ファッションと、AIを始めとした最新テクノロジーをかけ合わせたサービス・プロダクトの開発に取り組んでいる株式会社OpenFashion。現在は「Rakuten Fashion Week TOKYO(※) 2024 A/W」(主催:一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構)の関連イベントとして、「TOKYO AI Fashion Week」(主催:OpenFashion社)を3月31日(日)まで開催中。本イベントでは、ファッションと生成AIを融合させたコンテストの開催、さらにアパレル業界における生成AIの現在と未来などを知ることができるセミナーなど、様々な角度から生成AI技術を楽しめる内容となっていた。今回はその中からセミナーとエキシビジョンの様子をイベントレポートとしてお届けする。

セミナー「ジェネレーティブAIとファッションの未来 #3」レポート

ファッション業界の中でも異なる形で活躍する登壇者が集まり、全体を3つのパートに分けて、「生成AI」という共通のテーマでセミナーとトークセッションを実施。生成AIの概要から、具体的な活用事例まで伝えた。

セミナー:ジェネレーティブAIとファッションの未来

・登壇者:株式会社OpenFashion CEO 上田徹

上田が登壇した最初のパートでは、「今、生成AIは何が起きているのか。そして、どのようにファッション業界に影響を与えるのか」について話した。「生成AI市場は急拡大している」からはじまった本パート。グラフや事例を交えながら世界における生成AI市場の現状や、2024年以降の進化を予測するなど、ファッション業界にとどまらない”生成AIのイマがわかる”内容となっていた。さらにOpenFashion社が提供する、ファッション業界に特化した生成AI導入支援ツール「Maison AI(メゾンエーアイ)」の機能についても触れ、「ツール内で誰でも使用可能なサンプルプロンプト(AIへの指示文章)を、現在の60個ほどから2,000~3,000個にまで増やします。あとは画像内の一部だけを差し替えたり修正する部分生成機能など、新たな機能も順次提供予定です」と、「Maison AI」の今後の展開について語った。

・Maison AI(無料トライアルあり):https://maisonai.io/

▶トークセッション:ファッションクリエイティブ制作における生成AIの活用

・登壇者:一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構 事務局長 古茂田 博氏、株式会社STEKKEY 代表取締役 砂押 貴久氏
・モデレーター:株式会社OpenFashion CEO 上田徹

トークセッションパートでは上田がモデレーターとなり、一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構 事務局長 古茂田 博氏、株式会社STEKKEY 代表取締役 砂押 貴久氏がゲストとして登壇。冒頭では砂押氏がプロデューサーを務めた「Rakuten Fashion Week TOKYO 2024 A/W」のキービジュアル完成に至るまでの制作過程など裏側を披露。「最初はワクワクと同時に不安もあった」と、生成AIの作品をキービジュアルに活用した背景をJFWO事務局長の古茂田氏が語り、砂押氏からはこの前衛的な取り組みについて、多くのステークホルダーからどのように理解を集めたのかなどを話した。クリエイターとオーガナイザーという異なる立場の2人から、生成AIを用いてひとつの作品を作り上げるまでを知ることができる貴重なトークセッションとなった。

さらに生成AIでの作品作りについて尋ねられると、「生成AIは70点くらいのものは出やすいが、そこからこだわりを入れて80~90点としていくのがとても大変」「(制作を進めるにあたり)パートごとに役割を分けるのが大事」と砂押氏が回答。今までの制作過程とは違う苦労した点や、実在するモデルのビジュアルを作品と組み合わせる場合にどこまでAIに学習させるかなど、具体的な話も飛び出した。

そして最後に古茂田氏からは、「生成AIの作品(デザイン)を元に形になりセールスされる、という時代がようやく幕を開けた。しかしながらまだビジネススキームがつくられていないので、その体系をつくるところの一助を自分たちも出来ればいい」と、ファッション業界における生成AI活用の広がりを示唆するコメントをもらい、トークセッションは終了となった。

▶セミナー:生成AIデモンストレーション -TOKYO AI Fashion Week 作品制作の実演-

登壇者:株式会社OpenFashion COO 上條千恵

本セミナーの最後となるセッション3にはOpenFashion社COO 上條が登壇。AI画像生成技術とファッションの創造性を融合させた、新たなファッションコンテスト「TOKYO AI Fashion Week – 2024 A/W Contest」を実施した背景に触れたほか、OpenFashion社が提供する生成AIツール「Maison AI」を使った画像生成デモンストレーションや教育機関との連携事例なども話した。

「AIを駆使する次世代クリエイターを応援」
「新しいことに取り組む人たちのエンパワーメントとしてAIファッションウィークを実施」

と、新たな技術によって生まれる新たな才能の支援も目的のひとつとして、OpenFashion社は今回のAIファッションウィークを実施したという話からセミナーが始まった。そして1,900以上の応募作品が集まったコンテストについては、「自分の作りたいイメージに合わせてプロンプト(生成AIへの指示)をどんどん研ぎ澄ませていく、というプロセスを通して、ステキな作品を作り上げている」と、ハイレベルな作品が多く集まったことをコメント。

さらに、自分がイメージするものをAIを使って画像生成するデモンストレーションや、モード学園の生徒たちが生成AIを活用して生み出したデザインを、実際に着用できる洋服にした事例なども紹介。生成AIを通してデザインを生み出し、それをどう活用するのかまで参加者の皆さまに知っていただく機会となった。

最後は「AIで生成する作品は一期一会のものが出てくる。そんな偶然の中から生まれたものが、どれだけ自分にとって価値のあるものかを見つける才能も非常に重要」と、生成AIとともに生きることになるこれからの時代に向けて言葉を寄せ、セミナーを締めくくった。今回のセミナー動画は下記より全て無料で視聴することが可能。

セミナー動画アーカイブ(無料)

セッション1:ジェネレーティブAIとファッションの未来
登壇者:株式会社OpenFashion CEO 上田徹
https://youtu.be/mucxIao4o4E?si=XkktXO8Fl6VzjS6R

セッション2:ファッションクリエイティブ制作における生成AIの活用
登壇者:一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構 事務局長 古茂田 博氏、株式会社STEKKEY 代表取締役 砂押 貴久氏
モデレーター:株式会社OpenFashion CEO 上田徹
https://youtu.be/DZ_xAwbJZR0?si=BRN-NiQle6KBLO0r

セッション3:生成AIデモンストレーション -TOKYO AI Fashion Week 作品制作の実演-
登壇者:株式会社OpenFashion COO 上條千恵
https://youtu.be/SCwqTuj5JXs?si=Euo1QVGsqZURKDoz

引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000099.000012284.html