YouTubeをはじめとする無料動画投稿サイトのおかげで、いつでもどこでも気軽に動画が楽しめるようになりました。ネット上にはいろいろなジャンルの動画がありますが、今ではVRの技術を使った360°全方位の映像を楽しめる「360°動画」といった新たなジャンルも登場しています。一昔前には考えられなかったような、エンターテイメントの新たな時代が到来しつつあるのです。

360°動画のクオリティは日に日に進化している

2016年は「VR元年」と呼ばれ、ゲームやイベントなどエンターテイメントの分野でいろいろな取り組みが見られました。

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VRに関連する製品も相次いで発売されましたが、360°動画は特別なアイテムを必要とせず、ネットにアクセスするだけで簡単にVRを体験できる便利なツールです。映像はただ見るだけでなく、再生中にスマートフォンやマウスを動かすと上下左右360°のアングルで対象物を見ることができるのが特徴。観光地や世界遺産、テーマパーク、あるいは大空を飛行する映像など、まるでその場所にいるかのようなリアリティのある映像を楽しめます。
一昔前の360°動画は一部不鮮明になってしまったり、繋がりがおかしかったりと不自然な部分もありましたが、撮影技術やデバイスの進歩によって今ではクオリティは格段に上がっています。家にいながらにして、臨場感たっぷりの映像を楽しむことが可能です。

見ごたえ抜群!おすすめ360°動画!

YouTubeには360°動画のみを集めた「360°Video」チャンネルがあり、多種多様なジャンルの動画を楽しむことができます。ここでは、その中でも再生回数の多い人気動画を3つ紹介します(※)。

・美しい海でイルカと泳ごう!
https://www.youtube.com/watch?v=BbT_e8lWWdo
この動画では野生のイルカと一緒に泳いでいるかのような体験が可能です。バックにはゆったりとした音楽が流れ、時折イルカの鳴き声も入っています。頭上から降り注ぐ柔らかな太陽の光、美しい海、そして可愛らしいイルカの群れに癒されること間違いなしです。

・主人公はあなた!ゲームの世界に飛び込もう
https://www.youtube.com/watch?v=5SW_6FQJuF0
この動画では、人気テレビゲーム「スーパーマリオブラザーズ」の世界観に入ってゲームのアクションが楽しめます。テレビゲームでは横から見ていた景色をマリオの視点から見るという斬新なアイディアで、今までとは違った発見があるかもしれません。バックにはおなじみのあの音楽や音声が流れていますので、懐かしさがこみ上げてくる人も多いでしょう。

・リアルな体感で身も心も凍る
https://www.youtube.com/watch?v=g7SQV5bYECI
こちらは日本発の360°ホラームービーです。映像を自分で動かすことができるため、「怖いけど気になる」と、好奇心と恐怖心の間で揺れ動きながらついつい最後まで動画を見てしまう人が多いようです。コメント欄には「ビビった」「なにこれ怖い」などといったコメントが寄せられており、クオリティの高さがうかがえます。

※【iPhone初心者.com】YouTubeのVRモードで見れるオススメ360°動画12選!

見るだけでなく自分で動画撮影を楽しめるガジェットも!多様な楽しみ方ができる

360°動画はスマートフォンやパソコンがあれば楽しめますが、専用のガジェットを使えばよりリアルな体感を得られます。
たとえば手持ちのスマートフォンを装着するだけのVRゴーグル。頭を動かすことで目の前の映像が動くので、本当にその世界に身を置かれているような感覚を味わえます。VRゴーグルはVOX+ 3DVRやLeelboxなど、各メーカーからVR専用のゴーグルが販売されており、ネットショッピングなどで簡単に入手することができます。

また、RICOHの「THETA S」やサムスンの「Gear360」などのカメラを買えば、自分でも360°動画を撮影できます。これらのカメラは専用のアプリをダウンロードし、スマートフォンと連動させて使います。

アプリを使えばSNSへのアップもすぐにできますので、撮った写真や動画を友人とシェアしたり、動画投稿サイトに投稿したり、楽しみが広がります。またVRは単に楽しむだけでのツールではなく、お客様により細かな情報を伝えるためのツールとしてビジネスの世界でも注目を集めています。たとえば株式会社リクルートスーモカンパニーでは、2016年8月に発売したマンション情報誌に「スーモスコープ」を付録としてつけました。これはGoogle Cardboardの技術を活かしたVRゴーグルで、専用アプリと合わせて使うことで新築マンションのモデルルームを見ることができるアイテムです。実際に足を運ばなくてもマンションの内覧ができますので、効率的に情報収集ができます。

Web広告の世界でも応用されている360°動画

360°動画はあらゆる分野で活用されており、広告業界にも変化をもたらしました。Web上にはたくさんの動画広告がありますが、そこに360°動画を使った広告が掲載され始めているのです。従来のバナー型の広告は、広告主が一方的に流したい情報を流すだけでした。視聴者が興味を持った場合にはそこからリンクへアクセスし、自分で新たな情報を探さなくてはなりません。しかし360°動画広告は、視聴者がマウスで動画に触れたりスマートフォンを動かしたりするだけで映像が変化し、視聴者の見たいものを見ることができるようになっています。
「ここはどうなっているのか」「この角度から見たらどう見えるのか」などと、視聴者の興味や関心を引き出し、より高い広告効果をもたらすのではないかと期待されているのです。YouTubeやFacebook、その他さまざまなWebサイトですでに導入されています。リゾート地や遊園地などは、まるで実際にその場にいるかのような疑似体験をしてもらうことで視聴者に興味を持ってもらい、集客につなげようと360°動画を活用しています。

このように、VR技術の活用はエンターテイメント業界に留まりません。今後はVR技術が多方面で活用され、新たなサービスを生み出していくことでしょう。

(CREATIVE VILLAGE編集部)