公益財団法人角川文化振興財団は、所沢市の文化複合施設「ところざわサクラタウン」内にある角川武蔵野ミュージアムで、企画展「池上彰と考える現代アート Vol.1 Empowered by Taguchi Art Collection『われわれが何をしたのか』」を3月28日から7月6日まで開催する。新シリーズの第1弾として、南アフリカ出身のアーティスト、ハルーン・グン=サリーによる《センゼニナ/Senzenina(われわれが何をしたのか)》を紹介する。

同館館長であるジャーナリストの池上彰氏が「社会の文脈」を、アート部門ディレクターの神野真吾氏が「アートの文脈」をそれぞれ解説し、作品を多角的に読み解く内容となる。展覧会名にある「Empowered by Taguchi Art Collection」は、約750点の現代アート作品を所蔵するタグチアートコレクションの協力を示している。同コレクションは創業者田口弘氏が収集を始め、現在は田口美和氏が運営を担っている。

展示作品《センゼニナ》は、2012年に南アフリカ北西部マリカナで発生した鉱山労働者の射殺事件を題材にした17体の人体彫刻によるインスタレーションである。社会的不正義をテーマに、アートが社会とどう向き合うかを投げかける。会場では事件に関する報道資料や書籍も併せて展示し、鑑賞者に深い思索を促す。

本展は「アートを通して世界の見方を問い直す体験の場」として企画され、現代アートが持つ社会性や表現の力を、来場者自ら考えるきっかけにする狙いだ。会場のエディットアンドアートギャラリーは書籍が並ぶブックストリートとつながっており、来場者は気になったテーマをその場で書籍にあたって探求できる構成となっている。

角川武蔵野ミュージアムは、図書館・美術館・博物館を融合させた施設として2020年に開館。建築デザイン監修は隈研吾氏が手がけた。池上氏の知見とタグチコレクションの協力による今回の展示は、アートと社会を結ぶ新たな文化的試みとして注目されている。

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