第73回朝日広告賞で、岡山県を拠点に活動する制作ディレクター兼カメラマンの難波航太氏とコピーライターの奥野真由氏が、最高位のグランプリを受賞した。表彰式は7月9日に行われ、審査員長を務めた篠原ともえ氏からトロフィーが授与された。
朝日広告賞は1952年に創設され、業界最大級の広告賞として知られている。企業のみならず一般からの応募も受け付けており、今回の一般公募部門には1694組もの応募が集まった。その中から選ばれた受賞作品は、彩きもの学院の課題「着物を美しく着る文化を後世に引き継ぐ」をテーマとした新聞広告だった。着物そのものを一切見せず、見る人に着物の美しさを想像させる表現が審査員の共感を呼び、篠原氏は「歓喜の表情を見せる人々を通じて着物姿が想起される点が革新的であり、高い評価につながった」と評価を述べた。
広告業界では東京や大阪といった都市部にクリエイティブの中心が集まる傾向が強い。しかし、今回の受賞は地方に拠点を置く若手クリエイターが全国規模の賞で頂点に立ったことで、地域に根ざした制作の可能性を示したものといえる。交通費や宿泊費の負担を減らす意味でも、地方クリエイターの活用は注目されており、難波氏の受賞は「地産地消」の流れを後押しする出来事となった。
地方に拠点を置く若手が大手広告代理店を凌ぎ最高位に輝いた事実は、業界に新たな風を吹き込み、才能の活躍の場は場所や経歴に左右されないことを強く印象づけた。今後、地方クリエイターの挑戦と活躍に一層の期待が寄せられている。


