映像とアートの国際フェスティバル「恵比寿映像祭2026」が、来年2月6日から23日まで東京都写真美術館を中心に恵比寿ガーデンプレイス各所で開催される。主催は東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館、日本経済新聞社で、事務局はエイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社が務める。入場は無料（一部上映・イベントは有料）で、会期中は展示や上映、トークなど多彩なプログラムが繰り広げられる予定だ。
2009年の創設以来、恵比寿映像祭は映像表現の可能性を探り続けてきた。毎年、国内外からアーティストを迎え、上映、パフォーマンス、トークなどを通じて映像文化の現在を紹介している。地域との連携や国際的なネットワークも年々強化され、東京から世界へ発信する文化イベントとして定着してきた。
2026年のテーマは「あなたの音に｜日花聲音｜Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」。メインキュレーターの邱于瑄（チィウ・ユーシュェン）が台湾語の言葉から着想を得た。多様な声や光が重なり合う“ポリフォニック”な共感の場を構想し、映像、写真、サウンド、パフォーマンスなどを通じて表現する。テーマには、異なる文化や言語、価値観が交差しながら共存する社会へのまなざしが込められている。
東京都写真美術館では全フロアを使用し、声や記憶、誤読などを軸に多角的な展示を行う。3階では「コミッション・プロジェクト」の特別展として、第2回特別賞を受賞した小森はるかの新作を公開する。さらに、ガーデンプレイス広場やスカイウォークでは、エキソニモやFAMEMEが都市空間を舞台にしたオフサイト展示を展開し、デジタルとアナログが交錯する新たな映像体験を届ける。
上映プログラムでは、国内外の新作や実験的映像を特集。監督やキュレーターによるトークセッションも行われ、映像の未来について議論する場を提供する。対象には劇映画やアーカイブ作品も含まれ、多彩な選定が期待されている。
また、東京都の美術館・博物館コレクションからテーマに即した作品群を特別公開するほか、誰もが楽しめるフェスティバルを目指して手話通訳や鑑賞サポートなどのアクセシビリティ向上にも取り組む。
参加予定作家には張恩滿、エキソニモ、FAMEME、小森はるか、冥丁、さわひらき、アンジェリカ・メシティらが名を連ねる。展示、音、映像が重なり合う恵比寿の街が、16日間にわたりアートの光と声に包まれる。
「恵比寿映像祭2026」公式サイト：https://www.yebizo.com
