高島屋大阪店の廃棄物を新たな素材として生まれ変わらせる産学連携プロジェクト「Re: Local Material『百貨店の裏側から生まれる未来』」が、10月8日から28日まで開催されている。大阪芸術大学とコンテンポラリーデザインスタジオwe+、高島屋大阪店が協力し、学生たちが手がけた作品が会場を彩っている。
この企画は、高島屋が進めるサステナブル活動「TSUNAGU ACTION(ツナグアクション)」の一環として実施された。デザイン学科プロダクトデザインコースの4年生が中心となり、店内で発生する段ボールや緩衝材などの廃材を新たな素材として活用し、アート作品に再生した。we+の監修のもと、約1か月にわたり素材研究と試作を重ね、学生たちは素材の特性を理解して加工や結合の方法を試行。最終的に、機能を終えた廃材に美的価値と新たな役割を与える作品へと仕上げた。
展示作品には、独自の発想が光る学生たちの挑戦が詰まっている。西川里奈さんはガチャガチャのカプセルを使った「カプープ」を制作。石の配置や重量の違いが生む動きを表現し、来場者が直接触れて体験できる作品に仕上げた。一方、金森智さんは梱包用のPPバンドを加熱加工してバラの花に仕立てた「MELT」を展示。高島屋の象徴であるバラをアップサイクルの象徴として表現した。
今回のプロジェクトは、単なる廃材の再利用にとどまらず、学生が社会課題を自ら体験し、創造力を持って解決策を探る教育の場ともなっている。大阪芸術大学は、これまでも企業や自治体と連携した実践的なプログラムを展開しており、今回もその理念が形となった。
展示は高島屋大阪店1階の正面玄関ステージと4階のローズパティオで行われている。最終日28日は午後6時まで。百貨店の裏側から生まれた“新たな未来”を感じさせる展示として注目を集めている。




