株式会社ブシロードのグループ組織であるアニメデータインサイトラボは、2026年冬アニメのデータ分析結果を公開した。この分析は放送開始から3週間分のGoogleトレンドによる検索量データとX投稿量データを基に、69作品全体の傾向を明らかにするものである。新作48作品と続編21作品が競う大規模クールで、続編が初速で圧倒する一方、新作の維持率に光が見える点が特徴だ。

初速のトレンドスコア上位10作品中8作品が続編であり、新作は『ハイスクール!奇面組』と『勇者刑に処す』の2作のみである。特に『呪術廻戦 死滅回游 前編』と『葬送のフリーレン 第2期』が突出し、二強を形成する。続編は前期の記憶や期待感から放送前から検索を集めやすい。新作は認知度のハンデを負うため、初速で上位に入るのは稀である。一方、ファンスコアでは『Fate/strange Fake』が新作トップの18.4を記録し、トレンドスコアは低調ながらファンの熱量が高い。

3週目の維持率分析では、新作の強みが浮かび上がる。トレンドスコア維持率100%超の8作品中、新作が5作品を占め、『異世界の沙汰は社畜次第』が198%で突出する。ファンスコア維持率でも新作5作品が入り、『ほっぺちゃん』と『ヘルモード』が両指標で安定を示す。これらは初速が小さくても視聴者を手放さないパターンだ。3週連続横ばいの『29歳独身中堅冒険者の日常』も注目される。

検索量と投稿量の乖離が今季の興味深い点である。パターンAの『Fate/strange Fake』は検索が少なく投稿が多い。既存ファンが検索を飛ばし直接語る典型だ。パターンBの『多聞くん今どっち!?』は検索減でも投稿が増え、口コミ加速を示す。パターンCの『異世界の沙汰は社畜次第』は投稿減でも検索が倍増し、潜在層の関心拡大を表す。この乖離は視聴導線の多様化によるもので、片方だけの指標では作品の本質を見誤る。

ダークホース予想として維持率が高い3作を挙げる。『ほっぺちゃん ~サン王国と黒ほっぺ団の秘密~』は両指標で100%超と唯一の新作で右肩上がりだ。低年齢層ターゲットゆえ安定する。『29歳独身中堅冒険者の日常』はファンスコア横ばいで、社会人共感を呼ぶニッチ作である。『透明男と人間女~そのうち夫婦になるふたり~』は3週目でファンスコア回復し、ラブコメ特有の波を予感させる。これらはコアファンを掴み、中盤以降の伸びが期待できる。

続編支配の中で新作は初速より維持率で勝負する。乖離パターンは次なるヒットのシグナルであり、業界のKPI設計に示唆を与えるものである。クール中盤の続報に注目だ。

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