studio15株式会社（本社・東京都渋谷区、代表取締役・岩佐琢磨）は、ショートドラマ作品『あなたのことが死ぬほど嫌いです』の海外展開を発表した。配信開始は8月22日で、米国、台湾、韓国の3カ国を皮切りに英語字幕版を提供する。米国は世界有数のショートドラマ市場であり、日本発作品の進出は「逆輸出」の試みとなる。
同作は小説投稿サイト「エブリスタ」で累計426万PVを記録した、さいマサ氏の人気小説が原作。2025年4月にショートドラマアプリ「BUMP」で配信を開始し、1話約3分の不倫をめぐる心理戦がSNSで話題となった。主演は石川翔鈴と石黒英雄。BUMPの「2025年上半期ショートドラマ視聴ランキング」でトップ5入りを果たすなど、幅広い世代から支持を集めた。
背景には若年層のテレビ離れがある。総務省の調査によれば、2020年から5年間でテレビの平均利用時間は約76％に減少し、特に2024年の平日視聴時間では10代は70代の約12％にとどまった。世界ではスマートフォンで視聴可能なショートドラマ市場が急成長しており、YHリサーチは2029年に市場規模が8兆円に達すると予測している。日本でも470億円規模への拡大が見込まれている。
studio15は海外展開に先立ち、8月19日にIPホルダー向けセミナーを開催し、本作のヒット要因や戦略設計を解説する。統括プロデューサー高橋による制作の裏側や、専門家による海外市場分析などを共有する予定。会場は渋谷の同社オフィスで、参加は事前申込制・20名限定。
studio15はTikTokを中心に短尺動画領域で広告代理店事業やプロダクション事業を展開し、所属クリエイターは300組、総フォロワー数は約1.4億人に上る。過去には自社制作のショートドラマが累計4億回再生を記録しており、Z世代向けコンテンツ制作に強みを持つ。今回の取り組みは、日本発ショートドラマが本場・米国市場に挑む大きな一歩となる。
