国立映画アーカイブは、国内外で高い評価を受ける映画作家、是枝裕和氏の業績を振り返る特集上映「映画監督 是枝裕和」を、株式会社分福と共同で開催する。会期は2026年6月2日から28日までの26日間で、会場は東京・京橋の同アーカイブ長瀬記念ホールOZUとなる。

是枝氏は1962年生まれ。テレビドキュメンタリーの演出を経て、1995年に『幻の光』で劇映画デビューを果たした。2018年には『万引き家族』でカンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールを受賞するなど、現代日本を代表する映画監督として知られる。本企画は、是枝氏のキャリア全体に焦点を当てた国内初の大規模な特集上映であり、全24プログラムで30作品を上映する。

上映ラインナップは、デビュー作から第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞等に輝いた『怪物』までの長編映画に加え、是枝氏が自らの原点と位置づける初期のテレビドキュメンタリー2作品も含まれる。また、2012年に放送された連続テレビドラマ「ゴーイング マイ ホーム」全10話を、国内で初めてスクリーンで一挙上映する試みも実施される。本企画のために、劇映画11作品については新たにニュープリントやデジタル上映素材のDCPが作製された。

期間中は豪華なゲストを招いたトークイベントも予定されている。出演俳優の井浦新氏やリリー・フランキー氏、エッセイストの内田也哉子氏のほか、長年、是枝作品の映像美を支えてきた撮影監督の山崎裕氏や写真家の瀧本幹也氏らが登壇し、作品の舞台裏や是枝氏の作家像を紐解く。

是枝氏は現在、新作『箱の中の羊』の全国公開を5月29日に控えているほか、人気漫画を実写化した『ルックバック』の公開も予定している。今回の特集上映は、新作公開に合わせ、約30年にわたる是枝氏の繊細な映像表現とアクチュアルなテーマ性の変遷をスクリーンで体感できる貴重な機会となる。