埼玉県秩父郡横瀬町に、地域クリエイターによる空き家再生プロジェクトとして、サウナ付きの一棟貸し宿泊施設「DANDAN(ダンダン)」が誕生する。開業は2025年6月1日で、現在公式サイトにて予約を受け付けている。

「DANDAN」は、Web制作やブランディング事業などを展開する合同会社浅見制作所(本社・横瀬町)が手がけた初の宿泊施設事業で、築29年の空き家をリノベーションし、新たな観光資源として再生させた。施設名の「DANDAN」は、横瀬町を象徴する段々に連なる棚田や武甲山の風景、そして重層的な空間の構成にちなんで名付けられている。

宿泊は1日1組限定で、3LDKに加えてフィンランド式サウナや水深1メートルの水風呂を備えるプライベート空間が提供される。都心からのアクセスも良く、池袋から西武特急「ラビュー」を利用すれば約70分で到着する立地にある。

最大の特徴は、リビングや各部屋から望む借景である。象徴的な「超借景窓」からは、窓枠の存在を感じさせずに横瀬町の自然風景がまるで一枚の絵画のように映し出され、四季折々の姿を楽しめる。この窓から見える武甲山や寺坂棚田は、訪れる人に深い印象を与える。

また、土間テラスには北欧スウェーデンから輸入した「tyro社」製のサウナヒーターを導入。高湿度のフィンランド式サウナを楽しめる設計となっており、サウナ愛好家も満足できる設備が整っている。水風呂は水深1メートルと深く、頭までしっかり浸かることができるため、サウナ後のクールダウンにも最適だ。

宿内には個性豊かな3つのベッドルームが設けられており、それぞれ異なるデザインコンセプトで仕上げられている。純和室を改修した和洋室、アート壁が印象的な空間、地元アーティストによるコンセプトアートが施された部屋など、どの部屋もプライベートを確保しながらも過ごしやすさに配慮された設計となっている。洞窟のような廊下や、棚田を模した4メートル超の土壁アートなど、細部にまでこだわった内装が滞在体験を豊かにする。

BBQ設備やキッチン設備も整っており、長期滞在やワーケーション、家族旅行、友人とのサウナ旅など、さまざまな利用目的に対応する。

今回のプロジェクトには、地元横瀬町や秩父市のデザイナー、映像制作会社など複数の地域クリエイターが参画し、それぞれの専門性を活かして施設を創り上げた。浅見制作所では、今後も地域の空き家や遊休不動産を活用したリアルビジネスを展開し、地域経済の循環に寄与していく方針だ。

施設の内覧会は、メディア向けに5月29日に開催予定となっており、事前申込み制で実施される。予約や詳細は公式Webサイトから確認できる。