65dB TOKYOは、2025年1月から5月までのX(旧Twitter)の投稿を詳細に調査し、メンション数(発話量)といいね数を基に「注目トレンドマップ」を作成しました。このマップにおいて、メンション数といいね数がともに多い領域は「ゴールデントレンド」と位置付けられ、特に多くのユーザーに届き、共感を呼んだ話題が含まれます。

このゴールデントレンドを分析した結果、以下の3つの話題が特に際立っていることが明らかに。

・画像ミーム
・AI
・企業とユーザーのコミュニケーション

今回公開されたレポートでは、これら3大トレンドについて詳細な分析と解説がまとめられている。

本記事では、3大トレンドの中でも特に注目を集めた「画像ミーム」の拡散傾向に焦点を当て、その背景にあるユーザー行動の変化について解説。

65dB TOKYOは、画像と一言を組み合わせたシンプルなフォーマットである画像ミームが、2025年上半期のXで多くの共感を集め、拡散された要因を分析した。その結果、SNSは「語る場所」から「重ねる場所」へと変化し、「発信するより、共感したい・されたい」という気持ちを起点とした新たな行動様式が定着しつつあると分析している。

Xでトレンド入りした「万バズ画像ミーム」の具体的な事例と、そこに見る特徴、そして今後の兆しは以下の通り。

エッホエッホ:擬音あてはめ
メンフクロウのヒナが走る写真が、人間が腕を振って走っているように見えることから、擬音「エッホエッホ」とともに拡散されミーム化しました。これまでに約58億インプレッション以上を記録したと推計されている。→「あくまでネタとして発信できる」「共感の共有」によって炎上リスクを避ける使い方が定着。

情けない写真ください:お題募集
一般ユーザーが「すみません、犬の情けない写真欲しいです」と投稿したことをきっかけに大きな反響を呼び、人間や料理などあらゆるジャンルに派生してミーム化しました。関連投稿は1.8万件以上に上る。→「気持ちの代弁者」を自ら選ぶような、参加型の拡散構造が特徴。

育児ママあるある祭り:感情あてはめ
映画での俳優の感情的なワンシーンを切り取って育児ママのあるあるを表現し話題となり、のちに日常のあるある表現にまで派生してミーム化しました。関連投稿は9.9万件以上に達している。→「自分の気持ちを重ねやすい」「安心して共有できる」という心理的安全性が拡散を後押し。

SNS上での発信には慎重さが求められる今、画像ミームは「感情を安心して共有できる手段」としてユーザーに広く受け入れられています。他者の言葉や画像を借りて自分の感情を表現するというスタイルは、今後ますます主流化するだろう。これまでのSNSでは「自分の意見や感情を発信する」投稿が多い傾向にあったが、ご紹介した「画像ミーム」からもわかるように、最近では「誰かの言葉に自分を重ねる」ような発信へと変化しつつある。2025年の下半期以降も、「発信」よりも「共感したい/共感されたい」という気持ちがSNSを動かす主軸になっていくと見込まれる。

引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000220.000034082.html