書体デザイン大手のMonotype Imaging Inc.(米マサチューセッツ州ウーバン)は、2026年の「Pantoneカラー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた「PANTONE 11-4201 Cloud Dancer」のタイポグラフィー表現として、書体「Jensen Arabique」を採用したことを発表した。選定を担当したのは、同社シニア・エグゼクティブ・クリエイティブ・タイプ・ディレクターのチャールズ・ニックス氏である。
選ばれた「Jensen Arabique」は、タイプデザイナーのジェイソン・キャッスル氏が1990年代にデザインとデジタル化を行ったものだ。1933年にデザイナーのグスタフ・イェンセンが制作したアルファベットサンプルブックを基にしており、クラシカルな雰囲気と手作業のような温かみを持つ。
ニックス氏は、フォント検索ツールの「WhatTheFont」や新開発のAI検索機能などを活用し、複数の候補から最も色の特徴に合う書体として「Jensen Arabique」を選出したという。「Cloud Dancer」は穏やかさとシンプルさを象徴する色であり、書体の上品な形状と調和して落ち着いた印象を与える。
12月4日にニューヨークで開かれた発表イベントでは、この書体を使ったネオンアート作品が展示された。光と文字の融合によって、色とフォントが生む「共感覚的」な体験を来場者に提供した。ニックス氏は「デザインとは色と文字の対話であり、双方が互いを引き立てる存在だ」と述べている。
キャッスル氏も「自分の書体が現代に再び響いていることを誇りに思う。デザインがいつ新たな文脈で意味を持つかは予測できないが、今回その瞬間を目の当たりにした」とコメントした。
Monotypeは25万を超えるフォントを収録する「Monotype Fonts」サービスを展開しており、企業やクリエイター向けに多様なプランを用意している。同社は「色と文字を通じて感情や文化を伝える新たな表現の可能性を探求していく」としている。



