株式会社版三が展開する「ドラえもん浮世絵木版画」シリーズが、2025年で企画開始から10周年を迎える。これを記念し、葛飾北斎の代表作『神奈川沖浪裏』をモチーフとした記念作品が制作された。予約受付は、2025年4月25日(金)より、公式オンラインショップ「版三 浮世絵工房」にて開始される。

本シリーズは、日本の伝統文化である浮世絵木版画と、国民的キャラクター「ドラえもん」が融合したアート作品。発売されるたびに完売するほどの人気を誇り、国内外のアートファンやドラえもんファンの間で高い評価を受けている。

10周年記念作として登場するのは、『神奈川沖浪裏』を新たな視点で描いた作品。10年前にも同モチーフの作品が制作されたが、今回は「仲間とともに大波に挑む」という前向きなテーマが込められている。作品には、荒れ狂う波の中で仲間たちと力を合わせて進むドラえもんたちの姿が描かれ、特に船首に立つのび太の表情には、勇気と信頼、そして冒険への高揚感がにじむ。

浮世絵木版画は、絵師・彫師・摺師の三者がそれぞれの技を尽くして制作する伝統技法であり、全ての工程が手作業で行われる。今回の作品も同様に、国家認定の技術者による「純手摺り」によって仕上げられている。

彫師は、わずか1ミリの誤差も許されない高精度な技術で木版を彫り上げ、摺師は色の重なりや発色を確かめながら一色ずつ丁寧に摺り重ねていく。また、使用される和紙は、人間国宝・九代岩野市兵衛氏による越前和紙「生漉奉書」。楮100%の純手漉きで作られたこの紙は、日本の紙文化を代表する最高級素材だ。

本作品の制作には、絵師・江幡喜之氏をはじめ、彫師の朝霞元晴氏、摺師の鉄井裕和氏といった熟練の職人たちが参加。いずれも文化庁や経済産業省の認定を受けた伝統工芸師であり、その技術と情熱が作品に結実している。

予約販売される数量は550部限定。価格は50,000円(税別・送料別)。額装も付属し、浮世絵としてだけでなく、インテリアアートとしても楽しめる一枚となっている。

困難な時代においても、支え合う仲間との絆と前向きな心の大切さを伝えるこの記念作。時代を超えて愛されるドラえもんと、伝統技術の粋が融合した一枚が、再び波を越えて現代に届く。