人気ボカロPのr-906による初の長編小説『観測記録』が、2月2日にKADOKAWAから発売された。r-906はSNS総フォロワー数が30万人を超える音楽クリエイターで、代表曲「匙ノ咒(さじのまじない)」などで独自の世界観を築いてきた。本作は、その音楽的テーマをもとに構想されたSF作品であり、ボカロシーンの新たな表現として注目を集めている。
発売告知の段階からXやYouTubeでは反響が相次ぎ、「SF長編とは驚き」「世界観の拡張を感じる」など、ファンから期待の声が寄せられた。予約受付時にはサイン本とアクリルブロックのセットが予定数を大きく上回る申し込みを記録した。
物語の舞台は“物語世界”を観測する研究室。研究員Jは、物語から現実世界に迷い込んだ盲目の少女と出会い、彼女を元の世界に戻す使命と、共に過ごす時間への情との間で葛藤する。少女の言葉が現実か虚構かを見極めるのは“観測者”である読者自身だ。全12章で構成され、タイトルには「約束の海」「鋏の音」「現実」など、r-906らしい詩的な要素が並ぶ。
発売を記念し、6人の人気イラストレーターによる描き下ろし作品も公開された。各章に合わせ制作されたこれらのイラストは、物語の情景やテーマを視覚的に補完している。参加作家は、いえぬ、はきゅ、パンチ、Machiyoh、ミツ蜂、Pesnil.の6名。
『観測記録』は四六判352ページ、定価1,980円(税込)。発行は株式会社KADOKAWA。著者のr-906は楽曲制作のほか、映像、イラスト、DJなど幅広い分野で活動しており、今回の小説はその創作性をさらに広げる挑戦となった。公式サイトやYouTubeチャンネルでは、作品世界に関連した情報も随時発信されている。



