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映画界の伝説的存在、ジャン=リュック・ゴダールの映像世界に没入できる展覧会《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》が、2025年7月4日から8月31日まで東京・新宿歌舞伎町の王城ビルで開催されている。主催は同展実行委員会で、企画を手がけたのはカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCCアートラボ)とパラダイス商事株式会社。スイスやフランス、ドイツなどで展開されてきた関連展示の中でも、今回は最大規模となる。

本展は、王城ビルの複数フロアを使用した5章構成の映像インスタレーション形式で展開されている。第1章「リメイク」では、重ねられた布の間を来場者が自由に歩き回る構成で、映画のリメイクという概念を空間全体で表現。第2章「サン・ペテルスブルグの夜話」では、戦争をテーマに、床に並べられたテレビが墓を連想させる演出で観る者の心を揺さぶる。第3章「線路の間の花々は旅の迷い風に揺れて」では、映画と列車の関係性が描かれ、自然光の差し込む空間にソファを設置し、ゆったりと映像を鑑賞できる工夫が施されている。

続く第4章「法の精神」はモンテスキューの著作を基に、揺れる布と複数のプロジェクターによって法や社会の不安定さを映し出す。そして最終章「中央地帯」では、「幸福なアラビア」をモチーフにした幻想的なインスタレーションが展開され、展示の締めくくりとして映画のエンドロールや別れをテーマにした映像が流れる。ジャン・ギャバンやダニエル・ダリューらが出演した往年の映画シーンも取り入れられており、ゴダールへの深いオマージュが込められている。

本展のキュレーションを務めたのは、アーティストであり映画作家でもあるファブリス・アラーニョ。映画『イメージの本』の制作にも携わったアラーニョが、映像と言葉、空間を巧みに融合させ、来場者をゴダールの思考の森へと誘う。

展示会場では、手作業を重んじたゴダールの思想を体現するオリジナルグッズも販売されている。映画のビジュアルをモチーフにしたTシャツやトートバッグ、マグカップ、ステッカー、マルチトレイ、ポストカードなどが揃い、展示の余韻を持ち帰ることができる。これらのグッズは会場に加え、オンラインストアおよび銀座、代官山、京都、渋谷、六本木の蔦屋書店など一部店舗でも販売される。

チケットは一般2,200円(税込)で、詳細は公式サイトにて確認できる。映像の詩人とも称されるゴダールの哲学と美学が詰まった本展は、映画とアートの垣根を越えた新たな体験を提供している。

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