企業にとって、自社に適した優秀な人材を確保することは大変重要です。
しかし、書類選考や面接だけでは、なかなか自社に適した人材であるかの判断が難しいでしょう。また、優秀な人材であっても、入社したあとに企業理念や働き方に適してなかったと早期に辞めてしまう方もいるかもしれません。
このようなミスマッチを避け、企業に適した人材を確保したいというニーズを満たせるのがオウンドメディアリクルーティングです。ただ、実現までのプロセスがわからない方も多いでしょう。
本記事では、さまざまな企業が取り組んでいるオウンドメディアリクルーティングの性質を解説し、有名企業の成功事例をもとに実現へのプロセスや取り組むべき課題などを紹介します。
オウンドメディアの仕組みや得られる効果とは
まず、オウンドメディアリクルーティングで重要なオウンドメディアについて解説していきます。
オウンドメディアとは、企業が自社で運営・保有するメディアの総称です。おもに、顧客との接触やブランディングを目的としています。
オウンドメディアには、Webサイトやブログ、SNS、ECサイト、パンフレットなど多くの媒体がありますが、おもにWebサイトを指すことが多いです。
オウンドメディアは他の広告媒体よりも低コストであり、一度作成したコンテンツを資産として残しておくことが可能です。
定期的なメンテナンスは必要ですが、情報量や露出する期間の制限などにとらわれることなく公開できる点も強みといえるでしょう。
近年では、SNSの発展により顧客と企業の距離感が近づき、活発にコミュニケーションが行なわれるようになりました。
オウンドメディアで公開したコンテンツをSNSでも配信することで新規の集客につながったり、企業のファンを増やしたりする効果が期待できるでしょう。
オウンドメディアでコンテンツを発信する際は、競合他社との差別化を意識し統一感を持たせることがポイントです。他にはない独自性を発信し、顧客へアピールしていきましょう。
オウンドメディアリクルーティングにより解決される課題
オウンドメディアでは、企業の特徴や運営理念、強みなどをアピールします。そのため、オウンドメディアをリクルーティングに活用すれば、企業に興味関心を持つ人材を集めやすくなるでしょう。
ここで、オウンドメディアリクルーティングでどういった課題が解決されるのかを詳しく解説します。
コンテンツが残るためリソースを維持できる
近年では、TwitterやInstagramなどのSNSを運用するリクルーティングも増えていますが、SNSはタイムラインで情報が流れていってしまいます。
SNSを運用するには、同じような内容であってもこまめに発信し続けなければならず、膨大なリソースが求められるでしょう。
その点、オウンドメディアは一度作成してしまえばコンテンツが蓄積されるため、再度同じようなコンテンツを作成することなく情報を提供できます。
ミスマッチを防ぎ離職率を抑える
せっかく優秀な人材が入社しても、企業理念などとのミスマッチが続いて離職率が高まってしまっては、企業にとっても、従業員にとっても残念な結果といえるでしょう。
オウンドメディアリクルーティングには、このようなミスマッチによる離職率を抑える効果があります。
ミスマッチが起こる理由は、求人情報だけでは企業理念や社風などの必要な情報を伝えきれないことが挙げられるでしょう。
オウンドメディアには企業情報を豊富に掲載できるため、入社前に企業の理解が深まり入社後のミスマッチを抑えられます。そのため、ミスマッチによる離職率の軽減につながるでしょう。
求職意識がない人への潜在的アプローチが可能に
今までは、求人誌やハローワークで仕事を探している人にしか求人情報を届けることができませんでした。
しかし、SNSが発展したことで気軽に「いいね」や「シェア」ができるようになり、より多くの人にコンテンツが届けられる可能性が高くなってきたのです。
SNSでの拡散は、企業のファンから友人や知人、家族などへと広まるので興味を持ってもらいやすく、求職意識がない方へも潜在的にアプローチが可能です。
また、SNSで距離感の近いコミュニケーションをとることで、企業のファン化につながり、熱意あふれる人材を確保できる可能性も増えるでしょう。
オウンドメディアを活用している成功事例
オウンドメディアを利用したリクルーティングには、多くのメリットがあることを紹介しました。
実際の活用事例として、オウンドメディアリクルーティングを行なっているメディアを、業種別で3つ紹介します。活用事例を見て、よりオウンドメディアリクルーティングへの理解を深めましょう。
株式会社メルカリ
1つ目のオウンドメディア活用事例は、株式会社メルカリ(以下、メルカリ)です。オウンドメディア「mercan」は、多種多様なコンテンツが豊富に掲載されています。
社内で活躍するメンバーにフォーカスした記事やプロダクトの作り手にインタビューした記事などで、メルカリの内部を知ることができます。
そういった情報を届けるだけでなく、自社が提供するスマートフォン決済サービス「メルペイ」についての記事も豊富にあり、開発に興味がある人へのアプローチも万全です。
mercanのコンテンツ量は1,500記事を超えており、さまざまな人の興味を掻き立てるオウンドメディアといえるでしょう。
株式会社ディー・エヌ・エー
2つ目のオウンドメディア活用事例は、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)でのオウンドメディア「フルスイング」です。
フルスイングでは、ヘルスケアやコンテンツプラットフォーム事業など、多岐にわたる事業展開の様子を取り上げています。
コンテンツ量が豊富なため、見たいコンテンツを探すのが大変と思われるかもしれません。
しかし、記事はタグ分けされており、トップページ下部にはタグで記事を検索できる「タグり寄せ!」という項目が設置されています。
これにより、興味がある記事を簡単に探し出すことができるでしょう。UIに視覚的にも使用感覚的にも工夫が施されたオウンドメディアといえます。
まとめ
企業が求める「自社に興味がある人材」を確保するために、オウンドメディアリクルーティングは非常に有効な方法です。
興味関心を持った人材を獲得すれば、仕事への意欲が強い優秀な人材へと成長する可能性が高いといえるでしょう。
このような人材にアピールするオウンドメディアリクルーティングを実現するには、自社特有の魅力を詰め込んだコンテンツ制作が必要不可欠です。
本記事で紹介した成功事例や他企業のオウンドメディアを参考に、オウンドメディアリクルーティングを始めてみてはいかがでしょうか。