池袋東口にある複合商業施設「WACCA池袋」(栄真株式会社、東京都豊島区)で、「WACCA ART Award 2025 グランプリ展覧会」が始まった。今年のグランプリ受賞者・日高恵理香による企画展「カーテンは街に話しかける」は、11月15日から30日まで4階ギャラリースペースほかで行われている。
日高は建築家として、「すでにある環境と相互作用する作品」をテーマに活動している。今回の展示では、カーテンを媒介にWACCAと街とを視覚的に結び、建物のテーマである「つながり」を街へと広げる意図を示している。構造設計には法政大学の浜田英明と吉田侑生が協力した。
同施設は人と人、地域と施設のつながりを大切にし、アートを通じて商業施設の新たな価値を生み出すことを目指している。その一環として開催される「WACCA ART Award」は、場所や地域を題材にしたアート活動を支援する取り組みである。
次回となる「WACCA ART Award 2026」は、10月23日から12月31日まで作品を募集する。一次審査結果は2026年2月16日に発表され、二次審査や展示は同年11月に予定されている。グランプリ受賞者には賞金20万円と展覧会制作補助費30万円が授与される。
2026年のテーマは「商業施設とアートの水際」とされ、商業施設ならではの制約と可能性の中で、アートと社会の関係を再解釈する企画を募集する。審査には、栄真株式会社代表の籏栄一郎をはじめ、美術作家の淺井裕介、キュレーターの青木彬、公共R不動産編集長の飯石藍ら、多分野からの専門家が名を連ねている。
WACCA池袋は1937年に開館した映画館「日勝館」の流れを汲む施設として2014年に誕生し、「地域とつながる」姿勢を掲げている。地上8階・地下4階の構造を持ち、快適で持続可能な商業環境づくりを進めている。


