株式会社ニコンは1月27日、シネマ向けシリーズ「Z CINEMA」のフルサイズセンサー搭載カメラ「ニコン ZR」用の最新ファームウェアVer.1.10を公開した。発売から約3か月のタイミングで提供される今回の更新では、動画撮影や運用性を中心に多数の改良が施されている。
最大の特徴は、動画の連続録画可能時間がこれまでの125分から最長360分(6時間)に延びた点である。これにより、コンサートやドキュメンタリーなど長時間の撮影現場でも安心して運用できる。ProRes 422 HQやH.265などの主要コーデックに対応し、外部電源を使用することで安定した長時間記録が可能となった。
また、従来のBluetooth接続に加えて有線でのタイムコード入力に対応した。複数台のカメラや音声機器との同期が容易になり、撮影後の編集効率が向上する。さらに、REDカメラに近いファイル命名方式を採用し、マルチカム撮影時のデータ管理を効率化した。ライブビュー画面に動画ファイル名を表示できるようになった点も実務的な改善である。
露出や画作りを支援する機能も拡充された。「R3D NE」形式でのLog3G10撮影時には、ヒストグラムとウェーブフォームモニターに輝度レベルの警告線を追加。これにより、明るさの上限を視覚的に把握しやすくなった。加えて、メモリーカードから読み込めるLUT(カラールックアップテーブル)の数が10個から最大50個に増え、撮影現場でより多様な画づくりが選べる。
そのほか、電源ランプを常時点灯できる設定が加わり、電源の切り忘れによるバッテリー消耗を防ぐ工夫もなされた。カメラモード[AUTO]でも12ビットのR3D NE形式に切り替えられるようになり、簡単な操作でシネマ品質の映像を撮影できるようになった。
ニコンは今後もファームウェアアップデートを通じて製品の性能向上を図り、映像制作の現場を支援するとしている。


