プロ志望漫画家向けのシェアハウス事業「トキワ荘プロジェクト」を展開する特定非営利活動法人LEGIKA(東京都品川区、理事長・小崎文恵)は、2025年7月に新たに開業する「上池台トキワソウルーム」の稼働にあわせ、プロジェクトへの応募年齢上限を現行の35歳以下から、条件付きで45歳まで引き上げると発表した。

この方針転換は、プロとしてすでに活動している漫画家の参加希望が増加している現状を踏まえたものだ。LEGIKAが運営する漫画制作事業「レジカスタジオ」との連携強化により、入居者に対する高度な育成支援や制作面での協業の機会が広がり、プロ作家にとっても大きなメリットを見込める環境が整いつつある。さらに、新設される上池台トキワソウルームは全55室を備えた大型施設であり、幅広い年齢層が共に暮らす中でも、生活上の違和感を感じにくい構造になっているとLEGIKAは説明している。

今回の変更により、応募時の年齢制限は35歳以下から45歳以下へと拡大されるが、36歳から45歳の希望者については、プロとしてのデビュー実績を持ち、なおかつ上池台トキワソウルームまたは多摩トキワソウ団地といった特定の大型ハウスに居住することが条件となる。これにより、プロとしての実績を持ちながらも、成長の場を求める中堅作家層の受け皿となることを目指す。

LEGIKAは、これまでの学生寮運営「チェルシーハウス」で培った若年層へのケアのノウハウを活用しつつ、異なる世代が交わることで生まれる多様性を創作活動に生かしていきたいとしている。

上池台トキワソウルームは東京都大田区上池台に位置し、延床面積は2,543.26平方メートル。1Rの個室が55室あり、このうち34室にはアトリエプランが付属している。事業主は東急株式会社で、貸主および運営管理はLEGIKAが担う。

トキワ荘プロジェクトは、漫画家の卵たちが共に暮らしながら切磋琢磨し、プロのクリエイターとして羽ばたくことを目的とした人材育成プログラムで、現在は直営4棟、提携2棟の計6棟で展開されている。2025年5月時点での参加人数は60名、通算での参加者数は690名に達する。これまでに203名のプロ漫画家を輩出し、西修(「魔入りました!入間くん」)やカメントツ(「こぐまのケーキ屋さん」)らの実績もある。

LEGIKAは今回の応募枠拡大を通じて、漫画制作の現場における新たな連携と多様なクリエイティブの可能性を広げていきたいとしている。