あらゆる広告手法の肝とも言える3rdパーティーcookieが廃止の方向性であることに、対応を迫られている広告プランナーも少なくないでしょう。3rdパーティーcookieの規制によって、広告業界は大きな転換期を迎えつつあります。cookieレス時代到来の背景には、改正個人情報保護法やGDPR、GoogleやAppleなどのプラットフォーマーによって、国内外で規制強化があったことが理由の1つとされています。そのため、広告プランナーは、今後のデジタルマーケティング施策を練り直す必要があるでしょう。
4~5年の歴があるベテラン広告プランナーであれば、この難局をどう乗り越えるべきでしょうか。広告プランナーは時代の変化をいち早く察知し、ビジネスチャンスと捉えて提案をより多く行う職種なだけに、いかにして変化をチャンスに変えるのか、そのための準備などを紹介します。

cookieの利用規制が高まる中、87%が影響を実感

cookieレスマーケティング_マーケティングのイメージ

Google、Apple、Metaなどのグローバル企業を筆頭に、プライバシー保護の観点などから、cookieの利活用を規制する動きが高まっています。従来までは3rdパーティーcookieが、Web上のユーザー行動データの収集において重要な役割を果たしていただけに、変化に対して影響を実感する声も多いでしょう。
cookieレスマーケティング_Cookie規制の影響
出典:アドエビス「企業のWebマーケティングにおける、Cookie利用規制の影響に関するアンケート調査」

広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」が行った「企業のWebマーケティングにおける、cookie利用規制の影響に関するアンケート調査」によると、約87%が影響を実感したと回答しています。具体的な場面としては、「リターゲティングの効果が悪くなってきていると感じた時」(約71.8%)、「広告の効果計測ツールで正しく計測できていないと感じた時(約52.3%)」などが挙げられています。

cookie利用規制の対策を実施・検討しているのは約68.2%

cookieレスマーケティング_Cookie規制の対策
出典:アドエビス「企業のWebマーケティングにおける、Cookie利用規制の影響に関するアンケート調査」

そうした広告戦略の過渡期とも言える中で、「cookie利用規制の対策を実施・検討している」との回答は約68.2%でした。今後、本格的な3rdパーティーcookieの利用制限が始まる前に、対策を実施する企業は増加することが考えられています。3rdパーティーcookieが制限される時代の到来を不安視している声は、デジタルマーケティング界隈では非常に多いと言えるでしょう。

3rdパーティーcookieの淘汰による広告への影響

cookieレスマーケティング_Cookie利用のイメージ

3rdパーティーcookieは、効果測定、アフィリエイト、リターゲティング広告、アトリビューション分析など広告プランナーが行うさまざまな施策と密接に関わっています。今後はGA4などを筆頭に1stパーティーcookieでの計測が主流になることが想定されるだけに、施策への影響を具体的に把握することが重要です。

3rdパーティーcookieによる施策

これまでのデジタルマーケティングは、3rdパーティーcookieによって計測していたものが多いため、下記の施策はやり方の変更が求められるでしょう。

効果測定

配信している広告がCVにどれだけつながったかを測定しています。CVに至ったブラウザが、広告から発行されたcookieを所持しているかどうかで、広告経由であるかどうかが分かります。

アフィリエイト

アフィリエイト内のリンクをクリックすると、LPへ遷移します。リンクからLPへ遷移する前に、裏側ではサーバーを経由しています。この経由したサーバーがcookieを発行することで、広告主のWebサイトは流入したユーザーがアフィリエイトリンク経由かどうかを識別できます。

リターゲティング広告

リターゲティング広告は、過去にWebサイトを訪問したことにあるユーザーに対し配信される広告。あらかじめリターゲティングのタグが設定されたWebサイトにユーザーが訪れると、リターゲティングタグが発行されますが、この仕組みにcookieを利用しています。リターゲティングタグの情報を元にすることで、別サイトで閲覧しているユーザーに対して自社の商品やサービスの広告を表示できます。

アトリビューション分析

CVに対する広告貢献度の分析手法を指します。計測ツールを用いて行われるケースが多いですが、そのツールが3rdパーティーcookieを元に計測している場合もあります。

デジタルマーケティングへの具体的な影響

cookieに似た技術には、「フィンガープリント」「Privacy Sandbox」などがありますが、ChromeとSafariなどの複数のブラウザをカバーできないため、完全な代替策にはならないとされています。
1stパーティーcookieでの計測に移行することになれば、これまでのようにユーザーの情報を得るのが難しくなります。「前にどんなサイトを訪問したのか」が確認できても、複数のサイトで「この人はこの広告を何回表示させたか」などは確認できません。そのため、一般消費者向けの戦略の重要性が増すこととなるでしょう。

cookieに左右されないデジタルマーケティング施策

cookieレスマーケティング_デジタルマーケティング

GA4 (Google Analytics 4)が1stパーティーcookieで計測するなど、時代の流れに合わせてプラットフォームも変貌を遂げつつあります。そうした潮流を早めに察知し、cookieに左右されないデジタルマーケティング施策を講じることが先決です。そうした意味では、「ファインド広告」や「CDP」などはこれからの広告運用におけるキーワードとなるでしょう。

GA4(Google Analytics 4)の導入

計測面での対策として有効とされているのが、GA4の導入です。GA4は2020年10月リリースの「Googleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)」の新しいバージョンです。主にUAからは以下の変更点がありました。
【GA4のUAからの変更点】

  • 3rdパーティーcookieに依存しないデータ計測ができる
  • セッションの定義が変化
  • エンゲージメントの定義が追加
  • 機械学習による将来の予測が可能

GA4は1stパーティーcookieを利用しているため、3rdパーティーcookieが規制された後もデータを取得できます。しかし、cookie切り替えの過渡期においては、正しいリピーター数が計測できないなどの事態も発生してしまうため、UAが廃止されるまでGA4と併用で運用している広告プランナーも多いようです。

ファインド広告への対応

ファインド広告とは、Googleが所有しているプラットフォームの中でも、ユーザー数の多いタブなどに表示されるディスプレイ広告です。ユーザーの検索履歴や動画視聴履歴、閲覧履歴などを元に、ターゲットに関連性の高い広告を配信できます。Googleが提供しているため、3rdパーティーcookie制限後も問題なく利用できるのが大きなメリットです。

CDPへの切り替え

CDP(コンセント・マネジメント・プラットフォーム)のことです。ユーザーの閲覧履歴やネット上に蓄積されたさまざまなビッグデータを収集・蓄積し、分析できるプラットフォームの1つです。メールアドレスや会員IDといったデータを元に、営業アプローチ手法の選択や実施、分析などのために使用されます。CDPは1stパーティーcookieのデータを「key」としてデータベースが構成できるため、切り替え先として注目されています。

MAやCRM利用による顧客との関係性強化

MA(マーケティング・オートメーション)やCRM(顧客関係管理システム)を導入することで、見込み顧客や既存顧客との関係性強化がしやすくなるでしょう。すでに導入している場合は、よりコンテンツ配信を増やすなどの施策を取ることで、関係性の強化を目指せます。

こうしたデジタルマーケティング施策の方向転換が急務とされています。今後、自社でどのような施策を取り入れるかをできるだけ早期に決定することが重要でしょう。

cookieレス時代への準備は今この瞬間から

cookieレスマーケティング_まとめ

【cookieレス デジタルマーケティングのまとめ】

  • 3rdパーティーcookie規制の時代に不安を感じている企業は多い
  • 3rdパーティーcookieが使えなくなることによる影響を知る必要がある
  • デジタルマーケティング施策の方向転換が急務となる

cookieは今まで広告戦略において重要な役割を果たしていましたが、個人情報保護の観点などから、国内外で規制される動きが強まっています。日本国内でも規制が強まっていることから、今後はcookieに頼りすぎないデジタルマーケティングが必要となるでしょう。1stパーティーcookieへの切り替えなど施策の転換が必要になると考えられています。企業ごとに適した施策が異なるため、自社に適した施策を導入できるように、早期の決定が求められるでしょう。
広告プランナーやマーケッターであれば、UAからGA4への切り替えをすでに済ませているはずです。ただ、その切り替えにおいて適応に苦戦している声は少なくありません。過渡期のタイミングは何かとトラブルや不具合が起こりやすいもの。単なる提案だけではなく、そうしたリスクについても説明できると広告プランナーとしての信頼にもつながるでしょう。