近年、1つのスポーツ競技として注目されている「eスポーツ」が、日本でも少しずつ盛り上がりを見せています。ゲームが好きな人や得意な人が、ゲームを通じて収入を得て、生計を立てていくことも夢ではなくなっています。

ではどうしたら、憧れのeスポーツ選手になることができるのでしょうか。eスポーツ関連のスタッフとして働く方法についても、あわせてチェックしていきます。

eスポーツ選手として活躍するには?

日本では、まだ認知度が低いeスポーツ選手ですが、アメリカや中国、韓国などでは、職業として広く認知され、年収1億円以上を稼ぐ一流選手が数多く活躍しています。

日本で、eスポーツ選手として活躍するためには、何よりもまず、世界のトップ選手を相手に闘えるレベルのゲームスキルを身につける必要があります。海外のトッププレイヤーの中には、ゲームのトレーニングを週に60時間以上行っている人もいます。自分が得意とするゲームを見つけ、徹底的にスキルを磨くことが、eスポーツ選手に近づく第1歩です。

しかし、eスポーツの世界は厳しく、世界で活躍できるレベルのスキルを身につけるのは難しいものです。独学で学ぶことに限界を感じた場合は、eスポーツの専門学校でノウハウを学び、同じ夢を持つ仲間と切磋琢磨しながらスキルを磨いていくのも良いでしょう。専門学校は設備も整っているため、集中してゲームスキルを磨くことができます。

スキルを磨いたら、一般社団法人日本eスポーツ連合(以下JeSU)公認のゲームタイトルを使用している大会に出場しましょう。大会で好成績を収めることで、JeSU公認のプロライセンス発行につながります。

2019年2月11日現在、ジャパン・eスポーツ・プロライセンスが130名に、ジャパン・eスポーツ・ジュニアライセンスが1名に発行されています。プロのeスポーツ選手として活躍するために、まずはプロライセンスの発行を目指しましょう。

eスポーツ選手にもマネージャー職がある

近年、日本でもeスポーツのトップ選手には、他のスポーツ選手と同様にマネージャーが付くことが増えてきました。自分自身がプレイするのではなく、スケジュール管理や、チームの編成などを担って、選手をサポートする道も、eスポーツ業界で働く選択肢の1つです。

eスポーツ業界はどの職種も優秀な人材が不足しています。選手が競技に専念できる環境も整っていないため、マネージャーは、選手の食事作りや、チームのプロモーション活動、選手のスカウトなども任されることがあります。任される業務が多く、大変な仕事ですが、多方面からチーム作りにかかわることができる、やりがいのある仕事だと言えるでしょう。

eスポーツチームのマネージャーは求人募集が出ることがあるようです。芸能事務吉本興業やワタナベエンターテインメントなど、多くの芸能事務所がeスポーツ事業に乗り出しています。eスポーツ事業に進出している芸能事務所や、eスポーツチームを運営している企業に就職して、マネージャーを目指してみるのも良いでしょう。

チームをリードする監督・コーチ

どんなに優秀なチームでも、選手だけで大会に挑んでいると行き詰まってしまうことがあります。長い間、第一線で活躍できる選手とチームを作るためには、チームをリードする監督やコーチの存在が欠かせません。

監督とコーチは、ゲームに関することがメイン業務になります。
練習方法を選手と一緒に考えたり、試合の戦略をアドバイスしたりするのが仕事です。

eスポーツのスキルを高めたいプレイヤーとコーチをマッチングする『GamerCoach』などのサービスで、コーチとしての経験を積むこともできます。eスポーツチームを運営している企業に就職するのも良いでしょう。実績を積んで、プロチームの監督やコーチを目指しましょう。

アナリストになって情報収集

アナリストは、ゲームや対戦相手を分析し、情報で選手をサポートするのが主な業務です。小さいチームでは、コーチがアナリストを兼任することもあるようです。
チームの数だけ戦い方があり、対戦相手によって、戦い方を変えていく必要があります。自チームの選手の弱点を分析し、監督やコーチと連携する必要もあるでしょう。

アナリストはeスポーツについて精通している必要があります。そのため、eスポーツに関する専門学校で学び、eスポーツチームにアナリストとして加わるのを目指すのが近道かもしれません。

大会にいざ参加!大会の分類は?

続いて、eスポーツ選手となる場合について、順を追って考えてみましょう。

eスポーツの大会は、「単発」、「リーグ」、「ツアー」の3種類に分類されます。「単発」は大小様々な大会があり、日本では「Shadowverse」を使った「ファミ通 CUP」、「モンスターストライク」を使った「モンストグランプリ」などが実施されています。様々なゲームタイトルが使われ、高額な賞金が設定されることもあります。

「リーグ」は、参加チームが総当たりで対戦して、決められたシーズン期間での順位を決めるものです。プロ野球や、Jリーグなどの戦い方を思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。

日本には、「eスポーツコミュニケーション」が主催する「日本eスポーツリーグ」や、「Riot Games」が主催する「League of Legends Japan League」などの大会があります。参加者が固定された中で一定期間戦い続けるため、スポンサーやファンが付きやすいのが特徴です。
『リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)』のライアットゲームズ ディレクター・齋藤亮介さんインタビューはこちら
「ツアー」も「リーグ」同様、一定期間戦い続ける大会ですが、参加者が固定されていません。プロライセンスを持っていなくても参加可能な大会があります。日本では、2018年に賞金総額1,000万円の「CAPCOM Pro Tour ジャパンプレミア」が開催されました。

その他、オンライン対戦が行われたり、常設施設で大会が開催されたりすることもあります。一般の人が参加OKな大会もあるので、eスポーツ選手を目指す人はチャレンジしてみると良いでしょう。

大会申請から開催までのプロセス

一方で、大会を開催し、運営する側に回るにはどうすればよいでしょうか。ここからは、eスポーツの大会やイベントを企画し、運営する際のプロセスを説明します。

eスポーツの大会を開催する場合、まずはゲームタイトルの著作権者に、大会を実施するための申請をしなければいけません。企画した内容について、運営者と著作権者の間で合意がとれたら、利益の分配などを含めて契約を結びます。

契約締結後は、集客するためにプロモーションや、大会の様子を配信する準備などを整えたうえで、大会の日を迎えます。

eスポーツ興行についてはガイドラインが定まっておらず、事業者と著作権者が契約を締結するまでに、多大な時間を要しているのが現状です。

eスポーツ大会の運営者として働きたい場合は、eスポーツイベントを行っている企業に就職することが最も近道といえるでしょう。

著作権者とのコミュニケーションを円滑に進める支援の仕事も

eスポーツがもっと盛り上がっていくためには、日本各地で、eスポーツに関する様々な大会やイベントが行われる必要があります。大会やイベントを通じて有望な選手が育つことで、多くのファンとスポンサーが付き、eスポーツ市場がますます拡大することが期待されます。

そのためには、事業者が大会を企画・運営しやすくなるようなガイドラインの策定が急務です。ガイドラインが定まることで、事業者と著作権者とのコミュニケーションが円滑に行われるようになるでしょう。大会を実施するまでの工数を削減できるため、様々な規模の大会を開催しやすくなります。

小規模な大会の申請から実施までのプロセスをスムーズにするためには、著作権の許諾代行も1つの方法です。著作権を集中管理し、全国からの問い合わせを一元的に受け付けることは、運営者側、著作権者側双方の負担軽減につながります。

プラットフォームを共有し、プロモーション活動を行いやすくする方法も有効です。運営者はコンテンツを作成する工数を削減できるだけなく、集客しやすくなることで安定した収益を見込むことができるでしょう。

まとめ

eスポーツは、選手だけでなく、マネージャー、監督、コーチ、アナリスト、イベント運営者、動画配信管理者など、様々な職種の人の力で成り立っています。

市場が拡大しつつある日本では、全ての職種において優秀な人材が不足しています。eスポーツに携わりたい人にとっては、今がチャンスです。eスポーツ関連の職業にチャレンジして、eスポーツをもっと盛り上げてみてはいかがでしょうか。