フリーランスエンジニア向けIT案件・求人検索サイト「フリーランスジョブ」を運営する株式会社Hajimari(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:木村 直人氏)は、登録案件52,760件をもとにエンジニア32職種の月額単価ランキングを発表した。その結果、「AIエンジニア」の月額平均単価が91.3万円と、テックリードやプロダクトマネージャー(PdM)とほぼ同水準であることが明らかになった。
上位4職種だけが月90万円超
ランキング1位はシステムアーキテクトの96.1万円、2位はテックリードの92.2万円、3位はPdMの92.0万円で、AIエンジニアは91.3万円で4位に入った。月90万円を超えるのはこの4職種のみで、5位のエンジニアリングマネージャー(87.8万円)以下とは明確な差がついている。また、AIエンジニアとプロジェクトマネージャー(PM、85.7万円)の差は月5.6万円、年換算で67万円に達する。一方、案件数が最多のシステムエンジニア(9,827件)やアプリケーションエンジニア(7,005件)、バックエンドエンジニア(6,379件)、インフラエンジニア(4,673件)は67〜71万円に集中しており、市場の「量」を担う職種と上位専門職との単価差が構造として定着している実態が浮かび上がる。
「AIエンジニア」の実態はLLM/RAGの実装が主流
「AIエンジニア」という職種名は、AIモデルを研究・構築する人材を想起させる。しかし同社がAIエンジニア案件326件の本文を分析したところ、実態は異なる。最も出現率が高いキーワードはPython(64%)で、次いでLLM(41%)、生成AI(39%)、機械学習(34%)、RAG(30%)と続く。対照的に、ファインチューニングの出現率はわずか6%にとどまり、「AIモデルを自ら学習・チューニングする」案件は少数派だ。
案件の類型としては、OpenAIやClaude、GeminiなどのLLM APIを使ってRAGやチャットシステムを実装・運用する「LLM/RAGアプリケーションエンジニア」が最多を占める。次いで業務ワークフローを自動化するAIエージェントを設計・実装する「AIエージェント開発エンジニア」が急増中で、分類・予測モデルの開発を担う従来型の「機械学習エンジニア」も一定数存在する。つまり市場が求めるAIエンジニアの主流は、大学院レベルのモデル研究者ではなく、PythonとLLM APIを活用して「AIを使って作る」実装エンジニアだといえる。
実装スキルの希少性が単価に直結
それでもAIエンジニアがテックリードやPdMと月1万円以内の差に収まる高単価評価を受けているのは、実装スキルの希少性が価格に反映されているためとみられる。最上位のシステムアーキテクト(96.1万円)と最下位のデバッガー・テストエンジニア(52.6万円)の差は43万円に上り、職種選択が収入に与える影響の大きさを示している。
本調査はフリーランスジョブの内部データを集計・分析したものであり、フリーランスエンジニア市場全体を代表するものではない。詳細は同社の調査ページ(https://freelance-job.com/contents/news/research/3121)で確認できる。