AI広告データプラットフォーム「クロスメディアインサイト」および「TVAL(ティーバル)」を開発・運営する株式会社スイッチメディアは、伊藤忠商事株式会社との資本業務提携契約を2026年8月26日に締結した。あわせて、伊藤忠グループで購買データを基点としたデータマーケティング事業を展開する株式会社データ・ワン、およびリテールメディア事業を担う株式会社ゲート・ワンとの業務連携も開始した。

この提携により、スイッチメディアが保有するテレビ視聴データ、ゲート・ワンが運営する国内最大級のリテールサイネージネットワーク「ファミマTV」の接触データ、そしてデータ・ワンが取り扱う購買データを連携させ、テレビ・デジタル・リテールメディアを横断した広告効果の可視化と分析を広告主企業に提供していく。

近年、広告主企業のメディア戦略はテレビとデジタル広告の統合運用にとどまらず、購買データを起点としたリテールメディアの活用へと急速に広がりを見せている。しかし、各メディアの効果指標は依然として分断されており、横断的な効果検証や予算配分の最適化は広告主企業にとって大きな課題となっていた。こうした背景から、両社は今回の提携に踏み切った。

協業の内容は主に3つの柱で構成される。まず、スイッチメディアのテレビCM視聴データとファミマTVの接触データを連携し、両メディアを横断したトータルリーチおよびインクリメンタルリーチを可視化する取り組みだ。これにより広告主企業は、テレビCMとリテールサイネージそれぞれの貢献度や重複接触状況を統一指標で把握でき、メディアミックスの最適化が可能となる。

次に、データ・ワンが取り扱う国内最大規模の購買データ付広告IDとスイッチメディアのテレビCM視聴データを連携し、テレビCMやファミマTVといったマス・リテール広告が実購買にもたらす効果を可視化・分析する。データ・ワンはこの分析結果を活用し、より精度の高いリテールメディア広告の出稿・運用を進める。

さらに、これまでテレビCMとデジタル広告を対象としてきた「クロスメディアインサイト」に、リテールメディアとしてファミマTVを新たに組み込む。テレビ・デジタル・リテールメディアを統一指標で一元管理することで、広告主企業はメディアを横断した予算配分と効果検証を実現できる。スイッチメディアにとっては、事業領域をリテールメディアへと拡張する重要なステップとなる。

スイッチメディア代表取締役社長の高山俊治氏は「テレビ・デジタル・リテールメディアを横断した広告効果可視化を、業界の新たなスタンダードに育てていく」と意気込みを語る。また、伊藤忠商事第8カンパニーGMの河田晃一氏は「生活者との接点が多様化するなか、広告主企業には媒体ごとの部分最適ではなく、全体最適の観点からマーケティング施策を設計・実行する力が求められている」と述べ、今回の提携によるマーケティング高度化への貢献に期待を示した。

ファミマTVは一部店舗を除く全国約11,500店舗超のファミリーマートに展開しており、データ・ワンは6,000万を超える購買データ付広告IDを保有する。この強固なリテール基盤とスイッチメディアのクロスメディア分析力の融合が、広告業界に新たな潮流をもたらすか注目される。