株式会社オレンジは2026年7月1日(米国時間)、米国およびカナダ向けマンガアプリ「emaqi(エマキ)」において、出版社横断型サブスクリプションサービス「emaqi Premium(エマキ・プレミアム)」の提供を開始した。
サービス開始時点で、講談社USA、VIZ Media、少年画報社、秋田書店をはじめとする国内外の主要出版社10社以上が参画。単一のアプリで400以上のシリーズ・2,000巻以上が読み放題となる、北米最大級の出版社横断型マンガ配信サービスとなる。また、emaqi限定の独占配信シリーズを約100タイトル含んでおり、これまで英語圏では読めなかった作品を公式翻訳版として届ける試みでもある。なお、VIZ Mediaの作品はローンチ後に順次配信が開始される。
このサービスが生まれた背景には、世界的なマンガ人気の拡大と、それに伴う深刻な課題がある。一般社団法人ABJの調査によると、違法な海賊版による日本のマンガの被害額は2025年で6,888億円にのぼると推計されている。一方で、公式版の供給拡大には、出版社をまたいで作品にアクセスできる配信プラットフォームの不足と、翻訳・ローカライズのキャパシティ不足という2つの構造的な課題があった。
オレンジはこれらの課題に対し、生成AIと専門の翻訳・写植チームを組み合わせた独自のローカライズ体制を構築。2026年7月には単月で100冊の翻訳出版を予定しており、今後も同等以上の規模で安定的に公式ローカライズを継続していく方針だ。
VIZ Mediaで出版ライセンスおよび戦略イニシアチブを担当するシニア・バイス・プレジデントの上野昌哉氏は、「emaqi Premiumは、ファンがより幅広い作品と出会える革新的な手段を提供するとともに、クリエイターや出版社を支えるものだ」とコメント。少年画報社メディア事業部取締役の大野正拓氏も、「オレンジのマンガへの深い愛情と誠実な姿勢を深くリスペクトしており、大切な作品を安心して任せられると確信した」と語った。
オレンジ代表取締役の宇垣承宏氏は、「emaqi Premiumは、日本の作品が海賊版に脅かされることなく正しくファンに届き、応援される健全なエコシステムを構築するための挑戦だ。クリエイターへの適切な利益還元を実現することで、日本のマンガ産業の持続的な発展に貢献していく」と述べた。
オレンジは「Creating a world where everyone enjoys manga」をミッションに掲げ、2021年4月に設立されたスタートアップ。今回のサービス開始により、グローバルな正規流通インフラの実現に向けた取り組みが本格的に動き出した。