Figma Japan株式会社は、AI分野への投資を拡大し、人とAIの創造性を融合させた新たなデザイン体験の提供に乗り出した。米Figma, Inc.の日本法人である同社は、生成AIプラットフォームWeavyの買収と複数の新機能発表を行い、デザイン現場の革新を加速させる。
プロダクト担当副社長の桑本晶氏は、「Figmaのビジョンはすべての人がデザインを利用できるようにすること。AIはその加速装置であり、創造の可能性を拡張するものだ」と語った。日本のクラフト文化とFigmaの思想は響き合い、人の感性を高めるAIのあり方を示すという。
買収したWeavyを統合した新機能「Figma Weave」は、画像や動画、アニメーション、VFXなどをAIと人の技術で生み出す環境を提供する。AIが素材を生成し、人が仕上げることでスピードと品質の両立を狙う。Figmaはこれを次世代のデザインの原型と位置づけている。
同社はまた、AI時代に対応するためのデザインシステム拡張を発表した。新機能「Figma Make」により、プロンプトや既存デザインから高精度なプロトタイプを生成できるようになり、ブランド性を維持したまま誰もが迅速に開発を行える。「Make Kits」では、ReactやCSSコンポーネントへの自動変換にも対応。さらに「Extended Collections」などの追加機能で、複数ブランド間の統一感を保つ設計が可能になった。
加えて「Figma MCPサーバー」を一般公開し、開発者はVS CodeやCursorなどのAIコーディングツールにデザインコンテキストを直接統合できる。AIがデザイン意図を理解し、精度の高いコードを生成する仕組みだ。
Figmaはこれらの新技術を体験できるイベント「Figma Make Cafe」を原宿・dotcom space Tokyoで11月7日と8日に開催した。ライブデモやミニハッカソンのほか、AI活用セッションも行われ、来場者はスイーツやコーヒーを楽しみながら新しい創作の形を体感した。
同社は2012年の創業以来、オンラインでの共同作業が可能な開発環境を整備し、アイデアの構想からリリースまでを支援するプラットフォームを進化させてきた。TEAM全員が同じページを共有しながら創る――それがFigmaの強みである。
