならではのシンプルな編集画面
「メディアを準備中」が消えるとプレビュー画面(編集画面)になります。下記のようなプレビュー画面になっていない場合は、パソコンのマークをタップしてください。
Premiere Rushの編集画面は、上にプレビュー画面、真ん中にタイムライン、下にツールバーというシンプルなデザインとなっています。

タイムラインで操作できる動画素材を“クリップ”と呼び、オレンジで囲まれているクリップは選択された状態。そこに表示されている青色の縦線は“インジゲーター”といい、この部分がプレビュー画面に映ります。モバイル版の場合、インジゲーターは常にタイムラインの真ん中に表示されているのが特徴です。
また、タイムラインを二本指で横に広げたり、プレビュー画面の下にあるアイコンをいじったりして細かい作業をするのもモバイル版の特徴となります。
4.カット編集
編集する際は、クリップを選択しオレンジの状態にしておきます。左端を動かすと動画の開始点、右端を動かすと終了点のトリミングが可能です。トリミングに失敗しても消えているわけではないので、カーソルを合わせて広げれば元どおりになります。
下のツールバーでもトリミングできますが、クリップの「分割」→「削除」を選択すればさらに作業が早くなります。インジゲーターに合わせた部分が分割・削除できるのでぜひ試してみてください。

素材の順番を変えたいときは、移動したいクリップを選択し左右に移動させるだけでOK。クリップの上にもう1つのクリップを持っていくこともできますが、その場合、上のクリップが優先してプレビュー画面に表示されます。
また、クリップを縦に並べた列のことを「トラック」といいます。Premiere Rushの場合、ビデオは4つ、オーディオは3つのトラックを並べることが可能です。
トラックが見にくい場合は、下のツールバーで3本線が入っているマークをタップしてください。細かい部分を開いて確認したいときに使用すると作業しやすくなりますよ。

5.クリップの変形
映像を反転させたり、スケールを変えたりしたいときには、クリップの変形を行います。
まず、変更したいクリップを選択し、下のツールバーから「変形」のボタンをタップ。すると、いろいろなパラーメーターが出てきます。
モバイル版の場合、プレビュー画面をタップすると青い枠線が出てきます。その状態で左右に動かすとプレビュー画面も動き、二本指で小さくしたり回転させたりすることが可能です。粗編の際は、直接プレビュー画面を触ると素早く作業できます。
失敗したときには1番右にある「リセット」で元どおりになるので、まずは恐れずに自分で試してみましょう。ちなみに、その横にある「オンオフ」をタップすれば、編集前と後の比較ができます。

6.エフェクト
次は、画像に効果を追加する作業です。
加工処理をしたいクリップを選択し、下のツールバーから「エフェクト」をタップ。続けて、「トランジジョン」をタップすると、前のクリップとの繋ぎが自然な流れになり、動画の終着点になると暗転します。
もっと流れを早めたい、ゆるく繋ぎたい場合は、「ディゾルブ」を選択し、「デュレーション」の長さを変更してください。デュレーションが示す数字が大きくなるほど流れが滑らかに、数字が小さくなるほど流れが早くなります。

ちなみに、ディゾルブを適用するとオーディオにも反映され滑らかに移り変わります。他にもさまざまな効果がありますが、特にディゾルブはよく使うので覚えておくと良いでしょう。
なお、複数のクリップにディゾルブをかけたいときは、ツールバーの1番右にある「矢印と+」のマークをタップし、複数を選択した状態でディゾルブをかけます。この方法を知っておくと、作業時間も短縮できるのでおすすめです。
1.複数選択の解除忘れに要注意
複数選択の状態にしておくと、単体のみの編集ができなくなるため、「あれ?どうして編集できないの?」とパニックになってしまうことがよくあります。そのときは、複数選択の状態が解除されているかを確認してください。
7.カラー
続いては、エフェクトの隣にある「カラー」で映像に色を加えていきます。
「カラー」をタップするとモノクロ、フィルム、深いシャドウ、マゼンタ色などたくさんのプリセットが出てきます。
カラーに関しては、下のツールバーにある「すべてに適用」が選択できるので、1つ1つのクリップを複数選択せずともすべてのクリップを一気に変えることが可能に。これは非常に便利です。

また、彩度やシャープなど、色を調整できるツールもたくさんあります。たとえば、夢や妄想のシーンを演出したいときには「ビネット透明度」で周りを白くするのがおすすめ。このように、カラーをうまく使えば、そのシーンに合わせた演出が楽しめます。
自分で作成したプリセットを保存したい場合は、オプションから「プリセット作成」を選択してください。そうすれば、他の動画を編集する際にもそのまま使うことができます。

8.オーディオ
各クリップで音量が異なる場合、同じ音量に調整する必要があります。まず、調整したいクリップを選択し、ツールバーから「オーディオ」をタップしてください。
「クリップボリューム」を調整することで音量を下げたり上げたりでき、クリップに映し出されている音量の波形も変わります。「ミュート」を押すと音声が消える仕組みです。
なお、「自動ボリューム」を選択するとプロジェクト全体の音量を一定にしてくれますが、プレビュー画面を再生すると音がうるさくなる可能性があるので、自動ボリュームよりも自分で調整するのがおすすめ。

音量の波形を大きく表示しよう
クリップに表示されている音量の波形は非常に見づらいです。特に、モバイル版はスマホやタブレットなど小さな画面で作業することが多いので、大きく表示させたいときは、ツールバーの「オーディオマーク」をタップしてください。音量の波形が大きく表示され、作業しやすくなります。

オーディオの分離
選択したクリップから「オーディオを分離」をタップすると、ビデオクリップの音声がミュートになり、下のオーディオクリップに音声が移動します。オーディオクリップを横に移動することで、他のクリップにその音声を重ねることが可能です。
次のクリップへ繋ぎながら音声を合わせるとスムーズな映像になります。場面や音声が急に変わるとショックが大きくなるので見る側は負担がかかる可能性も。できるだけショックを少なくすることが、ストレスなく見られる動画のポイントです。

ボイスオーバー機能でナレーション録音
モバイル版の場合、スマホを使用して自分の声を動画に入れることができる「ボイスオーバー機能」があります。オーディオクリップのマイクマークをタップするとREC状態に。プレビュー画面の合図に合わせてナレーション録音ができます。録音を終了したいときはもう一度マイクマークを押すと止まります。

音声の細かな調整も可能
収録した自分の音声を際立たせるために、ノイズやエコーの除去などツールバーで細かい調整も可能です。自分の声だけを調整する際は、クリップの音声(環境音)をミュートにするのが◎。また、スマホの設定でマイクがオフになっていると録音できないので注意が必要です。

BGMの追加
ツールバーの左にある「+」マークをタップすると、メディア、オーディオ、カメラ、ボイスオーバー、グラフィックが出てきます。そこから「オーディオ」を選択すると、無料で使用できる音楽がたくさん表示されます。

追加したBGMの音量が大きくなる可能性もあるため、プレビュー画面で確認しながらツールバーで調整するのがポイントです。
また、「自動ダッキング」をオンにするとオーディオクリップに線が入り、ナレーションが入っているところはBGMが小さく、ナレーションが入っていないところではBGMが大きくなります。

9.テキストの追加
動画編集で1番大事なポイントになるのが「テキスト」です。
先ほどの「+」マークから「グラフィック」をタップすると、テロップになる「タイトル」、移り変わりをオシャレに演出する「トランジショングラフィック」、デコレーションの「オーバーレイ」という3つのカテゴリが出てきます。

Premiere Rushの場合、テロップを簡単に打てない(プリセットからしか選択できない)ところがあるので、検索欄で「basic」と検索しましょう。すると、シンプルなタイトルが出てきます。basicなテロップを選択し、追加をタップするだけでプレビュー画面に反映されます。

文字のサイズやフォントなどの変更
クリップとして追加されたテキストは移動したり、長さを伸ばしたり、縮めたりすることが可能です。文字のフォント・色などを変更する際は、クリップを選択状態にした上でツールバーの「グラフィック」をタップするだけで簡単に変えることができます。なお、サイズを変更する場合は、変更するテキストを選択する必要があるので注意してください。

テキストの位置を変える
テキストのクリップを選択した状態で変形ツールをタップすると、テキストの位置も自由に変えることができます。素早く編集したいときには、プレビュー画面の文字以外の場所をタップしてください。すると青い枠が出てくるので、直観的に移動できるようになります。

有料版はAdobe Fontsが追加できる
有料版の場合、Fonts変更のところでAdobe Fontsが追加できるようになります。1つ1つを購入すると費用がかかりますが、Premiere Rushの有料版は多種多様なフォントが自由に利用できるので便利です。

モバイル版の場合、スマホに入っているフォントまたはAdobe Fontsだけしか使えないので、デスクトップ版のみのフォントを使用した場合、モバイル版で表示されない可能性があります。(Adobe Fontsならモバイル版とデスクトップ版で共通しているのでそのような心配はありません。)
ちなみに、Adobe Fontsのみ表示させたいときには「抽出」のマークをタップすると、Adobe Fontsだけ表示されるので選択しやすくなります。

10.メディアの読み込み・速度調整・書き出し
メディアの読み込み
追加でメディアを読み込みたいときは「+」のマークから「メディア」を選択し、保存先から追加したいメディアをタップするだけで読み込めます。
速度調整
映像の速度を変更する場合は、ツールバーの「速度」をタップし範囲を選択。そして、範囲の速度と表示されているパーセンテージを変更します。
パーセンテージが低くなるほど速度が遅くなり、高くなるほど速度が早まります。「徐々に速度を変化」をタップすると速度の変化が緩やかになるので、ショックを減らすことができるでしょう。

書き出し
右上にあるマークをタップすると「書き出し準備完了」と表示されます。無料版を使用している方は、書き出しができない可能性があるので注意が必要です。

11.まとめ
Premiere Rush(有料版)におけるツールバーを一通り使用した動画編集を紹介してきました。
難しく感じられる動画編集でも、Premiere Rushのモバイル版はシンプルな仕様になっているので初心者でも簡単に作業できます。何よりもまずは自分で操作することが大事ですので、いろいろとツールバーを触ってみてくださいね。



