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『A3!』など、数多くの人気キャラクターを手がける冨士原良さんインタビュー 「イラストはプレゼントの包装紙で、開けてもらうために頑張るのが役目」

イケメン役者育成ゲーム『A3!』など、数多くの人気ゲームのキャラクターデザインやイラストを手がける冨士原良さん。イケメンイラストなら冨士原さん、というほどに女性から絶大な支持を集めています。デビューから現在まで、仕事のオファーが途切れることなく続く冨士原さんに、イラストレーターになったキッカケから転機になった作品などについて伺いました。

冨士原 良(ふじわら・りょう)
フリーイラストレーター
8月15日生まれ 兵庫県在住。
代表作に『A3!』(リベルエンタテインメント)のキャラクターデザイン、『薄桜鬼』『死神姫の再婚』(エンターブレイン)の挿絵などがある。キャラクターデザインのほか、ゲーム・書籍・CDジャケットのイラストや漫画など、幅広く活躍している。

美容の専門学校でデッサンを褒められ、イラストの道へ

――冨士原さんがイラストレーターを目指したキッカケを教えてください。
元々はイラストレーターではなく、ヘアメイクアーティストを目指していたんです。高校時代にバンドをやっていた先輩のヘアメイクを手伝ったのが楽しくて、「これを仕事にしたいな」と思って美容の専門学校に入学しました。でも、次第に週1回あるデッサンの授業の方が楽しくなっちゃって(笑)。先生にも「センスがあるから卒業したら絵の専門学校に行かないか?」と言われてその気になって、学校から帰るとパソコンで絵を描くようになりました。
しばらくしてpixivにイラストをアップするようになり、何ヵ月か経ったあたりでソーシャル系のご依頼をいただいて。それがイラストレーターとしてのスタートですね。

――では、pixiv経由でお仕事を始められたんですね。
そうです。最初はゲームに使う小物のイラストとか、ちょっとしたものを描いて欲しいという依頼でした。その頃から、同世代でイラストの仕事をしている方たちとも知り合うようになって、自分もイラストを仕事にするにはどうしたらいいか考え始めて。絵柄がどうとかよりも技術をつけることが先決だと思ったので、最初は上手いと思う漫画家さんの模写をしていました。『NARUTO』とか少女漫画とか、今敏監督の映画とかをシーンを止めて模写して、模写していれば上手くなると錯覚していたんです(笑)。

――模写するうちに自分のイラストが変わってきたな、と実感するようなタイミングはありましたか?
基本的には自分の描きやすい感じでずっと描いているので、あまり実感はなかったです。ですが、クライアントから「目をもっと大きく」とか「顎を細く」とかっていう注文が多かったので、「なるほど…」と思いながら修正していって。

――お仕事を始められた頃から、“冨士原良”としてフリーで活動されているんでしょうか?
最初は違う名前で活動していたんですけど、『死神姫の再婚』あたりから“冨士原良”と名前を変えて、Twitterもサイトも開設して活動を始めました。pixivを始めてからありがたいことにずっと途切れず仕事をいただいていたので、途切れたら就職を考えないと…と思っているうちに今に至ります。

担当からの一言で自己管理の甘さに気づいた

――『死神姫の再婚』以降、次々と挿絵や漫画のお仕事が増えていますよね。
ちょうど、『死神姫の再婚』のコミカライズと同時期に『薄桜鬼』ノベライズのお話もいただいたんです。2つともコンペ形式だったのですが、両方できる気がして「やります!」と手を挙げたら、運よく両方とも受かって、そこからいただくお仕事も増えていきましたね。

――お仕事が増えて、読者からの反響はいかがでしたか?
反響というのは特に実感がなかったんですよね。新しい絵に対しての感想をいただいたり、フォロワーも数では見えますけど、作品が発表されるタイミングで増えるという感じなので。私自身は、表に出ることも手紙をいただくようなこともほとんどないので、マメにリプライをくれるファンの方の存在はありがたいですね。

――すごく謙虚ですね。ですが、それから依頼はどんどん増えていくわけですよね。
そうですね。あのときが一番仕事していた気がします。多いときは漫画の連載と挿絵とソーシャルゲームの単発のカラーを月10枚以上描いていました。

――そして忙しさのピークが来た、と。
ピークと言うより、最初の何年かは「ここで断ったら次の仕事が来ない」と思い込んでいたんです。自分で勝手に思い詰めて、朝起きてから夜寝るまでずっと作業する感じで。

――朝から晩まで!?それはもうワーカホリックですね。

[画像]冨士原 良さん提供

そうなんです(笑)。働けば働くほど「充実してる!」と思っていましたし、疲れたらにんにく注射打てばいいやって。それくらいしないと仕事がこなせないくらい働いていました。あまりにもスケジュールが詰まって、休みが月に1日しかないという状態が2年くらい続いたんです。で、当然体調も崩れ始めて腱鞘炎にもなったけど治療しに行く時間もない。半年くらい痛いまま描いていたら、ある担当さんに「休むのも仕事だ」と怒られてハッとしました。そこで、自己管理ができていないのは仕事ができていないのと同じなんだって気付いたんです。それから土日はちゃんと休めるようにスケジュールを組んで、健康にも気を遣うようになりました。

――それは担当さんに指摘してもらえて本当によかったですね!
そうですね、言ってくれなかったら気付かなかった(笑)。腕を痛めてからは1日の作業時間もあんまり増やせなくて。だから今は1日の作業をノルマ制でやっています。

――腕を休めるときの気分転換って何かありますか?
全くないです。集中しちゃうともう一瞬って感じで、強いて言うならトイレぐらいかな(笑)。私はどうやら痛みに鈍感みたいで、なかなか疲れに気付けないんですよ。

――1日どれくらいの時間、作業していますか?
大体6~8時間、1日1作業くらいです。今日は下書き、明日は線画、とか。1枚完成するのに3~4日かかるので、昔の自分の作業スピードと比べても遅いですし、他の人に比べても遅いと思います。

――機器はどのようなものを使っていますか?

[画像]冨士原 良さん提供

WacomのIntuos Proと、LogicoolのG13という左手デバイスです。最初に絵を描き始めたのが板タブだったので、手元を見て絵を描けないんですよ、自分の手が邪魔で。画面を見ながら描けるのでこの形で落ち着いています。

――構図の決め方とか、顔の描き方にこだわりはありますか?
構図の段階では、なんとなく笑顔だと伝わる程度とか、割と大雑把に描いています。この段階で表情とか色とかをアウトプットしちゃうと、下書きのときにそこに近づけようという気持ちが邪魔になるので。特に表情については一発で描いちゃうのが好きですね。

――アイデアのインプットはどんなところからですか?
メンズのファッション誌とか、コレクション系の雑誌はよく読みますね。あと、休みを作って旅行に行くとか。例えば、ご飯を食べたら自分の肉になるじゃないですか。それと一緒で、見たものとか得た知識とかは自分の血肉になるんですよ。旅行先で見た景色も、「あの色は綺麗だったな」と感じたら、その色を自分のイラストにも出したいと思いますし。ですから今は、そういうものを取り入れる時間を大事にしています。

担当さん達の言葉があったからこそ、今の自分がいる

――イラストレーターとして転機になった作品を挙げるとしたらどの作品ですか?
そうですね…やっぱり初めて担当さんについていただいた『死神姫の再婚』でしょうね。あの作品で関わった担当さん達の言葉は仕事をする上で自分の基礎になった言葉ばかりなんです。「休むのも仕事」と言ってくれたのもそうですし、「真面目すぎるからもっと不真面目になったほうがいい、切羽詰まりすぎだ」と言われたこともありました(笑)。たぶん余裕のなさが伝わっていたんでしょうね。でもそういう風に言っていただいたことで気付けたことも多かったし、作家としてどう立ち回っていけばいいのか相談に乗ってもらったこともあるので、あの仕事を受けてなかったら今の自分はないだろうなと思います。

――担当さんとは密にコミュニケーションを取るから関係性を築くのは大事ですよね。
そうですね。ただあまり密になりすぎて友達みたいになっても馴れ合いが生まれてしまうので、適度な距離感を保つのは大事にしています。
最近の仕事で印象的な方だと、リベルエンタテインメントの担当さんはイラストを出すたびに毎回すごく長文の感想メールをくれます(笑)。そういう意味では、担当さんは“最初にイラストを見てくれるお客さん”でもあるので、そこで返ってくる言葉とか反応とかを見ながらイラストの方向性を決めることもありますね。

――今まで数多くの作品を手がけられてきて、ご自分で思う“冨士原良らしさ”はどのようなところにあると思いますか?
自分はずっと無個性だと思ってやってきているんですよ。好きなものを描いていたら、それが仕事になった…という感じで。イケメンを描いていたらイケメンの仕事がきましたし、自然と自分が好きなジャンルの仕事ばかりになっていると思います。でも、自分で創作したい、オリジナルキャラクターを描きたいっていう気持ちはあまり多くなくて、オファーしていただいたものにちゃんと応えるというのが好きなんでしょうね。

――「好きこそものの上手なれ」でしょうか。冨士原さんはどういう瞬間にやりがいを感じますか?
メールを返したり、請求書を作ったりする時間がすごく好きです。働いている感があるじゃないですか(笑)。それと、〆切の何日も前に納品すると、仕事にちゃんと応えているぞって感じがして好きですね。

イラストはプレゼントの包装紙。素晴らしい中身を見てもらうために頑張るだけ

――現在手がけられている作品のひとつ『A3!』が大人気ですが、これはどのような経緯で携わることになったのでしょうか?
イケメン役者育成ゲームということで最初から私にご依頼いただき、楽しそうだなと思ったので「お受けします」と。あまりにすんなり受けたため、プロデューサーの方から「きっと断られるだろうと思ったのに。すぐ決まって本当に嬉しい!」と言われたのが印象的でした(笑)。

企画書には「組ごとにキャラクターの方向性が違う」と書いてあったので、いろいろなキャラクターを描いて、その中で「この子はこのカラーの方がいい」というのを一から意見を出させていただきました。あとは全員並べてみて、バランスをみて考えるのも楽しかったですね。とにかく私のやりたいものに対する担当さんの理解力がすごくて、「こういうの」って持ちかけるとその先まで読み取ってくれるのでやりやすさがあります。いっぱい男の子がいるのでファッションの話もするんですけど、プロデューサーの方が男性で、その方自体すごくおしゃれなんですよ。なので、ちょっと変わった尖った服装をやりたいと提案しても肯定的にとらえてくれて、冒険のしやすさは今までで一番ありますね。ある程度は任せていただけますし、自信がなくて相談してもちゃんと答えてくれるから良いものができるなっていう。デザインにBALCOLONY.というデザイン会社さんが入っているんですけど、構図とか配色とかも一緒になってやってくれて、自分一人だけじゃ絶対できないものを作っているという感覚が『A3!』ではすごく多いですね。

――チームとして団結力が強いということでしょうか?
チームとは違いますね(笑)。あくまでイラストはプレゼントの包装紙のようなもので、中身を作っているのは会社の方なので。私は中身が良いものだと知っているし、包装紙を開けてもらいたいから頑張るぞ、という。ずっとそういう感じで描いています。

――本当にトコトン謙虚ですよね。では最後にイラストレーターを目指す人へアドバイスをお願いします。
スケジュール管理と健康管理は仕事を続けていくために一番大事なことだと思います。でもそれはできて当たり前で、やっぱりイラストが重要。「イラストレーターになりたい」という全体を見渡す言葉より、「このジャンルの」とか「この会社の」という具体的な目標を持てれば、自分の方向性や目指すところに行きやすいんじゃないでしょうか。私もイケメンを描いていたらイケメンの仕事がきたので(笑)。やっぱりひとつのことに絞って、そこに集中するのがいいと思います。

――冨士原さん、ありがとうございました!

インタビュー・テキスト:上野 真由香/編集:CREATIVE VILLAGE編集部

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