京都市交通局の広報キャラクターを題材にした短編アニメーション作品「地下鉄に乗るっ」が、世界最大級のアニメ映画祭である「アヌシー国際アニメーション映画祭2025」において、併設企画「MIFA(Marché international du film d’animation)」内の「インディーアニメ特集」に選出された。作品は現地時間で6月10日から13日まで、フランス・アヌシー市のインペリアル・パレスで上映および展示される予定で、日本のインディーアニメとして初めてフランスでの公開を果たす。

本企画は、経済産業省が主催し、映像産業振興機構(VIPO)が運営するもので、日本の独立系アニメーション作品を海外市場に紹介し、国際的な共同制作や資金調達、ビジネスマッチングの機会を創出することを目的としている。会場ではモニターによる映像上映に加え、パネル展示も実施され、アニメーション業界関係者やプロデューサーに向けて作品の魅力が発信される。

「地下鉄に乗るっ」は、京都市営地下鉄・市バスの利用促進を目的としたPRコンテンツで、登場キャラクターである太秦萌、松賀咲、小野ミサ、太秦麗、小野陵、十条タケルらが登場する。2013年にポスターとして初登場して以来、京都市交通局の広報活動の一環として多方面に展開されている。

今回フランスで公開される短編アニメ「地下鉄に乗るっ」は、アニメ制作会社・魚雷映蔵がクラウドファンディングによって2016年に制作資金を募り、1000万円以上の支援を受けて2017年に完成したもの。同年末には劇場公開され、現在はYouTubeで視聴可能となっている。

魚雷映蔵は、ショート映像の制作に特化したアニメ会社で、2012年に京都で創業し、現在は東京・墨田区と秋葉原にオフィスを構えている。「地下鉄に乗るっ」シリーズには2014年から関わっており、アニメCMの制作、短編アニメの制作企画、さらに10周年記念企画の主催など、長年にわたりコンテンツ運営に携わってきた。

今回のアヌシー映画祭での上映を通じて、「地下鉄に乗るっ」が日本国内だけでなく、国際的な評価を得る契機となることが期待されている。