大阪市生野区は、地域企業とデザインパートナーが協力して新たなものづくりに挑むプロジェクト「生野ものづくりタウン事業(通称:IMT)」の第3期を開始した。2025年7月1日から8月29日まで、「つくり手もつかい手もココロオドル」をテーマにしたプロダクトアイデアの公募を行っている。
本事業は、大阪市生野区と株式会社友安製作所が主催するもので、地域のものづくり企業とクリエイターが共にプロダクトを開発しながら「ものづくりを面白がる」ことを目的としている。公募されたアイデアは、選考を経て開発プロジェクトへと発展し、最終的には2026年2月25日に成果発表会が開催される予定だ。
今回の募集テーマは「つくり手もつかい手もココロオドル」プロダクト。創造の過程を楽しめるつくり手と、完成品に触れて心が弾むつかい手、双方の感性を揺さぶるような製品アイデアが求められている。デザイン性だけでなく、ブランディングやサービスデザイン、販路開拓にまで関わる意欲を持つ人材が対象となる。
応募期間中には、東京と大阪でプロジェクト参加企業との対話イベント「MEETUP IKUNO!」が開催される。東京会場は7月31日に渋谷のFabcafe、そして大阪会場は8月6日に都島区のQUINTBRIDGEで行われる。ここでは参加企業5社の技術や思いを直接聞くことができる貴重な機会となる。
今回の参加企業は、レディースアパレルの縫製加工を手がける大林縫製有限会社、OEMノート製造の大栗紙工株式会社、キムチ製造の有限会社高麗食品、熱硬化性プラスチック成型の株式会社タツミカセイ、プラスチック塗装やUVインクジェット印刷を行うBIGONESの5社。これら企業とともに、参加クリエイターはフィールドリサーチやプロトタイピング、ブランド構築を行いながらプロダクト開発を進めていく。
さらに、選考通過者には広島県福山市でのフィールドリサーチ(交通費・宿泊費主催者負担)への参加機会や、生野区の企業・行政とのネットワーク形成、プロのクリエイターによるアドバイスが提供される。
審査員には、国内外のデザイン賞を多数受賞し、行為のデザインに基づく開発支援で知られる村田智明氏(株式会社ハーズ実験デザイン研究所代表)、クラウドファンディングを軸に事業推進を手がける菊地凌輔氏(株式会社マクアケ執行役員)、本プロジェクトの主催者であり、DIYとカフェを融合した空間づくりなども行う友安啓則氏(株式会社友安製作所代表取締役社長)らが名を連ねる。
「生野ものづくりタウン事業」は、ものづくりの街・生野区の魅力を広く発信し、創造性にあふれた人々を地域に呼び込むことで、地域ブランディングと活性化を目指す。これまでの枠を超えた新たなものづくりに挑戦したいクリエイターやデザイナーにとって、またとない機会となるだろう。
応募の締切は8月29日23時59分。詳細は共創プラットフォーム「AWRD」の特設ページにて確認できる。興味のある人は早めの応募を勧めたい。


