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新海誠作品をきっかけに映像作家を志した期待の新星、山本蒼美監督とは…?!

独特の映像美、風景描写の緻密さで知られ、最新作『君の名は』の公開を8月26日に控える新海誠監督。

その新海誠監督作『ほしのこえ』(2002年)を中学生の時に見たことをきっかけに、映像制作を志したという山本蒼美監督は、2011年に新海監督と同じコミックス・ウェーブ・フィルムより商業デビューを果たしました。

s_yamamotoその記念すべきデビュー作は『この男子、宇宙人と戦えます。』。その後も、個人制作の『この男。』シリーズは、毎年約1本作られ、第5弾となる今年はUSAT枠(ウルトラスーパーアニメタイム/TOKYO MXとBS11にて、30分枠でショートアニメを一挙に3本連続で放送)でO.A.されました。

第5弾『この男子、魔法がお仕事です。』のDVDは、オリコンのデイリーDVDアニメランキングで4月14日、4月15日と1位を獲得するなど、ますます注目を集めています。
この、さらに反響が大きくなっている中、山本監督に、今までと、これからのことをお伺いしました。

まずは、新海監督の『ほしのこえ』について改めて尋ねると「眩しいほど豊かな色彩と切なく煌めく光、それに彩られた叙情的な少年少女と世界の物語に心打たれました。特にモノローグ部分は、台詞を聞いているのに文字を読んでいるようで、当時TVアニメと漫画しか知らなかった自分にとって、その中間の表現のようなこの作品はカルチャーショックに近かったです」と振り返ります。

『ほしのこえ』に大きな感銘を受け、映像制作を志した当初を「最初は何もかも手探りで、技術の殆どはネットの“アニメ講座”などで覚えました」と明かす山本監督。大学時代はひたすら一人でアニメを作り、完成した作品を幾つかのコンテストに応募し、受賞したことでアニメを作り続ける自信と、商業デビューへの道を得たと言います。

その経緯にも新海監督と通じるものがありますが、山本監督に作品のテーマについて尋ねると「いつも自分自身の悩みから着想を得ています」とのこと。『この男子、魔法がお仕事です。』では、自分には魔法以外に取り柄がないと考えている神島が十四日と向かい合うまでの葛藤が印象的に描かれていますが、山本監督自身「働いていない自分は無価値ではないか」と思っていた時期があり、同じ悩みを抱える人に届けたくて作ったそうです。後半の十四日の「そんなこと(魔法使いでない神島には価値がないと)は思った事が無い、俺の気持ちを勝手に決めるな」というニュアンスの台詞は、山本監督が実際友人に言われた言葉とのことでした。

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さらに「制作ではいつも色彩に拘るようにしています」という山本監督が、今回新たに取り入れたソフトが“Live2D”。それにより、今回は作画の手間が大幅に省けたと言います。「大きな動きはまだ難しいのですが、顔をあげる、軽く振り向く、目を見開くなどの細かな動作には大いに役立つ上、ぱっと見作画とほぼ変わりません。これは特に個人でアニメを制作している人にオススメしたいツールだと思いました」と新たな試みの感想を語っています。

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最後に、今後について尋ねると「テーマである心の葛藤は大切にしたまま、もう少し長い物語にも挑戦してみたいです。また、第5弾まで来た『この男。』シリーズをこの先も長く続けて行くつもりです」との答えが。
普段は広島で活動している山本監督ですが、先日は『この男。』シリーズ4作品の上映に合わせ、下北沢トリウッドでの舞台挨拶&ティーチインも行いました。その時のことを「ファンの方とお会いして直に感想を聞くといつも“このアニメを作って良かった”と胸が熱くなります。作った先に受け取る人が居てくれてこその作品です。今以上に頑張ろうという気持ちも湧いてきます。大変幸せな時間でした」と振り返る山本監督。今後がますます楽しみな映像作家の一人です。

■「この男。」公式ポータルサイト
http://www.konodan.com/

(2016年5月17日 CREATIVE VILLAGE編集部)

新海誠監督インタビュー(2014年4月7日掲載)

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