外国人向けお遍路情報ポータルサイト「OHENRO.ONLINE」は2026年7月より、AIアバターを活用した多言語動画コンテンツシリーズの配信を開始した。運営するのは、株式会社伸和エージェンシー、株式会社こころ旅行社、株式会社こんにちハローの3社で構成する「お遍路の魅力を世界に発信プロジェクト委員会」だ。

今回登場するのは、接待文化の語り手・越智カヨコ氏、四国八十八ヶ所霊場会公認先達の山﨑英生氏、ドイツ出身の巡礼者でデザイナーのJohannes Elze氏の3名。それぞれをAIアバター化し、日本語・英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語・中国語(簡体字・繁体字)の計8言語で配信する。

越智氏は愛媛県久万高原町で接待所「お接待サロン カヨちゃん家」を運営する大先達だ。金剛杖に込められた意味や橋を渡る際の作法など、歩き遍路ならではの伝統と心遣いを紹介する。山﨑氏は歩き遍路・バス遍路ともに20周以上の案内経験を持つエキスパートで、四国遍路の始まりや八十八ヶ所成立の歴史、江戸時代最初の遍路ガイドブックなど、歴史的背景をわかりやすく解説する。そしてJohannes氏は、外国人巡礼者ならではの視点から、札所ごとの歩き方のコツやトイレ・休憩所の位置、英語対応情報など実践的なアドバイスを届ける。

近年、四国遍路には欧米・アジアを中心に多くの外国人巡礼者が訪れている。しかし、なぜ橋では杖をつかないのか、お接待とはどのような文化なのかといった精神的・文化的背景は、多言語で知る機会がほとんどなかった。同サイトはこうした課題に応え、単なる観光情報にとどまらない「文化・精神性・実践知」を映像で伝えることを目指している。

技術面では、こんにちハローが提供するAIによる多言語動画翻訳と人による翻訳・監修を組み合わせるハイブリッド方式を採用している。これにより、本人の語り口や雰囲気を可能な限り維持しながら、効率的な多言語展開を実現した。従来は翻訳・字幕・ナレーション制作に多大な時間と費用を要していたが、同技術の活用によって地域の文化資産を継続的に世界へ発信できる環境が整いつつある。

今後もOHENRO.ONLINEでは、寺院関係者や地域住民、海外巡礼者など多様な視点によるコンテンツを拡充し、四国遍路の文化的価値を国内外へ広く発信していく方針だ。