成田国際空港株式会社は、若手アーティストの才能を世界に発信することを目的としたアートコンペティション「NARITA ART RUNWAY(ナリタ・アート・ランウェイ)」を開催すると発表した。応募受付は5月1日から始まり、35歳以下の日本国内で活動するアーティストまたはグループを対象に、作品の募集を行う。

本コンペティションは、成田空港を舞台に、アートを通じた国際的な交流を促進する取り組みとして企画された。毎年異なるテーマで作品を募集し、2025年度のテーマは「キャリーケース」とされている。空港という空間と深く結びついたこのテーマをもとに、平面・立体を問わず自由な発想による表現が求められる。

審査は成田国際空港株式会社の代表取締役社長である田村明比古氏をはじめ、アート企画や編集の専門家である田尾圭一郎氏、アーティストの沼田侑香氏、メディアアーティストで研究者の藤本実氏、そしてクリエイティブディレクターの満永隆哉氏の5名によって行われる。選出された大賞および佳作の入賞者には賞金に加え、副賞として成田空港内での作品展示の機会が与えられる。

さらに来場者の投票による「オーディエンス賞」も設けられており、空港内で展示されるファイナリストのコンセプトボードを通じて、国内外から訪れる人々の声が審査に反映される仕組みとなっている。これにより、作品と観客の双方向のコミュニケーションが図られ、国境を越えた新たなつながりの創出が期待されている。

田村社長は「成田空港は毎日多くの海外の方が思い出とともに出国する場であり、その空間に楽しさを加えるとともに、若手アーティストに活躍の場を提供したい」と語っている。また、アートを通じて空港の機能を拡張し、日本の才能が世界に羽ばたくきっかけになることを願っているという。

募集期間は6月15日23時59分まで。6月末にファイナリストの発表とオーディエンス審査が始まり、7月上旬に受賞者が発表される予定。展示作品の制作期間は7月から8月にかけて行われ、9月から11月にかけて成田空港内で展示される計画となっている。