今年で節目を迎える第50回報知映画賞の各賞ノミネートが発表された。映画賞レースの幕開けを告げる報知映画賞は、1976年に創設された歴史ある賞であり、2025年も多彩な作品と俳優が名を連ねた。今回は「国宝」が6部門で計8ノミネートを獲得し、最多候補入りを果たした。ノミネートは読者投票の結果をもとに報知映画賞事務局が選出し、今後、選考委員会による審査を経て今月下旬以降に受賞作が発表される予定である。
作品賞・邦画部門には「グランメゾン・パリ」「敵」「室町無頼」「悪い夏」「でっちあげ~殺人教師と呼ばれた男」「ブラック・ショーマン」「平場の月」「港のひかり」「ナイトフラワー」など18作品が選出された。監督賞には山田洋次や入江悠ら14名が名を連ね、主演男優賞では木村拓哉、妻夫木聡、吉沢亮ら、主演女優賞には松たか子、広瀬すず、吉永小百合らが候補となった。助演賞や新人賞まで幅広い世代の俳優が顔をそろえ、近年の邦画界の層の厚さを示している。
一方、海外作品賞には「ANORA アノーラ」や「エミリア・ペレス」など8作品がノミネートされた。アニメ作品賞では「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」が読者投票で1位に選ばれ注目を集めている。今年からは新たに「BS10プレミアム賞」も設けられ、映画専門チャンネルのBS10プレミアムが、視聴者投票によって最も“プレミアム”と感じる邦画を表彰する。この取り組みは視聴者と映画界をつなぐ新しい試みとして期待される。
報知映画賞は、当時低迷していた映画界を再び盛り上げたいという映画担当記者の思いから始まった。読者が投票で作品や俳優を選ぶ仕組みが特徴で、創設当初から一般参加型の映画賞として支持を集めてきた。第10回からは監督賞、第42回からはアニメ作品賞が加わり、時代とともに部門を拡充してきた。表彰式は毎年12月に行われ、受賞者にはイラストレーターの和田誠氏がデザインしたブロンズ像が贈られる。今では日本アカデミー賞やブルーリボン賞などと並び、年末の映画賞シーズンを象徴する存在となっている。
今回の選考委員には映画評論家の渡辺祥子氏や俳優・タレントのYOU氏、映画コメンテーターのLiLiCo氏をはじめ、出版・放送業界の専門家らが名を連ねる。第50回という節目を迎えた今年の報知映画賞が、どの作品と俳優に栄冠をもたらすか注目される。発表は報知映画賞公式サイトおよびスポーツ報知ニュースサイトで順次公開される予定である。




