株式会社KADOKAWAは、中国子会社の角川青羽(上海)文化創意有限公司と共同で、漫画サイト「カドコミ」内に新レーベル「角川青羽レーベル」を9月30日に開設した。海外漫画家による作品を日本語化し配信するのは同社として初めてで、グローバルな展開を狙う。同レーベルでは、角川青羽が企画・編集を担当し、日本の読者向けに翻訳した作品をフルカラーで連載する。縦スクロール形式や従来型のページ漫画など、作品に応じた多様なスタイルで提供される予定だ。
すでに9作品が先行して配信されており、レーベル開設にあわせて新たに3作品が追加された。注目作には、中国語簡体字で受賞歴をもつ『極熱進化 Emotions Evolution』(手擊拳)、ニート作家と殺し屋の奇妙な関係を描く『ニート作家、書かないと殺される境地に立たされています。』(CuZn・TAN COMICS)、中国・重慶を舞台に人間模様を描く『重慶の森~無職、独身、アラサーの田舎暮らし~』(biubiu)が含まれる。
「カドコミ」は2014年に無料漫画配信サイト「ComicWalker」としてスタートし、2024年に全面リニューアルされた。現在ではアプリ版も提供され、累計ダウンロード数は2025年8月時点で150万件を突破。『異世界おじさん』や『文豪ストレイドッグス』など人気作品を含め、1200タイトル以上を掲載している。KADOKAWAは今後も海外の才能あるクリエイターを取り込み、世界中の読者に向けた作品発信を強化していく方針だ。
この新レーベルは同社が掲げる「グローバル・メディアミックス」戦略の一環であり、出版からゲーム、映像まで幅広く展開するKADOKAWAの成長戦略においても重要な試みとなる。



