日本のマンガ文化が新たな岐路に立っている。PDF Guruは2026年1月5日、全国の一般読者1,000人とマンガ制作者100人を対象に、AI活用と西洋での実写化に対する意識を調査した結果を公表した。結果からは、読者と制作現場の間に明確な温度差があることが浮かび上がった。
調査によると、マンガ制作へのAI導入について「判断がつかない」と答えた人が半数を超え、慎重な姿勢が目立った。AIを積極的に受け入れる回答は約2割にとどまり、「否定的」とする層がやや上回った。AIが漫画家の仕事を脅かすと感じる人も4割を超え、「不安」「判断できない」という回答を合わせると7割を占めた。AIで制作されたマンガを「読みたい」と答えた読者は3分の1に満たず、多くは「人の手による創作」に重きを置いていることがわかる。
一方、マンガ制作者の現場ではAIの導入が急速に広がっている。回答者の6割が「定期的に」または「時々」AIを使用しており、「利用予定はない」と答えたのは2割に満たなかった。さらに、6割が「作業効率が向上した」と実感しており、AIはすでに制作フローを支える実務的なツールとして定着しつつある。とはいえ、制作者の多くは「読者の反応」や「伝統技術の衰退」に懸念を抱いており、効率化と創作の本質をどう両立させるかが課題となっている。
調査はまた、西洋でのマンガ実写化に対する意識の違いも示した。読者の44.5%が「そのような作品があることを知らない」と答え、視聴経験者は約15%にとどまった。懸念として挙がったのは「文化の誤解」や「キャスティングの違和感」が中心で、作品の品質よりも文化的な正確さを重視する姿勢がうかがえる。
一方、クリエイターの7割は「海外実写化は日本マンガの国際的評価を高めている」と前向きに捉えており、6割以上が「日本の専門家が関与すべき」と考えている。制作現場では、海外展開を現実的な選択肢として受け止め、国際的な協働を視野に入れている様子が見られる。
今回の調査を通じて、読者は「伝統性」や「人の創造力」を重視し、クリエイターは「テクノロジー」や「グローバル化」を受け入れるという構図が浮かび上がった。方向性は異なるものの、両者に共通するのは日本のマンガ文化が持つ独自性を守りたいという意識だ。AIと海外展開が進むなか、創作の本質をいかに維持するかが、次世代の課題となりそうだ。
出典:PDF Guru「AIとマンガの欧米適応に関する調査報告」:https://pdfguru.com/ja/blog/ai-and-western-adaptations-in-manga


