株式会社コンセント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:長谷川敦士)は、デザイン誌『DESIGN AND PEOPLE|Issue No.2 他者たちとどう生きるか』を2025年8月13日(水)に刊行する。デザインと社会、学問、日常との関係性を問い直す本誌は、デザイナーや建築家、研究者、編集者など31名の多様な執筆陣による9篇の対話、8篇のエセー、6篇の書評を収録し、デザインの批評性と生活史が交錯する全256ページの一冊となっている。
『DESIGN AND PEOPLE』は2023年に創刊され、初号では「デザインは主語じゃない」というテーマを掲げた。第2号となる今号では、「他者たちとどう生きるか」という問いが編纂過程のなかで自然と浮かび上がったという。分断や対立の構造が社会のあらゆる場面で可視化される現代において、著者たちは自らの戸惑いや希望を率直に言葉にしている。個々の経験や視点が交差することで、他者への想像力を養う契機となることを本誌は目指している。
誌面に登場する31人の執筆陣には、グラフィックデザイナーの長嶋りかこ氏や作家の永井玲衣氏、行政官の沼本和輝氏、建築家の浅子佳英氏、デザイン研究者の佐賀一郎氏らが名を連ねる。それぞれが専門領域の実践者でありながら、同時に生活者としての視点も持ち寄り、デザインにまつわる個人的・社会的体験を語る。対話篇では、デザインと詩、言葉、学問、行政、テクノロジーなどのテーマが取り上げられ、エセー篇では、デザインと文章、絵、展覧会、ゲーム、写真、万博といった領域が論じられている。書評篇では建築や絵本、五輪・万博など多様なジャンルに関する6篇の批評が収められており、デザインの多面的な意義を浮き彫りにしている。
本誌のデザインコンセプトは「過去と今と未来をつなぐ」ことであり、分断された時間や人々を再び結び直す意志が込められている。各対話篇には異なる作家が挿絵やポートレートを手がけており、視覚的にも豊かな構成となっている。表紙写真を担当したのは、第49回木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家・長沢慎一郎氏。長沢氏は、2008年から13年をかけて完成させた写真集『The Bonin Islanders』や、その続編『Mary Had a Little Lamb』などを通じ、目に見えない記憶や歴史を写真に定着させてきた。今回のカバーでも、その視点が存分に発揮されている。
また、『DESIGN AND PEOPLE』では、誌面に登場した執筆者たちと読者が直接対話するイベントシリーズ「DESIGN AND PEOPLE SOCIAL CLUB」(通称:デザピー・ソシアルクラブ)を継続的に開催している。創刊号では哲学者の永井玲衣氏や装丁家の長田年伸氏らを招いた企画を5回実施しており、今後もIssue No.2に合わせたイベントや刊行記念の催しが予定されている。
デザインを軸に、個人と社会、他者との関係を見つめ直す本誌は、デザインを学ぶ者だけでなく、現代における共生や対話に関心を持つあらゆる読者にとって、新たな視点をもたらす一冊となるだろう。



