特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)は、経済産業省より受託した令和5年度補正予算事業「JLOX+」の支援を受けて制作された2本の長編劇映画が、トロント国際映画祭とヴェネツィア国際映画祭に正式出品され、ワールドプレミア上映が決定したと発表した。
JLOX+は、海外の制作会社による日本国内でのロケ撮影を補助し、国内人材の活用や地域との協力を通じて映像産業と地域経済の振興、さらにインバウンド需要の拡大を目指す取り組みである。
今回選出された作品の一つは、全編を日本で撮影した『レンタル・ファミリー』で、HIKARI監督がメガホンを取り、ブレンダン・フレイザーが主演を務めた。同作は「第50回トロント国際映画祭」(9月4日から14日開催)のスペシャル・プレゼンテーション部門に選出され、ワールドプレミアが行われる。撮影は東京や山梨県甲府、長崎県島原、熊本県天草など各地で行われた。物語は、孤独なアメリカ人俳優が日本のレンタル・ファミリー会社で働き、他人の人生の中で役割を演じながら新たな人間関係と生きる喜びを見出していく姿を描く。
もう一つの選出作品は、『THE SMASHING MACHINE(原題)』で、ベニー・サフディ監督が手がけ、主演はドウェイン・ジョンソン。東京や千葉で撮影され、「第82回ヴェネツィア国際映画祭」(8月27日から9月6日開催)のコンペティション部門に出品されることが決まった。
日本国内で撮影された両作品が、世界的映画祭で同時期にワールドプレミア上映されることは、日本のロケ地の魅力と映像産業支援策の成果を示すものとなった。


