ドラマの異例な広告展開として、人気ディスカウントストア「ドン・キホーテ」の新宿店と梅田本店のトイレが、SFドラマ『マルクト ～あなた、誰ですか？～』（配信アプリ「BUMP」）と関連番組『マルクト情報テレビ』（MBS）の認知拡大を目的とした企画が実施された。広告を仕掛けたのは、トイレ広告メディア「ハレルヤ！」を展開する株式会社トランプスと、ホラークリエイティブを得意とする株式会社闇、そして企画制作を手がけた「ない株式会社」である。
このプロジェクトは2025年5月から実施され、来店客が個室や小便器前といった「閉ざされた非日常空間」でドラマの世界観を体感できる仕掛けが施された。ポスターやステッカーが空間を埋め尽くし、トイレットペーパーホルダーにも世界観を反映させる徹底ぶりで、利用者が「これは何だ」と驚くほどの没入感を与えた。反響が大きすぎたため、「これはテレビ番宣です」と記したステッカーを追加掲出する事態にまで発展した。
効果も数字として証明された。ポスターやステッカーに設置されたQRコードから番組ページへの遷移率は平均0.27％を記録。従来の動画広告に比べ450％のLPへの遷移率という驚異的な効果を達成し、アナログ広告とデジタル誘導の高い親和性を裏付けた。特に「個室内では目を離せない」「手を洗う時にも視界に入る」といった特性を活かし、来店客に強い印象を残したことが要因とみられる。
『マルクト情報テレビ』は今年5月から4回にわたりMBSで放送され、現在はYouTubeで全話が視聴可能。ショートドラマアプリ「BUMP」では本編30話が公開中である。トイレという特殊な空間を最大限に活用した今回の広告戦略は、従来の宣伝手法にない新たな可能性を示した。今後もトランプスは「感情に届く広告」をテーマに、トイレスペースを活用した独自の展開を進めていく予定だ。
