2018年厚生労働省から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が発表され、多くの人にとって副業が身近な選択肢になりました。さらにコロナ禍に多くの起業でリモート勤務が導入されたことで、ますます副業に取り組みやすい環境ができています。

CREATIVE VILLAGEでは、読者・会員の皆さまにご協力いただき副業/複業に関するアンケートを実施!
アンケートの調査結果をもとに、副業している人/していない人の割合や、副業経験者の就業実態についてご紹介していきます。

調査方法

期間:2023年3月1日(水)~2023年3月17日(金)
対象:クリーク・アンド・リバー社(以下、C&R社)会員と一般ユーザー 計183名/男女/全国
方法:インターネット調査

記事のポイント

  • 副業経験者は全体の約6割。広告業界で最多。
  • 人気の副業は「イラスト・デザイン制作」「映像制作・動画編集
  • 20-30代はマッチングサイトやクラウドソーシングを積極活用。40代以上は求人情報サイトや人脈で副業を獲得。

調査詳細

全体の約6割が副業経験あり

副業状況のグラフ
回答者全体の過半数が、現在またはこれまでに副業を経験しています。
さらに36%の方が「これからしてみたい」と前向きな意欲を示しており、副業に対する関心度の高まりが感じられます。

年代別

副業状況(年代別)のグラフ
年代別にみると、副業経験者の割合は20代のみ低く、年代が上がるにつれて高まっていく傾向にあります。
特に30代以上ではいずれの年代においても、30-40%の方が副業を現在進行形で継続しています。

業界別

副業状況(業界別)のグラフ
続いて業界別では、広告業界で副業をしていると回答した方の割合が比較的高いことがわかります。

本業ルール別

副業状況(本業ルール別)のグラフ
さらに、本業の就業先における副業ルールについてもお伺いしました。
本業の就業先で副業が「認められている」方と「認められていない」方の双方において、約半数が副業を経験しており、本業のルールに関わらず副業をしている状況が判明しました。

副業している人の就業実態

どんな副業をしているか?

副業の業務内容のグラフ
もっとも多くの方が経験している副業は「イラスト・デザイン制作」次いで「映像制作・動画編集」でした。年代によっても差が出てくるようです。

その他としては、以下のような回答がありました。制作系以外にも、幅広く案件を見ていらっしゃることがわかります。

美容、すし飯の製造、チャットレディ、試験監督、書籍執筆、キッティング作業、アテンド通訳、デザインシステムの構築、養蜂、倉庫軽作業、スーパーの調理、人材派遣、試験監督、清掃、マルチメディアデイジー、音声デイジー制作、ゲームシナリオ制作、演劇の台本作成

どこで副業を見つけているか?

副業獲得方法のグラフ

副業の見つけ方は、年代別に差があることがわかりました。
20-30代は、副業探しにおいて比較的新しく登場したマッチングサイトやクラウドソーシングを積極活用する傾向にあります。一方40代以上でマッチングサイト・クラウドソーシングを利用する方の割合は低く、逆にオーソドックスな求人情報サイトを活用している割合が高いようです。

また前職のツテや友人・知人の紹介など人脈を通じて副業を得るケースは、20代では0%ですが30代以降で一気に増え、40代以上では最も多い手段となっています。

副業をする目的は?

副業の目的のグラフ

副業を行う目的として、全年代のほとんどの方が「収入を増やしたい」と回答しています。
副業をこれからしてみたいと回答した方の間でも最多の回答でした。

次いで回答数が多かったのは「空き時間の有効活用」ですが、年代別に見ると20代・60代で多く40代がもっとも少ないことがわかります。
職場・家庭での責任が増す40代では、時間のゆとりを感じづらい傾向にあるのかもしれません。

「やりたい仕事ができる」と回答した方も多くいらっしゃいましたが、30代では少数となっています。
30代は「収入を増やしたい」と回答した方の割合が比較的高い年代で、仕事において精神的な充実よりも実利を求める傾向があるようです。

「人間関係・人脈の構築」と回答した方は、先ほどの副業獲得方法のと傾向が類似しており、20代では0%で30代以降増えていきます。
20代は主にマッチングサイトやクラウドソーシングで副業を得ている点と合わせて考えると、副業を通じて相手と業務連絡以上のコミュニケーションをとり、関係を構築するという発想に至りづらいのかもしれません。
一方30代以上の方においては、すでに人脈で仕事を獲得する経験をしていることから、さらに人間関係を広げる目的で副業に取り組む方がいらっしゃるようです。30代以降では「起業・転職に向けた準備」として副業を行う方も一定数おり、仕事の受発注関係からもう少し踏み込んだ「縁」づくりのために、副業を活用するクリエイター像が垣間見えました。

そのほか「趣味・生きがいの発見」の回答は20代、「社会貢献」の回答は20代・60代で多い傾向にありました。
、一般的に社会に出て認知・評価されようとする20代はマズロー5段階欲求説における「承認欲求」が強く、自分が納得できる生き方を貫くことが意識される60代は「自己実現欲求」が強いと言われます。自分のスキル・知識を社会に提供することで貢献感を得られる点も、人によっては副業に取り組む大切な意義となりそうです。

どのくらい収入を得ているか?

副業収入のグラフ
副業で稼いでいる金額は「3万円未満」が42%と最多でした。
10万円以上稼いでいる方は全体の11%と少数派で、「少額からでも稼ぎたい」と考え、副業を始める人が多いようです。

副収入の使い道に関するグラフ
副業で得た収入の使い道は「食費・生活費」にあてると回答した方が47%と最多であり、暮らしを少し豊かにするために使用する方が多い傾向にありました。
次いで多かった回答は「娯楽・趣味・旅行」の19%で、「食費・生活費」の回答と合わせて、副業を行うことでライフスタイルをより充実させている方が多いよういです。

いつ副業をしているか?

副業を行うタイミングのグラフ
夜間・日中・朝の時間を含め平日に副業を行っている方が54%と過半数で、土日祝日といった本業の休日を副業に充てている方を上回りました。

副業の稼働時間のグラフ
本業の休日に副業をしている方の1回の稼働時間として、もっとも多かったのは「4~8時間」次いで「2~4時間」でした。また5人に1人は8時間以上稼働すると回答しており、本業と同程度の時間をかけていることがわかります。
一方、平日に副業をしている方の1回の稼働時間で多かったのは「2~3時間」次いで「1~2時間」でした。

どのくらい続けているか?

副業継続期のグラフ
副業を5年以上継続していると回答した方も比較的多い一方で、3人に1人は「1年未満」と回答しています。
副業を新たに始めるのは負荷がかかりますが、終えることもできると考えると一歩踏み出しやすくなるのではないでしょうか。

会社・家族への公表

副業の公表に関するグラフ
最後に、会社や家族に対して副業していることを伝えているかも聞いてみました。
いずれも過半数、家族間では80%以上、職場においても過半数の方が「秘密にしていない」と回答しており、オープンに副業をする方が主流となってきているようです。