最近、パソコンのメモリ(RAM)やスマホ・SSDのストレージ(NAND)が値上がりしていると感じていませんか?本コラムでは、なぜ今メモリー価格が急に高騰しているのかをわかりやすく解説し、一般消費者が知っておくべきポイントと具体的な対策を紹介します。
導入:突然の「品薄」と「値上げ」が起きている理由
結論としては、AIサーバー向けのメモリー需要が急増し、メーカーが高付加価値メモリー(HBMなど)へ生産を優先したことで、一般向けメモリーの供給が不足しているためです。その結果、PC向けDRAMやSSD向けNANDの価格が数十%以上上昇したケースも報告されています。
参考:
Samsung hikes memory chip prices by up to 60% — Reuters
Rising Memory Prices Weigh on Consumer Markets — TrendForce
原因をわかりやすく3つに整理
- AIサーバー向け需要の急増:ChatGPTのような大規模AIを動かすためには、従来の何倍もの高速メモリが必要です。世界中の企業が大量に買い付けたことで需給が急激に逼迫しました。
- メーカーの生産シフト:SamsungやSK hynixなど大手メーカーは利益の高いHBM(高帯域メモリ)へウェハを優先的に回すようになり、一般向けメモリの生産量が減少しました。
- 在庫引き締めと慎重な投資:過去の価格下落リスクを避けるため、大手メーカーは急激な設備投資を控えており、供給量が戻りにくい状態となっています。
上記の要因が重なり、一般消費者向けのメモリ製品にも価格上昇が波及しています。
| 主要原因 | AI需要の増大と生産シフトで供給が減少 |
|---|---|
| 消費者への影響 | PC・スマホ・SSDが値上がり、一時的な品薄も発生 |
| 見通し | 2026年も高止まりの可能性、改善は2027年以降 |
消費者として今すぐできる対応策

「では、今買うべき?待つべき?」と迷っている人に向けて、状況に応じた判断ポイントをお伝えします。
- 必要なら今買う判断も正解。動画編集・ゲームなどで性能が必要なら、価格が戻るのを待つより早めの購入が実用的です。
- 急がないなら待つのも選択肢。在庫が整えば価格が落ち着く可能性があり、用途が軽い場合は無理に今買わなくても大丈夫です。
- 代替手段を活用する。クラウドサービスや外付けストレージの利用、メモリ消費を減らす設定などで延命できます。
PC・ノート購入時のチェックポイント
- 用途に合った必要十分なメモリ容量を選ぶ(16GBで足りる人は多い)
- 後から増設できるモデルか確認する
- 複数ショップで価格を比較し、セール時期も狙う
よくある質問(Q&A)
Q:メモリ価格はすぐ下がりますか?
A:短期的には下がりにくい見通しです。AI向け製品の需要が続き、メーカーが生産を戻しにくいため、2026年は高止まりの可能性があります。
Q:中古や型落ちは問題ありませんか?
A:信頼できるショップで保証がある場合は有力な選択肢です。ただし、互換性や寿命には注意が必要です。
まとめ:賢い選択が“損しない”唯一の方法
メモリー高騰の背景には、AI需要の増加とメーカーの生産シフトという業界構造の変化があります。
「本当に今必要か?」を軸に購入判断することが重要で、急ぎなら購入、余裕があるなら価格動向を見ながらベストなタイミングを探しましょう。
2026年は高止まりが続く可能性があるため、賢く選ぶことがコストを抑える一番の近道になります。




