株式会社ポプラ社は、児童文学作家・角野栄子さんを審査委員長に迎え、「第2回 角野栄子もっとあたらしい童話大賞」の募集を開始した。対象は5〜8歳の子どもたちを夢中にさせる未発表の創作童話で、文章のみの作品はもちろん、イラストを含むビジュアル作品の応募も受け付ける。募集期間は2025年4月25日から7月31日までで、商業出版されていない作品であれば、プロ・アマを問わず誰でも応募可能だ。

本賞は、従来の童話の枠にとらわれない自由な表現を尊重するもので、文章による表現だけでなく、絵を中心とした作品など、多様なスタイルの応募が歓迎されている。応募作品は、4000字から8000字までの文章作品、もしくは80ページ以内のビジュアル表現に文章が付随する形式が求められる。個人だけでなく、グループやユニットでの応募も可能であり、作家や学生、ゲーム・アニメ・デザインなど他業種のクリエイターにも門戸を広げている。

審査は、角野栄子さんとポプラ社児童書編集部が担当。大賞受賞者には賞金50万円と、ポプラ社編集者のサポートのもと、幼年向け書籍としての刊行を目指す機会が与えられる。発表は2025年12月末に特設サイト上で行われる予定である。

本賞では、創作を目指す人々を応援する取り組みとして、「クリエイター応援コンテンツ」の発信も行っている。第1弾として公開されたのは、角野栄子さんが創作において大切にしている「創作10か条」。これは「自由に、自分を信じて書く」「童話の型にとらわれない」「書き直しを楽しむ」など、創作の核心に迫る実践的な指針となっており、特設サイト上で誰でも閲覧できる。

1970年に作家デビューし、45年以上にわたって「アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけシリーズ」などで幼年童話の世界を切り拓いてきた角野栄子さんは、近年ドキュメンタリー映画『カラフルな魔女』でも注目を集めている。89歳を迎えた今もなお創作を続ける彼女の思いは、「ひとり読みに移行したばかりの小さな読者に、とびきり楽しい童話を届けたい」という信念に貫かれている。

前回の第1回には、全国から2289作品の応募があり、年齢は7歳から88歳までと幅広く、さまざまな背景をもつ応募者が集まった。授賞式は「魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)」で行われ、特別審査員には「かいけつゾロリ」シリーズの原ゆたかさんが参加した。今年の特別審査員や授賞式会場の詳細は、後日特設サイトにて発表される。

ポプラ社は、本賞の趣旨に賛同し、告知に協力してくれる学校や団体、企業を募集している。ポスターやチラシなどの告知ツールは、特設サイトからダウンロード可能となっており、広くクリエイター支援の輪を広げたい考えだ。