アートディレクター・グラフィックデザイナーとして数多くのクリエイティブを世に送り出しながら、美術系の大学でデザイン学科の教授として教鞭をとるカイシトモヤ氏による、「デザインプロセスのコミュニケーション術」と「創造性の育て方」が学べる実践書『すべての仕事はデザインから始まる。』が7月28日に刊行された。クリエイティブな仕事に憧れる人や、デザインを発注する立場にある人、デザイナーの方など、幅広い層に役立つ1冊となっている。

著者略歴
カイシトモヤ
アートディレクター/グラフィックデザイナー
株式会社ルームコンポジット代表取締役
東京造形大学 デザイン学科 グラフィックデザイン専攻領域 教授
1975 年兵庫県生まれ。関西大学産業心理学専攻卒業後、デザイン会社を経て2004 年独立、2007 年法人設立。
仕事においてプロセスやコンテクストおよびそれらの言語化を重視し、コンセプトメイキングやデザインを行っている。
香港国際ポスタートリエンナーレ 金銀銅賞/KAN Tai-Keung 賞、APA 金丸重嶺賞、繊研流通広告賞 金賞等。
著書に『たのしごとデザイン論 完全版』『How to Design いちばん面白いデザインの教科書 改訂版』(エムディエヌコーポーレーション)など。

優れたデザインは「発注者」が決める

「優れたデザインは世界を変える」 ――そんな例は世の中にたくさん存在する。例えば、iPhoneやナイキのロゴ、東京タワーなど、挙げればキリがない。これらはすべて、いちデザイナーやクリエイターが一人でゼロから生み出したのではなく、そのデザインを依頼した「発注者」が必ず存在する。何が言いたいかというと、デザインというのは、デザイナーやクリエイターなど、特定の職業だけに依拠するものではないということ。では、そんな「世界を変えるようなデザインやクリエイティブ」は何によって生まれるのか? そこに欠かせないのが、発注によって生まれる「コミュニケーションである。

この本で学べること

本書では主に「デザインプロセスのコミュニケーション」について解説をしていきます。デザイナーでない人が、デザインの工程に参加し、優れたデザインを生み出すために、その具体的な方法を「アートディレクター/グラフィックデザイナーの視点」からまとめている。

例えば著者は、発注側からデザイナー側する相談を「マグロの刺身」に例えている。丸々1匹のマグロが指しているものは、例えば「若い世代に、この商品の認知度が上がるような施策を考えてほしい」といった大きな課題のこと。「デザイナーはそれをいきなりドンと渡されても捌けない」と言う。丸ごとのマグロ一本を捌くのは、アートディレクターの仕事。頭と尻尾を切り落とし、ワタをきれいに洗い落とし、身から骨を削いで半身の状態にして、デザイナーに渡す。デザイナーは一本のマグロ丸々は捌くことはできないが、半身であればそれを柵(さく)に切り分けたり、その柵を切って刺身に仕上げたりすることができる。でも、もし相手が新人のデザイナーだった場合、その半身ですら荷が重い可能性がある。その場合は、柵の状態までこちらで切って渡したり、時には実際に途中まで刺身を切り分けて見せたり、あとは同じようにやってくださいと具体的な指示があったほうが、相手にとってやりやすい場合もある。

本書ではさらに、デザイン発注を切り口に、「創造性への理解と、センスの育て方」についても解説していきます。今はクリエイティブな仕事をしていない人でも、その入り口として「適切なコミュニケーション技術」と「考え方」を学ぶことのできる、唯一無二の実践書です。「クライアントとデザイナーの対立関係を終わらせる本(著者談)」として、1人でも多くの方に手にとっていただきたいと考えている。

本書の構成

第1章:発注とはコミュニケーションである
第2章:具体と抽象のコントロール
第3章:良い発注を作るためのレシピ(基礎編)
第4章:良い発注を作るためのレシピ(応用編)
第5章:デザイナーの頭の中をのぞき見る
第6章:「評価と選択」までがデザイン発注
第7章:デザインプロセスのコミュニケーション
第8章:デザイン発注が生み出すもの
第9章:クリエイティブな発注者になるために

引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000404.000080658.html