AIと創造性の融合に取り組む株式会社Qosmo(代表取締役・徳井直生、東京都目黒区)は2日、生成AIを活用した新たなソリューション「LLM Experience Design」と「AI Visual Design」の本格展開を開始したと発表した。大規模言語モデル(LLM)を応用した体験設計や、人とAIの共創によるビジュアル表現を支援する取り組みを通じて、創造性の拡張を図る狙いである。
Qosmoは創業以来、AIと音楽やアート、デザインの融合をテーマに国内外で活動してきた。ニューヨーク近代美術館やバルセロナの音楽・アートフェスティバル「Sónar」での展示やパフォーマンスをはじめ、企業との共同プロジェクトを多数手がけている。近年は企業における生成AI活用の関心が高まる中、業務効率化にとどまらず、AIを創造性を広げるためのツールとして位置づけている。
「LLM Experience Design」は、大規模言語モデルを用いた新しい体験設計を支援するソリューションである。ミュージアムや商業施設に向けた対話型デジタルサイネージや、アイデア創出を促すシステム開発など、多様な用途に対応する。日本科学未来館の常設展示「未読の宇宙」における対話型展示や、外資系企業のショールーム向けシステム、企業ワークショップでのブレインストーミングツール提供などの実績がある。
一方、「AI Visual Design」はデザインやビジュアル表現領域に特化したサービスである。グラフィックや広告演出、ライブ向け映像制作に加え、伝統工芸を支援するデザインツールの開発など、人とAIの共創を前提とした新しい表現をサポートする。美術館やイベントにおけるインタラクティブコンテンツの開発など、幅広い領域で活用が進む見通しだ。
同社は今後、戦略立案からプロトタイピング、実装支援までを一貫して行い、生成AIを活用する企業や団体のパートナーとして共創を推進するとしている。Qosmoは2009年設立。アーティストや研究者、プログラマ、デザイナーらで構成され、「アートとテクノロジーを通じて人類の創造性を拡張する」をビジョンに掲げ活動している。




