Webデザインを志す方にとって、Photoshopは欠かせないツールです。しかし、初めて取り組む方は何から始めたら良いのか戸惑うことや、実際にPhotoshopを活用しても、自分のデザインに納得がいかず悩むこともあるかもしれません。
そこで、Webデザイナーを経て現在はメディアディレクターとして活躍する「野崎 敬和(ノザキ ヒロカズ)」先生をお招きし、先生がこれまでに蓄積したノウハウやキャリアを通して、皆さんがWebデザイナーとして輝くためのヒントをお届けします。
- 未経験からWebデザイナーになるには vol.5~Photoshopの重要性とキャリアの積み方~
- 登壇者紹介
- 未経験からWebデザイナーになるために最低限必要なこと
- 実際の勉強方法
- Webデザイナーとしての一歩目からキャリアアップするまで
- Q&A
- まとめ
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記事で得られる学び
- 未経験からWebデザイナーになるために覚えるべきツールが分かる
- Webデザイナーとして経験を積むための勉強方法が知れる
- キャリアアップの流れを把握することができる
未経験からWebデザイナーになるには vol.5~Photoshopの重要性とキャリアの積み方~
「未経験からWebデザイナーになるには vol.5」では、これからWebデザイナーを目指す方に向けて、まずはどんなアプリを使えるようになれば良いかや、実際のキャリアアップの仕方まで具体的な流れをお伝えします。
現在メディアディレクターとしてご活躍されている野崎先生が考える、Webデザイナーに求められることを教えていただきました。
登壇者紹介
株式会社クリーク・アンド・リバー社/メディアディレクター
野崎 敬和(ノザキ ヒロカズ)
大学で映像やデザインを学び、新卒でテレビ局に入社。その後、趣味で作成したイラストを目にとめてもらい、事業会社でデザイナーのキャリアをスタート。2015年よりクリーク・アンド・リバー社にWebデザイナーとして入社し、現在では月間50万PVを超える自社メディアの運営ディレクターとして活躍中。

未経験からWebデザイナーになるために最低限必要なこと
Webデザイナーになるチャンスを掴むためにまず覚えたいこと
未経験からWebデザイナーを目指す時、どんなスキルが重要になるか気になる方も多いと思います。結論からお伝えすると、PhotoshopとIllustratorが使えること。これが第一なのではないでしょうか。
それぞれ通称「Photoshop」は「フォトショ」、「Illustrator」は「イラレ」と呼ばれており、デザイン会社では必須のツールになっています。
一般的に、Webデザイナーに必要とされているスキルは3つとされていて、「Photoshop・Illustratorなどのデザインツールを使えること」「HTML・CSSのコーディングスキル」「JavaScript」になります。
後はUIデザインだったりSEOの知識だったりなど、さまざまな要素がありますが、まずは「Photoshop・Illustrator」が使えることがWebデザイナーになるチャンスを掴むために大切になってきます。
Photoshop・Illustratorとは
Photoshop・Illustratorについて、聞いたことはあるけど実際どんなことができるか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
簡単にお伝えすると、どちらもAdobe社が開発したグラフィックデザインツールで、Photoshopは主に写真加工やベクタードローイング機能を用いたデザインを行うもの、Illustratorは主にロゴ作成やグラフィックデザインを行うデザイン業界での標準ツールになっています。
Photoshop・Illustratorの重要性
ではデザインにおいて、Photoshop・Illustratorはどんな場面で重要なのでしょうか。
WebデザイナーはもちろんWebページを作ってデザインをする仕事を担当しますが、業務で関わる範囲は多岐にわたります。
例えば、ページのワイヤー作成やメインビジュアルの作成、ページ全体のデザインテイストの決定やコーディング、ページへの集客のための広告クリエイティブ作成まで対応します。
よく未経験者の方が陥りやすいことの一つに、ポートフォリオに載せるための材料としてページ全体のデザインにチャレンジをするということが挙げられます。しかしページ全体のデザインにはビジュアルから全体の構成まで複合的に考えることが必要になってきます。結果、上手くいかずに中途半端なポートフォリオになってしまう。
そこでおすすめしているのが一つ特化した武器を作ること、特にバナー制作にチャレンジしてみてください。
バナーはLPや目的のものに誘導するための大切な役割を果たしています。そのバナーを作成するために必要になってくるのが、Photoshop・Illustratorなのです。

実際の勉強方法
最初に取り組む勉強方法のおすすめ
では、実際にWebデザイナーになるためにはどんな勉強方法が良いのでしょうか。まずおすすめしたいのは「本やWebサイトを使って独学で覚える」「スクールや講座に参加する」「仕事の中で覚える」の3つです。
一番良いのは、やはり百聞は一見にしかずというように、実際に手を動かすことでデザインスキルが一気に伸びます。そのためにも上記でお伝えしたPhotoshopとIllustratorを身につけて、実際に就業してみることが経験を積む上で大きいのではないでしょうか。
また独学に関しては、本やWebサイト、YouTube などさまざまな方法があるかと思いますがここでは本をおすすめしたいと思います。本は覚えるべき順番が体系的に掲載されており、その手順通りに手を動かすことで身についていくというメリットがあります。
Webサイトや動画サイトなどは解説が単発になりがちなため、慣れていない段階でチャレンジすると、そもそもそこで出てきた言語やツールの使用方法、意図が掴みにくいなど、挫折しやすい原因にもなってしまいます。

Webデザイナーとしてどんな会社に就職したらいいの?
勉強してPhotoshopとIllustratorを使えるようになったら、Webデザイナーとしてどんな会社に就職するのがいいのかを考えると思います。このとき多くの方がまずデザイン会社を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし実はおすすめなのはデザイン会社ではなく、事業会社です。皆さんがよくイメージする洗練されたオフィスにMacがズラリと並んでいるようなデザイン会社は専門部隊に特化した会社で、よっぽどスキルや将来性、また美大出身の方でないと入るのが難しいのが現状です。そのため未経験の方は、まずは事業会社のデザイン部門を狙っていただくのがいいと思います。
なぜ事業会社のデザイン部門なのか。
事業会社のデザイン部門は、業務が細分化されていることが多いです。そのため「この部分のデザインだけできる人が欲しい」ということが往々にしてあります。
Webデザインの業務のうち一つだけでもできれば、そしてそのスキルが事業会社のデザイン部門のニーズとマッチすれば、就職できるチャンスがあります。
Webデザイナーとしての一歩目からキャリアアップするまで
Photoshop・Illustratorの次に身につけるべきスキル
バナー制作はあくまで最初のステップのため、最終的にはページ全体のデザインが必要になってきます。
それを形にするためどうしても必要になってくるのがコーディングのスキルです。コーディングのスキルについては温度感が会社によって異なるため、募集要項をしっかり確認して欲しいと思います。
Webデザイナーになるために必要な素質って?
ここまでWebデザイナーになるためにスキルやツールなど実務的なものをお伝えしてきましたが、ここからはWebデザイナーになるための素質の部分をお伝えしていきたいと思います。まずは「デザインに対する興味があること」。基本中の基本ですが、とても重要です。それがベースにあって、更に自分の中に作りたいものがあることも大切になってきます。
デザインの仕事は技術職のため、興味がないと長続きしません。好きこそものの上手なれというように、デザインが好きであることは上達の近道になっています。世の中のデザインを常に観察して自分の作品をブラッシュアップする。自分の作りたいデザインを形にしたい、もっと良くしたいという貪欲さが結果的にクリエイティブの力自体を磨いていくことに繋がります。
Webデザイナーとしての考え方
自分の表現したいことを出し切るための趣味のデザインと異なり、仕事のデザインは課題を解決することに重きを置きます。何が目的でどんな効果を生み出したいのか、情報はちゃんと入っているか、そもそも見てもらえるようなデザインになっているかなどクライアントの要望に合わせてデザインを行うことを心掛けていかなければなりません。
時には自分ならではの見せ方や色を伏せて、エゴを出さないことが必要になってきます。

キャリアアップの流れついて
Webデザイナーの経験を詰んだ後は、次のステップとしてディレクション領域のスキルを身につけることがキャリアアップに繋がります。例えば作成したクリエイティブの集客効果を分析したり、依頼者に対する改善の提案を行ったり、そのような調整力がディレクションには必要です。
近年はどうしてもディレクション力が求められる時代になり、自分が作ったクリエイティブがクリックされたのか、会員登録に繋がったのか、解決したい課題はちゃんと解決できるのかなど数字を追うことができるWebデザイナーが非常に重宝されます。そして結果が不十分な場合は、数値を見ながら相手に対して改善の提案をする。それが出来るとどんどん発信力が高まり、キャリアアップは確実にできると考えています。

Q&A
最後に、参加者の方からの質問に答えていただきました。
Q.Webデザイナーになるにあたってセンスは問われますか。
デザイナーの本業はデザインという視覚的な領域を形にする仕事のため、デザイナーとしてのセンスは最低限必要です。ただそれよりももっと重要なのは、効果を出すクリエイティブを作れるかどうかだと思っています。センスにおいては会社によっても全然異なるのと、修行して磨くことができるので、自分にはセンスがないと思われている方でも諦めなくていいということをお伝えしたいです。
Q.未経験からWeb業界に参入する際の心構えを教えてください。
こちらはもう一つだけで、次々に現れる新しい技術やサービスにアンテナを張っておくこと。これが一番大事になります。
上記でデザインに興味があること、好きになることがWebデザイナーに必要だと述べましたが、デザインの仕事だけではなくWeb業界に参入するためには、こういった新しい技術を常にキャッチアップする必要があります。
Q.現在 PhotoshopをWindowsで使用していますが、Macを利用している会社への応募は可能でしょうか。
デザイン会社の場合はやはりMacを標準としていますが、求められるのはWebデザイナーとしてのスキルなのでチャレンジすることは可能です。WindowsとMacでは多少の操作性の違いはありますが、使っていくうちに覚えていくのであまり心配する必要はないのではないでしょうか。
Q.サーバーサイドの知識を持っていると選考で有利になりますか。
Webサイトに関わるため、あるに越したことはないですが、サーバーサイド周りにWebデザイナーが直接関わることはほとんどありません。サーバーサイドの知識を持っていいても持っていなくても、大きなメリットには正直なりにくいかなと思います。それよりもデザインスキルの向上、コーディングスキルの習得の方がWebデザイナーとして重宝されるので、その辺りに重きを置くことをおすすめします。
Q.現場で使っているデザインカンプツールを教えてください。
Adobe社のAdobe XDかFigmaを使用していますが、Adobe社がFigmaを買収したことでXDの単体販売は終了しています。
利用者もどんどん増えているので、これから始めるならFigma一択です。
Q.PhotoshopとIllustratorは、どちらから先に勉強した方がいいですか。
これは確実に言えますが、Photoshopです。Photoshopというのは、写真の加工やデザインのツールとして使用できるのですが、バナーを作る上ではPhotoshopだけで完結することができます。一方でIllustratorは、バナーのデザインではレイアウトの作成は可能ですが、画像の加工や写真の切り抜きなどはとても苦手なので、最終的に業務を完結できるPhotoshopを先に勉強してください。
Q.数値を追えるWebデザイナーになるためには何を勉強するべきでしょうか。マーケティングなどでしょうか。
マーケティングを覚えるのはある意味ゴールに近いのでそこまで覚える必要はないかなと思っています。単純に数値を分析することでいうと、Googleアナリティクスが分かるようにしてください。実際にWebページにどれだけPVが集まったか、どの時間帯が一番多く見られているかなど、そういったものを視覚的にグラフや数値で見られるため、Googleアナリティクスを覚えると言うのが必要な一歩かなと思っています。
Q.Webデザイナーになるのに年齢制限はあるのでしょうか。
Webデザイナーはある意味技術職なので、あまり年齢制限はなのではないでしょうか。ただこれは何にでも言えることですが、早くに始めた人と比べてしまうと、かなり努力しないとその差は埋まらないのではないかと思います。そういう意味では、難易度が高くなるのではと考えていますが、何歳だからダメということはありません。
Q.コーディングスキルが大切とのお話がありましたが、現在の業務の中で携わることがないような場合、コーディングスキルを上げる効率的な方法はありますでしょうか。
先ほどお伝えした「デザインに対する興味や作りたいものがあるか」に繋がるのですが、
例えば自分で作ったイラストをWebページで見せたいと思った際に、ページを作らないといけない。そのために独学でチャレンジしてみることが必要なのかなと思います。
こちらに関してはWebサイトや講座を上手く活用して実際に手を動かしながら、自分でコーディングの技術を身に付けるなど、そういったものを1日少しずつでもいいのでチャレンジしてみるのが良いのではないでしょうか。
Q.バナー作成でも、デザインを何パターンか作成していくと思いますが、最終的にこのデザインにすると決まるのはどういうタイミングなのでしょうか。デザインには際限がないと考えているので、疑問に思いました。
一番良い方法は、AパターンとBパターン両方ともクリエイティブとして世に出稿して反応を見定めて、良い結果だった方をブラッシュアップしていくことだと考えています。一回世に出してみて、効果を確認し、改善したものを更に出してみることで、デザインの正解になるべく近づくようにしていくというフローになるのかなと思います。
まとめ
今回は未経験の方がどんなスキルをどのように身につけて、さらにその後のキャリアアップまでを中心にお伝えいただきました。近年Webデザイナーに期待されることの幅はますます広がっています。今後の時代を乗り切るWebデザイナーになるために、ぜひ活用してみてください。



