2016年リオオリンピック閉会式で行われた五輪旗の引き継ぎセレモニーでも注目の集まった映像表現の新技術、プロジェクションマッピング。
イベントや美術館等の展示、遊園地でのショーなど様々なシーンで活用されて久しいですが、これらを制作する映像クリエイターの不足が深刻化しています。そこで、若手クリエイターの才能発掘、育成に向けて「東京国際プロジェクションマッピングアワードvol.1」が開催されました。

去る2016年12月17日には上映会・表彰式が実施され、国内外から16チームが東京ビッグサイトに集結!東京ビッグサイトという横幅約94m×高さ約30mの巨大スクリーンを舞台に、半年以上をかけて制作した作品で“映像のロボコン”とも言うべき熱い戦いを繰り広げ、4000人以上の観客がそれを見守りました!

上映会では、各チームの代表者が作品に込めた思いや意図を説明した後に、事前に提出した3分間の映像を高さ30メートル、幅94メートルの巨大な建物に投影。

学生たちが半年ほどをかけて制作してきた映像ですが、実際ビッグサイトの建物に映し出されるのを本人たちが観るのはこの上映会が初めて。どのチームも感無量といった表情で夜空に浮かびあがる映像を見上げていました。

(C)東京国際プロジェクションマッピングアワード実行委員会
(C)東京国際プロジェクションマッピングアワード実行委員会

上映会中、会場に集まった観客は4000人以上。出場者の友人、家族などを始め、偶然通りかかった人々も映像の迫力に思わず足を止めていました。
また、学生作品の上映後は同時開催となる【有明・冬フェス】の催しとして、プロジェクションマッピングされた花火の映像に合わせ、本物の花火約700発が約5分間に渡り打ち上げられました。
迫力ある光と音の洪水に、観客からは大きな歓声が。

上映会終了後はサカナクション、perfumeのMVなどで知られる映像監督の関和亮氏をはじめとする審査員が表現、技術などの審査基準に照らし合わせつつ各賞の受賞作品を審議し、検討を経て決定。同会場内にて行われた表彰式にて発表され、各作品への講評とともに、それぞれのチームに賞状が進呈されました。ガッツポーズで受け取るチームあり、涙まじりで受け取るチームもあり、学生らしい率直な思いに溢れた心あたたまる表彰式となりました。

最優秀賞に選ばれたのは、デジタルハリウッド大学のチームOver Frameによる『Over Frame』(作品名)でした。

審査員からのコメント

「プロジェクションマッピングという言葉の意味を考えてみると、どれだけ建物の形状に対してきちんとプロジェクションされているかという点が大きな基準となりました。この作品は形状に合わせてきちんと制作されているのみならず、立体的な表現が出来ていた事が大きな決め手となりました」

チーム代表・松本豊さんコメント

「今、今日この日のためにずっとCGをやってきて本当に優勝するか自殺するかぐらいに追い詰められていたんですが(笑)。今日も上映会の最中は他の作品を見るたびにもっとこうすればよかった、ああすれば良かったと後悔ばかりだったけど、こういう結果になって本当に嬉しい。このチームで、この仲間で良かったです。」

上映会の模様をまとめたダイジェスト動画、
並びに全16チームの上映作品をまとめた動画は東京国際プロジェクションマッピングアワード公式サイトにて公開中です。
http://pmaward.jp/

(2017年1月30日 CREATIVE VILLAGE編集部)