足立区の優れた製品・技術を認定して広く区外へとPRする「足立ブランド」。足立ブランド認定企業である有限会社篠原刃型の、職人技とCAD・CAMの最新技術を融合させた新たな取り組みについて紹介する。

細かな部分まで表現!革でできた「レザープラネット」とは

ライオンのたてがみや、ゾウの鼻のシワなど、細かい部分の質感もリアルに表現された、手のひらサイズの動物たち。よく見ると、どれも革でできている。これは、有限会社篠原刃型が開発した「レザープラネット」という商品。動物の型に切り抜かれたヌメ革を水で濡らして、指で形を整えていくと、さまざまな動物の形に仕上がります。自分の手だけで手軽に作ることができ、子供から大人まで夢中になって楽しめると人気。高度な型抜きの技術と商品としての魅力が評価され、「レザープラネット」は平成24年度の「TASKものづくり大賞」にも選ばれた。この、細かい部分まで緻密に革を型抜く技術にこそ、同社が得意とする、正確で優れた「刃型(はがた)」製作の歴史がつまっています。さらに、その技術に最新のデジタルが加わることで、同社の製造現場からは新たな価値が生まれている。

そもそも刃型とは何か?

「刃型」とは、金属でできた、革を切り抜くための型のこと。切り抜く側が刃になっていて、革にあてて押し込むことで、その型に合わせて切り抜くことができる。革の靴やバック、ベルトなどは、それぞれの形に合わせて作られた刃型を用いて生地が裁断され、製造されていく。一般的にはあまり目にすることはありませんが、刃型は革製品の製造には欠かせない道具。

刃型には、製法や使われる鋼材によっていくつかの種類があります。同社では長く、「スウェーデン鋼抜き型」という刃型を中心に製造してきた。「スウェーデン鋼」とは、刃型を作るために必要な加工があらかじめ施されている鋼材のことです。細い板状の鋼材を、型紙の形を合わせて曲げていくことで、刃型が仕上がる。従来の製法(日本刀と同じように鋳造する方法)と比べて、低コスト・短納期で製造できるため、刃型作りの現場で多く採用されています。この鋼材を最初に開発したのがスウェーデンのメーカーであったことから「スウェーデン鋼」と呼ばれている。

職人の高い技術とデジタル、それぞれの魅力

「スウェーデン鋼抜き型」の製造は、鋼材を曲げていくだけとはいえ、誰もが簡単にできるわけではない。全て手作業で行われ、職人の高い技術と経験が求められます。型紙と1ミリでも異なれば、切り抜いた革が靴やバックの形に合わなくなってしまう。有限会社篠原刃型は、刃型ひとすじ30年。熟練した職人たちの手によって、きわめて正確な刃型を製造できることが誇り。

創業以来、クレームを受け取ったことはほとんどありません。その高い技術が評価され、革製品のメーカーからも厚い信頼が寄せられている。さらに、現在は「スウェーデン鋼抜き型」の他に、最新のCAD/CAMを活用した自動裁断にも取り組んでいる。これは、刃型を製造することなく、コンピューター上で作成した型紙のデータを用いて、そのまま裁断機で革を裁断するというサービス。冒頭で紹介した「レザープラネット」の動物たちも、このCAD/CAMによる自動裁断で型抜きが施されています。刃型を必要としないため、動物のたてがみの毛などのように、より緻密な型抜きをすることが可能である。
また、小ロットの商品の場合には、刃型を作るよりも手軽に裁断ができるメリットもある。

技術とデジタルの融合により、さまざまな課題を解決

同社では、革製品やその型抜きに熟知した職人の知識や技術と、CAD/CAMというデジタルの力が融合し、より幅広いニーズに対応する体制を整えている。少し前から、大量に物を製造するのではなく、少量で多様な種類の商品を手掛けたいという声が多くなってきました。そこで同社では、10年ほど前にCAD/CAMによる自動裁断を導入し、そういったお客様の商品作りにも対応するようになった。

CAD/CAMシステムには、描画やデザインで使われる「Illustrator」というソフトを使用します。細かな部分のデザインまでこだわることができ、切り抜く革にも正確に再現することが可能。これまでにはない商品を開発して、他社と差別化を図りたいメーカーにもおすすめ。また、小ロットでの製造にも向いており、クリエイティブな制作を手掛ける方にも活用されている。中量の生産の場合には刃型を、少量の生産の場合にはCAD/CAMによる自動裁断を、といったように、要望に応じた選択肢が広がることで、より効率的で質の高い商品開発につながる。

刃型があってもなくても、頼りになるのは熟練の職人技!

少量の生産のため刃型を製造しない場合にも、革製品を熟知した職人の知識は欠かせない。見た目だけでなく、商品としての使いやすさ、丈夫さまで考慮し、適切なデザインになるよう提案します。手仕事の経験があるからこそ、デジタルの良さを最大限に活かすことができる。

同社では、商品の企画の段階からヒアリングを行い、根本的なニーズを汲み取って提案することを大切にしている。お客様の「何かを作りたい」という思いを、職人の知恵と経験、そして最新のデジタル技術がサポートしていく。

引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000136487.html