世界的ゲームクリエイター・小島秀夫の全キャリアと作品世界を総括する初めての研究書『ゲームデザイナー 小島秀夫論 世界のゲーム市場を熱狂させた革新性』が、株式会社ディスクユニオンの出版部DU BOOKSより2025年5月23日に刊行される。本書は、MSX2版『メタルギア』から最新作『デス・ストランディング2』まで、小島の革新的なゲームデザイン、物語性、映画的手法、さらにはメタ的構造までを体系的に分析する内容となっている。
著者は、UCLAでメディア・映画研究の博士号を取得し、現在は早稲田大学国際学術院で准教授を務めるハーツハイム・ブライアン・ヒカリ氏。ゲームやアニメの理論と歴史、メディア産業論を専門とする研究者であり、本書では自身の体験を交えつつ、小島作品の芸術的および文化的価値に深く切り込んでいる。日本語訳は武藤陽生氏、装丁は小野英作氏が手がけた。
本書はイギリスのBloomsbury Academicが刊行する国際的なゲーム研究シリーズ「Game Studies」の一冊としてもラインナップされており、欧米で高い評価を受ける日本のゲーム文化研究の成果としても注目される。藤澤仁氏（『人の財布』著者）、中川大地氏、吉田寛氏らによる推薦コメントも寄せられており、研究者や批評家の期待の高さをうかがわせる。
ゲームが今や文学や映画、美術と同様に、本格的な批評と学術研究の対象となりつつある現代において、小島秀夫というクリエイターの足跡を振り返り、その革新性を再発見する一冊として、多くの読者の関心を集めそうだ。価格は本体2,500円（税別）で、判型は四六変型、全392ページ。著者によるインタビューやラジオ出演も予定されており、作品の背景にある思想や制作秘話にも触れる機会が提供される見込みだ。
